ナイト・メア
第6章〜姉妹〜
クルト「あと何部屋あるんだろうね・・・」
ネイ「え〜と・・・四天王はバニッシュ、イリア、リュウ、ボルオプスですね。三人は倒しましたが、イリアはわからないです。あとは大ボスくらいだと思います。」
サリア「それくらいだといいですね。」
サリアは相変わらずロードを背負ったまま。そして、扉を開けるとまばゆい光りが辺りを照らした。三人は目を開けていられなかった。段々と、光が弱まっていき目を開けれる程度になった時、目を疑った。そこは、全くの別世界だったからだ。あたりは草原。風も感じられる。そこに、太陽の方に2人の人影があった。
ネイ「そん・・・な・・・」
ネイはその姿を見てその場に崩れ落ちた。
サリア「ネイさん、どうしたんですか!?」
ネイ「勝てるわけ無い・・・・」
ネイの声が震えている。いや、声だけでなく体も震えていた。
サリア「どうして・・・・」
ネイ「四天王、イリアと・・・・・妹のファーリア・・・・」
サリアにも驚きの色が走った。
ネイ「二人共、魔法力は高いです・・・特にファーリアは・・・・」
イリア「遅かったねぇ・・・」
ファーリア「ホント・・・・ねぇ、ネイ?」
サリア「!?知り合いなんですか?」
ネイ「えぇ・・・・。前は一緒に行動してました。けど、途中で姉妹喧嘩で別れました。」
ファーリア「ふふっ・・・あれはお芝居。こうなると思って前から姉さんとは計画してたの。」
ファーリアはくすくすと笑った。
ファーリア「そして、もう一つ。本当の四天王の1人は私。バニッシュは私が復帰するまでの四天王だったの。ま、姉さんが倒しちゃったから私はもとの地位に戻っただけだけど。」
イリア「ファーリア、その辺にして遊ばない?暇。」
ファーリア「そうね。じゃあ、誰が来るのかな?」
サリアは一歩歩み寄った。
サリア「クル。あなたと私で戦いましょう。」
クルト「え?」
サリア「ロードさんはまだ気を失っているし、ネイさんは戦意喪失・・・・。今、普通に行動できるのは私達二人、でしょ?」
クルト「確かに・・・・やるしかないね。」
クルトもサリアについて行く。
イリア「先にやらせて。暇だもん。」
ファーリア「どうぞ。私は向こうの2人に用があるんだし・・・」
そう言って、ファーリアはロードとネイの所へ行く。
ファーリア「大丈夫。ロード達が起きてからするから。」
ファーリアはクルトとサリアにそう言った。
第7章〜姉・イリア〜
イリア「さてと・・・・どう闘おうか・・・」
クルト「先手必勝!」
クルトは、イリアに突進していく。だが、クルトの攻撃は空を切った。
イリア「リクエストは格闘ね・・・・」
クスクスと笑うイリア。その表情には狂気が感じられた。そして、クルト左わき腹めがけて右の拳。クルトが小さくうめいた後、続けざまに右腕をつかんで一本背負い。クルトの頭をつかみ、高く飛ばしたかと思うと、
イリア「シュルク!」
イリアの右手から光の弾が発射され、クルトに当たる。当たった瞬間大爆発が起き、クルトは地上に落ちた。それが一瞬の出来事で、サリアは全く動けなかった。
イリア「もうあと1人か・・・」
サリアは言葉を失った。
サリア(実力が・・・・違いすぎる!)
イリア「さて・・・あんたのリクエストは?」
サリアは思わず後ずさりした。
サリア(格闘が得意なら魔法はそこまで・・・)
サリア「ポルッカス!」
サリアは魔法で闘う事にした。サリアの左の掌から氷の矢が放たれた。矢は、イリアの頬に当たった。
イリア「魔法ね・・・・クロム!」
今度はイリアが左の掌から矢が出てきた。だが、サリアが出した矢よりも数段に大きい。矢の大きさは、その術者の魔法力に比例する。
サリア(なっ・・・・魔法も強い・・・)
サリア「くっ!」
なんとか避けたが、続けざまにイリアはクロムを放っていた。サリアの顔一個分の大きさの矢が雨嵐のように襲い掛かってくる。直撃だけは避けているものの、かすりでほとんどの矢に当たっている。だが、何を思ったのかイリアは突然クロムを撃つのを止めた。
イリア「へぇ・・・こんなに撃って直撃が一回も無いの、二人目よ。」
サリア「一人目は誰です?」
イリア「ファーリア。ふふっ・・・面白くなってきた。」
イリアは何かをしている。手を凄い速さで動かしている。
サリア(な・・・・凄い速さ・・・)
イリア「クルサーム!」
イリアが唱えたが何も起きない。
サリア「・・・・・・」
だが、サリアはクルサームと呼ばれたものが何を起こすのか気にしている。サリアがなんとなく下を向いた時、クルサームがどうなるのかわかった。
サリア「上!?」
