福祉の原点「ホルベック」と

       環境の島「サムソー島」を訪問して

 

                                   03.8修正版          デンマーク研究会  関  龍太郎

 

 2003年訪問では、高齢者福祉だけでなく、障害、環境、生きるための教育、保育、と数多くのテーマに注目しました。

 

 @何故、デンマークのような国が出来たか

 A15年間で、デンマークはどのような変化をしたか

 B日本との比較・・「24時間在宅ケア制度」は日本では可能か

 C補助器具センター、住宅改善、痴呆のケア(グループホーム)の動向

 D施設の利用者委員会から、アクティブセンターの利用者委員会へ、高齢者委員会

 E環境対策・・自然エネルギーの活用、風車、太陽熱、バイオマス

 

デンマークってどんな国

 ・平坦で、山がほとんどない。九州ぐらいの面積に500万人が住んでいる国、

 ・宗教はキリスト教、ルター派

 ・農業国から酪農国へ、酪農王国から工業国へ、

 ・福祉が発達した国、例えば1992年生活支援法、1999年ソーシャルサービス法

   高齢者年金4500クローネ・9万円、障害者年金は12万円、重度24万円

                  今回の視察先ではみんな20万円でした

 ・婦人参政権が早い   1915年

 ・平等志向 

 ・実用主義 

 ・隔絶主義・・欧大陸の変革より遅れるタイミング

 ・自立、自己決定権が確立

 ・医療技術は遅れている印象

 

デンマークショック20・民主主義をかいま見て・・自由・平等・博愛

@議会の本会議場でも高低がなく、市長とか議長が高いとこに席がない。みんな同じ高さで議論をする

A議員さんはボランティアで無給、市長には賃金がある。議員はボランティアなので、議会は仕事の済んだ後、夜7時からの開始される

B議会では、始まる時に歌を歌う、歌はその日に市長の歌いたい歌である。国歌とか市歌ではない

C議会では、傍聴席からも質問して良い、議決には加わらない

D車いすの人が、ヨットに乗る。そのためのリフト等の「環境整備」が整っている

E車いすの人がF1に出場するようなの競争車にのる。そのためにデイケアに通っている

F老人ホームには「利用者委員会」がある。近年はアクティブィテイセンターの利用者委員会に変わってきている。年々、住民の参加が強まってきている

G「高齢者委員会」が、市議会の「福祉委員会」とは別にある。ダブルチェックの役割を果たしている

H学校の「運営委員会」への参加も、人事要件の論議以外は学生の代表も参加する

I委託保育(5人程度、個人保育)にも、市と国から3分の1ずつ以上の補助金がある。親負担は3分の1以下

J自立のため、生きるための学校、「グルンドヴィの思想的影響による国民高等学校(フォルケホイスコーレ)」が100校を超える。中身も高齢者向け、中学生向け等と多彩である

K15年前「老人ホーム」は個室でびっくりしたが、今は、さらに広くなり、2部屋の高齢者住宅(ケア付き住宅)に移りつつある

L高校の卒業試験は13段階評価、13点の満点は先生から習ったことだけではダメで、自分の意見がないともらえない

M障害者も18歳を超えると大人として扱われる、障害者年金は月に20万円である。

N高校を卒業すると自立、月に4万円の奨学金がデンマーク政府から出る

O65歳以上で、子供と同居しているのは4%程度ある。ちなみに日本は50%

 コペンハーゲンでは、学生や高齢者が多く、7割が一人暮らしである

P民衆運動(フォルケホイスコーレの運動)として、「風力発電の風車」が作られている。したがって、デンマークの風車開発には特許がない。

Qいつの選挙でも、投票率が70−80%と高い。しかも、基本方針を決める、国政への関心が強い。

R政権が変わると政策が変わらざるを得ない。今、環境の補助金のカットがおきている。

S婦人の選挙への参加が早い。婦人参政権 1915年と早い。

 

一般的事項・・・20のポイント

@一昨年に政権が変わり、福祉環境教育への補助金等がカットされている

A高校を出ると全員に2000クローネの奨学金が出る。日本円で4万円です

B伊東先生の経歴の一つ、1972年4月頃からウーマンリブ、伊東先生はオペヤ(同居人の保父)として在住、1972年より住み込む。そのころより保育の必要性が議論され、解決のために「女性党」が必要となり、結成につながる

C2001年に政権( 社民党→自由党等)がかわり、選択の自由、多様化、規制緩和、判定と実施の分離等の「変革」がおこなわれている。

Dどの都市も年々、多民族化している。エジプト人、フィリピン人、ケニア人にも会いました

E歩行者天国の入り口のみならず、ホテルの近くにもセブンイレブンの進出が見られた。各地にマクドナルトも存在。いわゆる「アメリカ化」している。

Fそれでも、日曜日は「閉店法」でみんな休み、週37時間労働、5−6週間の有給休暇の完全消化をしている。

G病院は入院期間4−6日と短く、慢性疾患は在宅になっている。患者が患者着をきていた。サムソー島ではないが、患者と家族用に簡易住宅(ホテル)が隣接しているところもある。医療器械とか医療技術は日本の方がよいのでないか。

