島根県電気工事工業組合青年部
【機械よりの墜落】
手すりのないフォークリフト運転席から2.8m下に墜落死
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【発生状況】
  • 高所作業にもかかわらず手すりが使用できない状態

    Xは高さ2.8mの場所から墜落したわけだが、これはいわゆる「高所作業」であり、手すりを設置するなどの墜落防止措置を講じる必要があった。 しかし、A社ではフォークリフトに当初設置されていた手すりをテープで固定し、使用できない状態にして作業を行っていた。 つまり墜落防止措置を講じずに作業を行わせたことが、災害原因として挙げられる。 今回の事例のように手すりを使用しないのであれば、作業員には安全帯を使用させて作業を行わせるべきであった。 さらに、危険な状況で作業を行っていた作業員の安全意識の希薄さについても見逃すことはできない。最大荷重1t未満のフォークリフトを運転する場合、特別教育が必要であるが、A社では実施しておらず、日頃からの安全教育も行っていなかった。 また、フォークリフトには定期自主検査が義務づけられているが、その際に、手すりが使用できないような状態であったことを放置するなど、A社の安全管理に問題があるといえよう。このため、A社と、Xに作業を指示する立場にあった現場責任者が労働安全衛生法第21条第2項、労働安全衛生規則第519条第1項違反の疑いで送検された。 この事件を担当した監督官は、「手すりは必ず使用できるようにし、やむを得ない場合は安全帯を使用させることを徹底して欲しい。また、被災者の経験が浅いことを考えれば、現場責任者だけでなく不安全な作業方法をとっていた先輩作業員らにも責任がある」と語った。