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   文学教室
                         飛鳥 京子                   
                                                                                   平成19年10月4日付け 島根日日新聞掲載

 島根日日新聞文学教室に参加したのは、平成十五年からで、もう四年になりました。新聞や雑誌『季刊山陰』に載せられた教室の紹介を見て、求めていたものはこれだと思ったのです。文学教室は、一年前の平成十四年から始まっていました。
 この地方では文章教室というのは、ほかにはないのです。文章を書いてみたいという人達の多くは、同人≠ニ呼ばれるグループに所属するしか方法がありません。これまでいくつかのそれに顔を出してみましが、どれもこれもいま一つでした。
 どの会も、会員の中で回し読みをする程度の冊子が作られていました。ですが、それは、会員の目だけにしか触れないという内向きのものでしかありません。
 島根日日新聞文学教室には、作品の出来映えの善し悪しを問われることなく載せることの出来る場がありました。
 文学教室の良さは、自分の書いた作品が多くの皆さんの手に届くということです。新聞の文芸欄と『季刊山陰』という二つの場があります。まさに、外向きです。しかも、『季刊山陰』は同人誌ではなく、山陰地方で初めて発行された文芸雑誌だったのです。県内の童話作家の作品、文章の書き方のページ、画家の紹介、さらにはカラフルなグラビアもあるのです。毎号のように、書店の郷土出版物のベストテンに入っているというのも大変な魅力でした。
 文学教室という名からすれば、有名な方の講演を聴く、文学論について学ぶ教室のように思えますが、そうではありません。文章がうまく書けるようになるための基礎的な勉強です。文章を書くためには、まず約束事を知らなければいけません。思ったとおりのことを書けばよいというわけではなく、規則や原則を守らねば、内容がいくらよくても値打ちは半分になります。文章がうまくなるためには、原稿用紙の使い方、句読点の打ち方、段落の作り方、文の構成などの基本や常識が分かり、数多く文章、つまり作品を書いていくしかないということであると、私は気が付きました。文章を正しく書き、言葉を選んで書けば、つたない内容でも読んでいただいた方から、いい作品ですねと言われるようになるということが分かったのです。
 作品は自分以外の読者に読まれなければ、書いたことにならないのです。島根日日新聞文学教室は、その全てがそろっています。「私の作品」が掲載された新聞と『季刊山陰』は、「私の出版物」と言ってもよく、大きな財産です。
 島根日日新聞文学教室は、堅苦しい会ではありません。お茶を飲みながらお話を聞き、皆さんの作品を読む楽しい時間なのです。
〈飛鳥京子〉というのはペンネームで、随筆や小説を書くもう一人の私です。

◇作品を読んで

◇作品を読んで
 文学教室の紹介文だが、詳しくは、下欄にある文学教室案内を見ていただきたい。参加される方は、書けるから書いてみたいというのではなく、書けないから書けるようになりたいというお考えの皆さんばかりである。
 内容にも触れられているが、文学教室が始まったのは五年前の平成十四年四月であった。以後、延べ百人を超える方が参加され、新聞に掲載した作品が、三百近くになる。もちろん、それは新聞掲載分の数字であり、『季刊山陰』に載せたもの、未発表のものも背後に数多くひかえているわけで、数は幾らになるのか見当も付かない。

      島根日日新聞文学教室案内
◆内 容 文章の書き方の基本 作品の添削 作品発表
◆会 場 出雲〈ゆめっくす出雲〉 松江〈雑賀公民館〉
◆講 師 島根日日新聞社客員文芸委員 古浦義己
◆会 費 月額 3000円
◆開催日 月に3回(1回約2時間)
◆その他 作品発表/文芸誌『季刊山陰』 島根日日新聞文芸欄
 お問合わせは、島根日日新聞社総務部 0853−23−6760まで