H国土が海抜30メートルと低い、風車は6000基あり、国内電力の13%を担っている。サムソー島は100%が自然エネルギーでした。

Iやはり、福祉は充実している。ホルベックの高齢者部分ではではパートを含めると、650人の職員が働いている。職種別は不明。しかし、日本と比較するとヘルパーは10倍、施設は2倍は続いています。

Jいままでは、総合的運営でしたが、今後、これが、施設グループ、在宅グループ、判定グループに区分される。国民の選択権、住民参画を重視した結果です。知的障害者のグループホーム、福祉工場を見学してで福祉先進国であることが、よくわかりました。

K学校では、部活はない。したがって、スポーツ、音楽、編み物等がしたい学生は「学童保育」「学童クラブ」「地域のクラブ」等でする。

L成績評価は13段階ですが、11点までは先生から習ったことを記憶力していればもらえますが、13点は自分の意見を述べなくてはもらえません。試験委員は教えた教官とたの学校の「外部試験委員」です。

M選挙権がまだない高校生等を政治に関心をもたせるために「少年党」があります

N後継者問題は、例えば農業を継ぐ人のことです。他人でもかまいません。しかし、子供とか親族には15%引きで売ることが出来ます

O一面平地です。また、温かい食事は一日一回が通常です

P職人気質、資格主義、資格による労働組合、資格賃金制が確立している国です

Qグルンドヴィの自由学校、農民学校がデンマークの民主主義の実践の一つではないでしょうか

Rデンマークは今は農業国ではありません。工業国です。

S今、EU加盟をはじめ、ヨーロッパ諸国との関連は重要な課題です。

 

