一眼レフもRAW現像ソフトも持ってないし、HDRI素材集は高価で種類も限られています。しかしHDRIによるレンダリングは魅力的。ということで無理矢理、手持ちのモノで作ってみたいと思います。そもそもShadeはちょっと前から.hdrを出力できるようになっていましたが、どう使うべきか分かりませんでした。
 最近になって自分なりに思いついた方法を試した処、本来の方法で作成したHDRIほどではないですが、いくらかHDRIっぽいイメージを作成できたのでココに記載する事にしました。いまいちコントロールしにくい作成方法ですが、ShadeとPhotoshop等だけでできますので可能性を感じられたらマネしてみてください。
まずパノラマ画像をつくります。一般的なデジカメ(パナソニックのLUMIX FX-9)で撮影した複数の写真(当然JPEG)をもとに作っていきます。街中でグルグルしながら撮影した写真をスムーズにつなげていきます。ここまでは普通の作業。
とりあえずこんな感じになりました。このままIBLの素材としてもいいですけど、こっから手を加えます。
球状の自由曲面にラップマッピングでパノラマイメージを貼ります。左の図は断面図のような感じ。今回は2層。空の部分を明るくしたいので、トリムマッピングで空だけレンダリングされるようにした球を内側に置きます。無限遠光源はゼロ。中心に全体を照らす点光源を一つ。夕日の感じを出す為のスポットライトをいくつか。反対側に夕日で明るくなる部分にもスポットライト(図の位置はおかしいですが)。
だいたいのイメージが掴めますでしょうか。ライトの強さは若干レンダリングイメージ上ではハレーションを起こしてるぐらいが良好なようです。
中心を視点としてパノラマでレンダリング。レイトレースでかまいません。もとのパノラマと同じようなものがレンダリングされます。

レンダリングイメージを.hdr や.exrで保存し、簡単なシーンでテストレンダリングを繰り返しライトを調節した結果、今回は左のようなイメージに落ち着きました。空のディテールが飛んでしまっているのが残念ですが、光源の設定とマッピングの調節で今後解決できそうです。
出来たHDRIイメージでテストレンダリングしてみました。光源はどちらもIBLのみ。車はCG DATA BANK製のモノ。球はよくある感じで。HDRIっぽくなっていると思いますが、いかがでしょうか。
次はもうちょっと単純なものを製作してみます。
右の図は球状の自由曲面を6つ大きさを変えてモデリングし、中心に点光源がある状態です。真ん中はブラウザの状態。シーンとしてはとても単純です。左は各テクスチャです。一番外側にパノラマイメージ、白黒2諧調はトリム、中心に近いほど明るくなるべきモノを設定。光源は中心の点光源1つのみです。先のと同様に中心からのカメラでパノラマレンダリング後HDRIで保存。
できたHDRIでのサンプルレンダリングです。とりあえず極端に反射させたい部分がある場合、有効かと思います。
同様の方法でラジオシティで作成した下にあるような室内イメージからHDRIを作成。簡単に発光部分に高いエネルギーを持たせる事ができます。
こちらは、窓の外の景色、蛍光灯、それらが壁にかけた額と鏡に反射している部分を発光させています。
そしてサンプルレンダリング。
緩やかに明るさが変化していくような表現は難しいですが、基本的にどんな画像もHDRIにできます。
なんといってもShadeとPhotoshopだけで作成できるのがメリットかと思います。
とりあえず以上です。よかったら
マネしてみて下さい。