島根県電気工事工業組合青年部
【木柱倒壊】
引込線仮移設中、木柱が倒れ負傷
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【発生状況】
  1. 8時45分頃、現地へ到着し作業方法について打ち合わせの後、引込線撤去作業に着手した。
  2. 被災者Aは、木柱の地上部付近をハンマーで打診した後、胴鋼昇柱を行なった。
  3. 被災者Aは、ロープ引込線に縛りつけ、そのロープを足場釘に巻きつけた後、引込端子箱から引込線をはずした。
  4. バインドレス碍子の負荷側で引込線を1線切断し、残りの1線を切断したところ、ロープ取付箇所から引込線が抜け、木柱が折れ、ゆっくり川の方向へ倒れ出した。
  5. 被災者Aは、胴鋼をつけたまま電柱とともに態勢をくずしながら川底に落ちた。
    (電柱の頭部が川向こうの土手に当った後、石垣をこすりながら川底にずり落ちた。)


【コメント】
  • 木柱根元点検が不十分だった。
  • 引込線へのロープの縛りつけ方法が適切でなかった。

  • 昇柱前の木柱根元点検は、ハンマー打診等により実施の腐食の有無・位置等を調査する。未舗装箇所で掘削可能な箇所は、地際部を10〜20cm程度掘削し点検する。
  • 木柱の上部については、目視による点検を行ない、次の事項が認められる場合は、昇柱・高所作業車等を使用した入念な点検を実施する。
    1. 変色しているものや表面が毛羽立っているもの。
    2. 亀裂が大きいもの。
    3. 亀裂箇所に粘土状の生物の排泄物が多く見られるもの。
    4. ふし穴、電柱切りかぎ、ボルト穴、キツツキ穴等があるもの。
    5. 日中でも日の当たらない場所にあるもの。
    6. 継柱(特に、本柱と継柱の材質が異なっているもの)となっているもの。
    7. 偏心荷重、不平衡張力等による湾曲が著しいもの。
  • 電線等を取り外し引っ張り荷重が不平衡となる場合は、倒壊防止処置をする。