疑問・どのようにして、デンマークのような国が出来たのか

「フィンランドは東を向き、デンマークは南を向き、ノルウェーはは西を向いている」と言われてきた

★バイキング時代・・・地理的位置的な条件、9−11世紀

 中欧に比較して自由な農民の存在

★キリスト教の浸透による「個」と社会の確立・・11世紀

 宗教改革・・・1534年・・クリスチャン3世、上からの宗教改革・ルター派

1570年・・・シュテッティンの講和条約  北方7年戦争(1563-70

ズンドの通行税・・・クロンボー城の建設

クリスチャン4世・・敗北と財政難  30年戦争(1618-1648

1661年・・・絶対君主制

1789年・・・フランス革命、しかし影響は遅い・・自由・平等・博愛

       ・・民主主義革命

地理的条件・・・貧しかった。英仏独露の影響を受けながら発展

1803年・・・救貧制度改革法

1830年・・ロマンティズシムとスカンディナヴィア主義の台頭

 ナショナルリベラル

  ★グルンドヴィ、キルケゴール、アンデルセンの活躍

   (1783-1872) (1813-1853) (1805-1875

  ★グルンドヴィによるフォルケホイスコーレの運動・・生きるための学校

1848年・・・絶対王政崩壊、立憲君主制フレデリック7世

1849年5月・・6月憲法採択・・王と国会に立法権、上院下院、男子参政権、自由

1850年・・・・アメリカへの移民始まる 1910年までに26万7千人

1854年3月・・クリミア戦争、デンマークは中立

1855年・・・・ナショナルリベラルが政権

1864年・・・第二次スレースヴィ戦争で敗退 クリスチャン9世

1867年・・・救貧税廃止、自治体責任に

1870年・・ペアとホェロップの「左翼党」の結成

1871年・・パリコミューンの体験者ピオによる社会主義運動はじまる

1876年・・・社民党がつくられる

1880年−90年・・・農業恐慌「穀物から酪農への変換」

        産業革命・・・職人組合の設立、資格賃金制へ

1890年・・・福祉充実、新たな救貧法

1891−2年・・地方行政機関による貧困老人の救済、政府資金による保険会社補助を        決める・・老齢年金法、医療法、

1898年・・・労働災害法

1905年・・・クリステンセン左翼党内閣の成立

1912年・・・クリスチャン10世の即位(−47

1915年・・・婦人参政権

1922年・・・疾病保険、老齢年金の法の成立・・サーレ内閣   不況

1924年・・・社民党連立政権設立・・スタウニング政権

              社民党は、その後 29年からは11年中心的役割

1929年秋・・大恐慌     失業率が1932−33年には42.8

しかし、北欧の経済立ち直りは早く、社会改革を開始

スタウニング内閣の下で失業者救済の公共事業           1933年・・・救貧制度なくなる。みんなの福祉へ      

1939年・・婦人が働かなければならなかった・・・1940年頃から、保育所の充実

1940年4月9日・ドイツ軍デンマーク侵攻

1940年4月10日・スタウニング連立内閣・・社民、保守、左翼

1944年6月末・・コペン全市、ドイツ軍のテロルに抗議スト

1949年・・・・NATOへの加盟

1956年・・・老齢年金法の改正、全員に基礎年金を支給

1958年・・・ホームヘルパー制度間導入

1959年法・・・バンク、ミケルセンの起草

1960年代・・北欧型社会保障制度の確立、プライエムの建設すすむ、慈悲型→ケア型

1973年・・・ECへの加入

1982年・・高齢者問題委員会答申・・・三原則・・24時間在宅ケア体制の確立

1987年・・・バリアフリー住宅の建設、老人ホームの減少、5万から35000戸に

1989年の改革・・・高齢者の政策への参加がすすむ

                          ケア型→自立型

1992年 生活支援法    社民党の指導

1999年 ソーシャルサービス法

2003年改革・・住民参加、自由度、選択の自由、効率化   自立型→自己決定型

 

 このように、寒冷とそのための貧困、ヨーロッパの中心(ローマ、パリ、アムステルダム、ロンドン等)から離れた地理的条件、バイキング以来培われた「平等主義」、資本主義の発展とからんだ「合理主義」、宗教家(ルター派)であり、教育者である「グルンドヴィの指導」とその影響かで生まれた生きるための学校「フォルケホイスコーレ」、職人組合の発展の中で生まれた「革新政党とその活躍、社民党の指導」、女性が社会で生活するために必要になった保育所、高齢者政策における「女性の活躍」等が重なった中で、今のデンマークが存在していると考える。

 

 

   サムソー島  脱石油化プロジェクトを視察

 疑問・・自然エネルギー100%といわれるけれど、どのようにして実現されているのであろうか

 ゾーレン・ハーマンセン指導主任

サムソー島は人口4300人の島です。デンマークでは環境庁が2030年までに2分の1を自然エネルギーにしようとした。1997年年にデンマークでプロジェクトスタート、1999年に島同士でコンペをした。企画3年間、10年計画で、島の活性化、雇用の増加にも役立てようとしている。5年間で機械の設置等と配管の仕事で30名の雇用促進となった。島民が投資している

98年以前は5500万クローネ・11億円のエネルギーを買っていた

今はみんなで出し合って、配当方式で事業を展開している。

今サムソー島ではも電力は100%できている

         地域暖房は55%で木のチップ、麦わら、太陽熱でしている

         移送・・・自動車難しい、今は風力から転化している

京都議定書でも言われているように10年間に20%エネルギー減らす

しかし電気製品の使用量は減っていない 

 

太陽熱利用・太陽熱パネル

@太陽熱を利用したシャワーを別荘地4カ所に作っている。夏は人口が4倍となるので、その対策である

A4リットルを2つ、水泳のキャンプ場に作っていて、1万6千泊のシャワー分のお湯を確保できる。

B3億クローネを投資している、農業と観光が目的、10年間で元が取れる

Cバックアップは必要であり、石油でしている。

D太陽熱を利用しており、同時に「ためタンク」にためておく方式である

 課題・・夏、利用が多く、日照時間の長いデンマークでは適している

日本ではどんな活用があるのか

 

太陽熱とチップ・・NORDBY/MARRUP地区、北部

@木屑やその他のバイオマスエネルギーを使用、規模は2500平方メートル

A必要エネルギーの15%をまかなえる

B2つの学校と180世帯に供給、1万メートルの配管をつたわり、80度のものが60度で帰ってくる。主として地域暖房とシャワー、雑用水への熱交換である。

・課題・・手だし、非常に少ない

     日本では、地域暖房と考えが弱い

 

「麦わら」の利用

@200世帯に供給している。

A1400万クローネかかる、1世帯あたり100クローネ

B20%の補助があった。政権が変わり、補助金を打ち切りの方針が出ている

C新たに「がまの一種」を作付け、農業者12名が協力。

・課題・・いらないものから熱を作るという考えは評価できる

     

その他

@各家庭でも、100基の熱パイプによる「太陽熱システム」、120基の「バイオマスボイラー」、35基の熱ポンプシステムが個別に設置されている。

Aメタンガス利用した発電システム・・・2002年秋設備完成   15KW

B 協同組合の設置もされた

 

風車

 世界で環境調査をしている民間の地球政策研究所(本部ワシントン)のレスター・ブラウン所長は2003年7月25日に世界規模の風力発電総量は3110万キロワット(1995年の478万の6倍以上)でドイツ1200万キロワット、デンマークは290万キロワット(20%にあたる)になっていると語る。値段も1キロワットのコスト38セント・80年代→現在4セント(約5円)→今後1-2円と下がる。今後の発電拠点として、中国北西部、シベリア東部、アルゼンチン南部のバダゴニア地方を列挙

 今回の視察は・・・ヤン・トランビアさんに面接

@50メートルの高さ、羽根の幅33メートルである。2000年の3月と8月に合計11基の陸上風車が設置。発電容量は一基で1000キロワット。その後増加している。

A見学した風車を建設する時は50世帯が申請し、11世帯が許可をもらった。建設の判断基準としては「平地である」「自然保護地帯でない」「民家が500メートル離れている」等がある。9基は個人所有、2基は475人が株を持つ

B3年前の8月に建設。国が2割補助 580万クローネ・・・1億6千万円かかつた

 500万が風車、残りは基礎工事費とか道

C550万キロワットを出力、1時間あたり1000キロワット

D1キロワット60オーレで売れる

 5年間は60オーレで、10年までは43オーレで売れる

E6年間で元が取れ、その後は100万クローネ2000万5−10年はもうかる

 ふつう自分はも農家収入が1000万円程度なので、その倍になる

F25000クローネは保険、55000クローネはランニングコストがかかる

G海中に建設されたが、これは陸の倍以上かかっている 10基ある

 1300万クローネ 2.3メガ出力し羽根は40メートルである

H市営が5つと民間の会社が3つ、小さい2つは協同組合の所有である

I20年間はもつ、島の消費電力は28MWであるが、現時点では消費電力の100%をカバーできている

・課題・・場所が課題・・・自然保護の地域、羽根の音がうるさい(騒音)

             デンマークでもかなり慎重

     ・電力会社の買いつけは続くのか、保証を確保することが必要、補助金は

     ・採算性はどうか、デンマークで1億5000万の風車は日本ではいくら        になるのか、減価償却は

 

 

 

 

 

   ロスキル県の知的障害者・・・ロスキル県人口15万人

 知的障害者、自閉症のグループホーム及び福祉工場を視察  ITCキューア

 県には24人と20人、計44人のグループホームがある。この他に重度の者、高齢者の者がある。見学したところは20年前に建設された。18歳になると障害者を一人の大人としてみなした対策がとられていた。

@グループホームの部屋は広い。60u位、高齢者のケア付き住宅より広い感じ、従来は17−20uであった

A常時15−16人が住んでいる。1グループは3−8人。うまくいっている

B 24人で全体会議をしている。一人一人目標を決めている。アクションプラン(目標達成のための一人一人のプラン)を文章化している。この会議には行政とか親も参加している

Cコンタクトパーソンは置いている

D本人のニーズが中心、親と子で意見は違う、その時は本人尊重

E水泳、エアロビクス等、帰宅後を楽しんでいる。16時帰宅

F入所者委員会がある

G一人あたり、1万クローネ(20万円)の障害年金がある

Hうち4500クローネ(9万円)が家賃、残り5500クローネ(11万円)は食事と、生活費である。

I2週間に1回は、ハイキング、山登り等に行っている。自己負担がある。休暇旅行もしている

J22−64歳の人が24人がいる。18人の教育福祉者、事務、掃除婦等のスタッフが、障害者の望む生き方を支援している。

K人生の支援をしている。夜は1人、当直、朝7時に3人きて、支援と朝食。8時半から仕事もしくは学校、したくないなら残る 移送はバスか自転車

L福祉工場は、広く、各自が、自分にあった仕事をマイペースでしていた

M時間給は100−200円

 

  サムソー島のエフタスコーレ自由学校を見学

      フォルケホイスコーレのひとつ

 国民高等学校「生きるための学校」(フォルケホイスコーレ)はデンマークで約95校、北欧で400校、高齢者向けは5校、今回のサムソー島の視察は中学3年4年の世代を対象にしたものであった。

 155年前から、農民運動・宗教運動の父といわれているグルンドヴィの指導の学校である。上からの教育でなくて対話で「生きることの自覚」を促すという考えであり、全寮制である。理念は「対話と共生」であり、入学試験はない     

 今回の視察は・・・中学3年4年を対象にした「フォルケホイスコーレ」

@近年、義務教育等の学校が統合される(8−10校が1校に)の中で、グルンドヴィの考えを生かしたここのような学校が増えている。原則、1年教育の全寮制の学校である。

Aエリート教育でなく、対話、話し合う教育をめざしている。義務教育の授業以外に、ニーズと自然を生かした学校。学生の自立をめざしている。義務教育以外に、音楽、乗馬、アーチェリー、ヨット、ダイビング、パラグライダー、落下傘パイロット養成の理論(10万クローネ、200万円)、等30科目がある。

B現在は127人の生徒、3人は方針に合わず退学

   ここは14-17歳、全国の他の国民高等学校より若い人を対象ということになる。

C費用は親、国、出身の市が3分の1ずつ、大体18000クローネ・36万円は親の負担である

D27年前に建設、10年前に今の校長がきた。今の校長が赴任した頃は40名と生徒が少なかった。現在、バルト3国が中学3年4年を対象とした同じような学校の開校を検討している。

Eこの学校では、すでに、1200人が卒業している。

F島の特長を生かしてきた。陸・海・空を生かしている。必要経費は2200クローネから10万クローネである

G原則として40週間、2週間ほど特別補講がある・・夏休み中に行う

 ここではないが、フォルケホイスコーレには高齢者のものもあり、期間は2週間で全寮制がある

Hこの学校は、6年前から希望者が多く、待機者が出るようになった。この学校には32の学科の認定試験官がいる。半人分の経費

I8年生20名、9年生、10年生である。学校側としては10年生が欲しい

J職員は32人、半分が教員、管理者は校長、副校長、お母さんのような相談役

K施設内は、禁煙、というのは15歳からタバコは吸って良い

L「将来、どんな仕事をしたいか」と言う質問に、「パイロット」「エンジニア」「振り付け師」「心理療法士」「政治家」「設計士」「調理師」「農業」「観光ガイドかカメラマン」「手話」「動物の調教師」というように、ほとんどの生徒から明確な回答がかえってきた

 

西シェランド県立障害児のためのラーデゴー学校・ヘンクダーデ ハンセン

           障害児の学校を訪問した

@この学校は6−17歳の児童生徒を対象にしており、義務教育の一環である。県立の施設4つの中の一つである。人口25−30万人の県である

A身体、精神の発育の障害を持っている。近年増加の傾向にある。子供の2%と言う率はかわらないが

B大部分が障害児保育園とか特殊学級から入学しており、重度の者が利用している 知力が半分以下

 他には、総合学校の中の特殊学級に行っている子がいる

C 相談を受けニーズ判定チーム (教師とか心理療法士)が書類及び訪問調査で判定する

D市が申請、ここで判定し市へ戻す、判定の不満は市へ、再判定、さらに不満の時は県へ申請

Eここには、23市のうち10市から110人からきている。場所が足らなくて分校が出来ている

F自閉症4クラス、複合障害2クラス、学習能力の低い「砂場クラス」、その他10クラス、計17クラスある

G砂場クラスは重症、手の感触がやっと、14歳でも手で食べる

H併設で学童保育がある。経営者は別。生活を楽しむとこ、自閉症は生活を継続するように配慮、変化が良くない

I6人.6人.8人.10人に二人ずつの先生がついている。したがって、全体では教師40名、用務員、掃除、秘書で10名、教育師(ペタゴシスト)10名、OT・PT・ST・心理で6名、アシスタント14名

J生徒は115人、93人が在宅、7人が寄宿舎、15人が里親。場合よっては、ここから高校に通う、

K送り迎えは、公的責任で、タクシー会社に委託、タクシー代が400万円かかる

L財源は県、2400万クローネ、4億8千万円、これで、教育、給与、移送維持管理費を賄う。115人分、約320万円は利用者負担?、それに、基礎資金400−600万クローネ

M障害の程度、経費はかわらない

Nホルベック市に県立の高校がある。ここからは3分の1、他から3分の2が、その高校に行っている。

 したがって、ここを卒業すると高校に行くか、アクティブセンター等に行くこととなる

O個人個人「年間目標」」をたてている。学科等、とにかく社会生活が出来るようにすることが目標

P遺伝子診断は行われているが、母親の意志による

Q創立は1979年

24年前

R事故対策には誠意で、事故を恐れて授業を辞めたりしない。事柄は写真で家族に報告するようになっている

Sニーズ判定は毎年、本人にとってどこがよい場所なのかを判定

学校の民主化 理事会、校長の権限と分散化 、8月にはクラス変え

今後の課題としては、財政は大丈夫なのか

四つの学校のプロ会議で検討

 

  ムア保育園を訪問して・・・77年名称変更

  デンマークでは一人の児童が保育所での保育でも、委託の保育されていても、同じように国、市からの補助が3分の2以上出されている。

@保育所は人口46万人のコペンで500−600カ所、6万人のグラスサックス市で100カ所ある。公的な保育所がほとんどであるが民間もある。

A視察したのはインテグレードした施設・・・総合施設

5つの分野があり、120人が利用している

・乳児保育(0−3歳)

・保育(3−6歳)

・学童保育 1−3年生

・学童クラブ 4−14年まで

・デンマーク語教室、保育園に行かない子供のための「語学教室」

この他、ここにはない程度の高い「ユースクラブ14−18歳用」がある

・0学年学校保育8−13時・・入学前1年間学校の雰囲気になれるために通学する制度

Bソーシャルサービス法(以前の社会支援法)で保育されている

C財源は、親負担は3分の1以下、今のところ25%未満、残りを国と市で折半する。

 内務省と自治体の契約

D待機がある。希望のとこには入れない。1歳児保育が特に足りない

E乳児時代にいると、入りやすい。兄弟姉妹は出来るだけ同じ保育所にしたい

Fしかし、ニーズ判定は市がしている。保育所でない

Gここの良いとこは長時間観察出来るし、親とも交流し、交流を継続しているとこだ

H職員は30名3分の2は3年半の教育を受けた人、3分の1アシスタント、キッチン、掃除等

I5人分の特別措置枠がある。母子家庭、アルコール、麻薬、外国人等の子供の受け入れ留ための処置である。

J分野責任者4人とトップとサブトップで3週間に1回、子供のグループで2週間に1回ミーティングをしている

K学童保育は週一回開く・・・???本当

L年間計画をはっきり「計画書」(文章化)にしておく

M1年に1回、宿泊研修をする

N研修生を受け入れる・・・3−6ヶ月に2人

O3歳−6歳 「22人」から保育所は開設できる。しかし、採算性から困難である

P中には「移動保育所」(森の保育所)もある。7時から集合しはじめ、9時にみんなあつまり森へ行き、3時に帰り、5時に1日の日程を終える

Q保育料は2000クローネ、約4万円

学童保育は1200クローネ、2万4千円

R4−5人預かる「委託保育」もある。0−3歳が多い。いわば昼間の里親制度か。アレルギーを持った子供にはよい。

S病児保育はない。病気なら親が迎えに来るのが当然である。親が仕事を休む。1日目は休み、後休暇をとる・・当然

 保育料

 乳児保育 2320クローネ(46400円)委託保育 2320クローネ(46400円) 

 保育   1770クローネ(35400円) 学童保育 1255クローネ(25100円)

 学童クラブ  10−11歳 480クローネ(9600円)

        12−13  205 〃   (4100円)

        14      50 〃   (1000円)    プラス材料費

1.食事は

乳児には出す、保育園では週4回、

朝と昼とおやつはパンとフルーツ

学童は4950人いるが、予算が100クローネしかなくてきびしい。今日はチキンカレーが14時半に出来る                             朝8時までに保育所にくると、食事をして学校に行く

2. 一般保育 6.15-17.00

 学童保育..6.45-17.30

 学童クラブ12.00-18.00   月水は18.30-20.00

 

        高齢者福祉対策

    疑問・・在宅福祉は、どこまで可能なのでしょうか

1988年改革のポイント・・・高齢者福祉の三原則の徹底

@自己決定の尊重

A生活の継続性

B自己資源の活用

具体的には

1)ホルベックでは5地区への分権化 5総合福祉センター構想

2)在宅と施設の総合化・・・19のチームが在宅も施設も見る。24時間在宅ケア体制           施設を95年までにゼロに、1チームには2看護婦13ヘルパー

3)住民参画の拡大・・施設利用者委員会が「在宅施設の利用者委員会」へなる

 

2003年改革では・・・高齢者福祉の三原則は生きているのですが

1)利用者委員会の重視

2)利用者の選択権の重視・・民間参入を原則とする・・ホルベックでは在宅ケアに民間参入される

3)判定とサービスの分離・・判定部分設置

 

 今まで、訪問した人たちのメモと今回の記録を元に作成すると

施設とスタッフの数の推移・・人口3万3千人、原則として67歳以上、4171人対象にしている「ホルベック」では

1989年 在宅154人、施設239人 計393人

在宅・・看護婦21人、ヘルパー122人、OT・PT11人

    18チーム

  施設・・・プライエム4カ所・・・252個室  

      239人(看護婦35人、OTPT寮母等91人、趣味1人、事務掃除調理      99人、その他13人)

      デイ(1日10人)、

      高齢者住宅500世帯(0という報告もある)、ケア付き住宅24世帯

1993年  ホームヘルパー224人、訪問看護婦38人、保健婦9人、その他不明

18チーム、5つの総合福祉センターを拠点

プライエム90室、ケア付き住宅18戸、高齢者住宅220戸

1999年 541人、うち、ヘルパー300人

うち、施設が60人、スタッフ60人で残る・・・痴呆対象

夜間在宅はヘルパー3人で15世帯

 準夜勤ヘルパー9人、3チーム

 昼は看護婦2ヘルパー10−15人で 18チームで対応

5つの総合福祉センター

2003年 パートを含めると650人、19チーム、利用者1344人、9161時間

      施設が110人と増えている・・・グループホーム

      高齢者住宅 250戸

      5つの総合福祉センターはある

利用者委員会の運営するアクティヴィティセンターはますます盛んとなっている

 

 このように見ていくと、施設は、痴呆対象のグループホームが、110戸と一時は60戸まで減少したが、増加している。これ以外に、高齢者住宅が、

250戸ある。しかし、これを施設と言わず、住宅の一形態としている。したがって、2003年時点では、在宅ケアのチーム(19チームあって、看護婦2人、ヘルパー13人で構成)は、これらの高齢者住宅に住む高齢者も含めて、1344人を対象に、24時間在宅ケアをしている。この他、アクティヴィティセンターやリハビリ施設を充実することで「在宅強化の方向」は貫かれている。しかし、2004年頃から、グループホーム、高齢者住宅以外の高齢者への在宅サービスには民間参入がされることから、これらの数字はさらに曖昧になると考えられる。日本と比較すると、施設は2倍、在宅は10倍のスタッフが働いている。

 

利用者委員会について

@1988年以来検討され、1989年に、アクティブセンター等の「利用者委員会」を作ろうと言うことで作った

A島の800人を含めて、5つのセンターであるが、5つのセンターの共同の利用者委員会もある

B予算はほとんどが、タクシー代、企画、セミプロ費

ここでは20万円が事務費で残り180万円が上記のタクシー代等・・93000クローネ

C利用者委員会理事会は5−9名で構成、ここは7名、月1回開催、議題は2週間前に予告、前回の決定事項の確認から始まる。利用者委員会に施設長も参加している。職員はキヨスク以外で18名

高齢者委員会、議会の福祉委員会と連携しながら活動、選挙は2年に1回

高齢者委員会は9名で構成、2年ごとの選挙

D活動委員会の内容は

ビリアード、トランプ、他への委託内容の検討グループ、庭づくりグループ、鶏飼育グループ、ケーキ作り、ぱんづくり、午後のコーヒー、キヨスク運営、ティハウス、コーラス、猫たたき、礼拝

E年間の活動は

 ファション、音楽会、ビンゴ会、映画、クイズ、イースター、クリスマス、夏至、魔女焼き、遠足、入所者歓迎会、痴呆ボランティア・・のんびり楽しもう会

ビンゴは人気がある。クリスマスは4週間前集会、夏休みのイベント

F6000クローネ・12万円の寄付がある

G判定とかサービスに対する「不服処理委員会」は、高齢者委員会、議会の福祉委員会2名、その他2名、計6名で構成している

H団体助成金がある、16団体93000クローネ186万の受付、

 1団体に1万5千クローネまで・・・30万円

 

高齢者課長説明

@新しい法律でのうごきがある、今日はニーズ判定と品質保証、統計的なことの3点を説明したい

A2001年に保守党に政権が変わった、2年6月に新法律が出来ている

B政権党である保守党は「おしきせの福祉サービスでなく、自由度を強くしたい」「選ぶのは住民、市民権がより保障される形の変更する」と言っている

C変更点

 ・判定とサービスが別にするようになった

 ・民間参入を認める

 ・たたし、プライエム、グループホーム、高齢者住宅は行政がサービスを行う

D今度、どうやってやっていくのか・・・今、50人委員会で検討している

 ・理念・・利用者の保障

 ・利用者の権利

 ・トータルケアは難しくなる

 ・より、総合調整が必要

 ・自立を期待

 ・効率的に

 ・判定とサービスの区分する

 ・政権が替わり法律が変わった以上、やらざるを得ない

 ・行政と民間の統合・・・いいものにする

 ・今までの、19の在宅ケアグループをどうするのか

 ・新しい挑戦の始まりである、10年目の改革である

E今の政府は、入札、許可と参入、民間からの提案を認可

   私としては選択肢が一つでなく、2−3つあるようにしたい

F140人分の「配食サービス」を毎日、昼食を実施している

G掃 除  1時間あたり 264クローネ(177-320の幅、5280円)

 身体介護 1時間あたり 273クローネ (202-334の幅、5460円)

 夕方・夜は       370クローネ(7400円) 

・上記の値段で、民間への委託がされる。今はホームヘルプが民間参入であるが、いづれ、訪問看護婦も民間参入になるであろう

H重要なコンセプト

・2006年までのビジョンを80−100人の職員で「文章化する方向」である

内容は

・ボランティアを重視する

・予防に力を注げ

・情報化の活用

・活動的な年金者をつくる・・ドロップアウトの防止

・共同責任、共同参加・・利用者を孤立させない。行政、スタッフの協力

・選択の自由を重視

・対話を大切に

・POSITIVEな健康

・余裕、ゆとりを持つように

・リーダーを育成、必要なら政治家に訴える

・19分野で品質管理、目標・・サービス内容・・利用者は誰か・・何を・・融通性

なにがだめか、本人の責任、どのチームが受け持つか、替わりは 等が文章化をしてある

  19項目の内容、住宅、配食、掃除、買い物、予防訪問等

・ニーズ判定(介護判定)は5日以内に行う

・高齢者委員会の活用する、利用者委員会の上部組織のようなもの

I満足度・・・95%以上で判定で効果判定をする

Jニーズの判定は6ヶ月有効

K来年度に評価し、見直しをする

L予防的訪問・・・訪問看護婦30分−1時間をかけている

Mニーズ判定は、1日2−3人しかできない

N5人委員会で判定し、実施し評価をする

Oこの制度は2003年8月スタート

P評価項目は

1.個人衛生管理について、自立の状況、機能レベルで評価をする、介助の有無

2.食事             〃

3.移動             〃

4.家事             〃

5.活動状況

6.友達、家族

7.痴呆の有無、状態

8.慢性病、急性病・・・・例、糖尿病の有無

9.住宅環境

Q5%を抜き打ち検査して評価の予定・・・・評価の

Rパートを含めると650人の職員がいる

    これを在宅、施設、判定の3チームに区分の予定

10年間の評価は

@思ったほど(最初予測したほどは)、ケアを必要とする人は増加していない。年間2億5千万クローネ(50億円)とみこんでいた予算が1億8千万クローネ(36億円)にとどまった。ケアを必要としない人が増えている。

A67歳以上が12%を占めている

全体的には、「元気老人」が増えている

・67−79歳で86%が自立、掃除・買い物ダメ5%、身体1%、身体および掃除・買い物ダメ8%、したがって、86+5=91%はまあまあ自立となる

・80−90歳で44%が自立、掃除・買い物ダメ16%、身体3%、身体および掃除・買い物ダメ37%、したがって、44+16=60%はまあまあ自立となる

Bサービス必要者は1998年1356人、1999年1423人、2003年1354人、2006年1461人、2010年1571人であまり増えない

Cサービス必要時間は1998年9369時間、1999年10170時間、2003年8943時間、2006年10419時間、2010年11367時間であまり増えていない

D1999年の増加は「ホルベックフォースト」施設が出来た影響と考える

E13人が他の自治体のサービスを受けており、52人が他の自治体からきてサービスを受けている

F72人が施設で死亡、施設は360床・・250の高齢者住宅と110のグループホームで待機は45人と言われる

G全人口3万4千人、67歳以上の人口4100人、であり、施設360床とすると、8.7%の施設、110床とすると2.7%となる。島根県の平成19年の整備目標は65歳以上を対象に388%(特別養護2.25%,老人保健0.95%,療養型0.69%)である。仮に、ホルベックの65歳以上人口4400人とすると、それぞれ8.23%、2.5%となり、ケアの可能な施設はざっとみて日本の倍あるといえる。

H老人介護の1335人の利用者の内訳は

   104人           身体

   438人   492時間   買い物

802人  8156時間   両方

  1344人の人が9161時間必要となる

      買い物を「業者委託」の方向がある

I緊急警報機    581人

 友愛訪問の対象   51人

 おしめ      611人

 トイレは     昼156人、準夜132人、夜53人の延べ559人

           訪問実態把握の計算ソフトは補助金で買える

4ミリオンクローネ うち補助金1.6ミリオンクローネ

                  (単位がおかしい)

Jデーター入力は

19チーム(1チームをヘルパー13人、看護婦2人で構成)の主任の看護婦が入力する

K昨日の遠足は84人参加、酒と食事で大体3000円の自己負担

L夏休み前のパーティは6月14日、夏休みは8月4日までである。野外演奏会も企画

M施設の利用料はなく、コーヒーケーキで儲けている

Nこの施設で「赤十字婦人部」は編み物クラブをしている・・・ロシア等に送る

O財政は市の援助86000クローネ・172万円のうち 73000クローネ・146万円は移送費

 このように移送費の占める割合が大きい

N年金をもらっている人は3500人・・・対象人口不明、人口1万人?

 

             サムソ−病院視察

@デンマークの一番小さい県立病院

Aインゴルク・ピーターセン院長と看護主任ベントセンさんの説明

 ベット24床、内科、外科、産婦人科

 眼科、耳鼻咽喉科、精神科週1回、オーフス本院から

Bサムソー島の医療資源は、病院と 3人の家庭医、2人の歯科医、1軒の薬局

C虫垂炎とかヘルニアの手術

D病室は個室と2人部屋

E医療器具は少ない。超音波診断装置、胃カメラであり、CTはない

F遠隔医療支援装置があった。麻酔等に活用

G出来ない検査、手術はオーフスの病院でする。特徴と思われるのは、フェリー運賃、交通費は病院が持つ点

Hスタッフは多い。24床に常勤医4人、看護師26人(病棟に20人と手術に6人)、PT1人(市には別に2人)、OT1人(市と兼務)

I入院期間は平均4−6日・・・日本は30.8日

 退院時にはコミュニケーションペーパーで連絡

J一切の治療費、入院費は無料

K県立の病院は82施設

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