下を向いた時、サリアの影と共に無数の影が見えたからだ。サリアは横に転がり込む。そして、つい先ほどサリアがいた場所に無数の矢が降り注いだ。
イリア「ちっ・・・」
サリア(危なかった・・・・・もし気付かなかったら全身を撃ち抜かれて生きていなかったに違いない・・・・)
サリアはイリアの魔法力にぞっとした。格闘も魔法も強い。本当にイリアに弱点があるのか、と思った。
イリア「しょうがない・・・・トラシャーク!」
今度はイリアが消えたかと思ったら、分身していた。
サリア「なっ・・・・」
そして、その分身のうち2人がいつの間にかサリアの腕を取り、身動きが出来ない状態にしていた。
イリア「面白かったけど、もう終わりね・・・」
サリア「くっ・・・・くそっ!」
サリアは抵抗するも動けない。
イリア「何か言い残す事は?」
サリア「・・・・ふふっ。」
サリアはこの窮地の中、笑顔を見せた。
イリア「何がおかしい?」
サリア「別に・・・笑いたくなっただけ。」
イリア「そう・・・ならとどめを刺してあげる。クルサー・・・」
その時、
クルト「姉貴が笑ったのはお前が負けるからだよ」
イリア「なっ!!」
いつの間にかクルトは起き上がってイリアの後ろにいた。しかも、クルトは髪の色、目の色共に青から緑色に変わっていた。イグニート家に伝わる特殊能力、覚醒を発揮したからだ。そのクルトはイリアの顔面を右の拳で殴った。
イリア「ぐうっ・・」
イリアが少しよろめくのを見逃すクルトではなかった。
クルト「次!!」
覚醒したクルトは鬼のような強さだった。あのイリアが一瞬にしてボロボロになったからだ。前に覚醒した闘いを見ていたサリアだが、前よりも数段に凶暴化している。
クルト「もう終わりか?まだ終わりじゃないだろ。くくく・・・。」
クルトがイリアを高々と上げ、地面に落とす。地面に落ちた所で、クルトはイリアにまたがりマウントポジションで顔面に両拳を打ち込む。まさに、サンドバッグ状態。
サリア「ちょ、ちょっとクル!もう止めて、本当に死んでしまうわ!!」
流石にサリアはクルトを止めに入る。だが、クルトはサリアを突き飛ばし、なおもイリアに攻撃をする。
サリア「コロッシュ!!」
サリアはクルトに魔法をかけた。たちまち、クルトは動きが段々スローになり、眠った。クルトの髪、目の色も元に戻っていた。サリアは、イリアの顔を見ると、あまり原型を留めていなかった。脈を取ってみるが、すでに息を引き取っているようだ。
サリア「くっ・・・もう少し私がキチンとしていればこんな結果にならなかったのに・・・・」
サリアは自分の力の足りなさを呪った。
第8章〜妹・ファーリア〜
ファーリア「さてと・・・・」
ファーリアは準備体操をしている。
ファーリア「まだ?ロードは?」
ネイ「・・・・・。」
ファーリア「ま、いいけど。」
ファーリアはロードが起きてからじゃないと闘う気は全く無いようだ。
ネイ「あの・・・」
ファーリア「何?」
ネイ「・・・・なんで闘う気無いんですか?」
ファーリア「え?そうねぇ・・・・正々堂々としたいじゃない。するんなら、ね。」
ファーリアの返答を予測していなかったのか、ネイはポカンとした。
ファーリア「あはは。面白い顔。ロードが起きるまでお話してよっか。」
ネイ「え?え、えぇ・・・いいですけど・・・・」
ネイはファーリアのペースにはまっている。
ファーリア「ま、私は四天王に入ってるって言っても、ぱっとしないんだよね。元々私は自由奔放だから。別にランクなんてどうでもいいし。」
ファーリアはそう言いクスクスと笑っている。
ネイ「じゃあ、なぜこっちの世界に?」
ファーリア「なんとなく。人間界にも飽きちゃったしね。ネイはさ、なんで魔族を倒そうとしてるの?」
ネイ「え・・・・人間界の秩序を守る為、かなぁ・・・」
ファーリア「へぇ〜・・・。でも、守る為と言って魔族を掃討するのもどうかと思うなぁ・・・。」
ネイ「・・・・・」
ファーリア「魔族全員が悪いって誰が決めた?それに、人間が悪い時もあるし。必ずしも、魔族は悪くないのに、人間が勝手にそう決め付けている・・・・。違う?」
ネイ「・・・・。」
ネイは反論しようと思ったが出来なかった。ファーリアの言うことは、全て理に叶っていたからだ。
ファーリア「別に、闘う気は無い。私は自由に生きたいから・・・・それに、イリアは本当の姉じゃないし・・・」
ネイ「え!?それはどういうことですか?」
ファーリア「ボルオプス、見たでしょ?私はアレと同じなの。そう、私もニューマン。イリアの細胞を少し操作して出来たニューマンなの。だから、姉って言ってもおかしくないでしょ?」
ネイ「え、えぇ・・・・」
ファーリア「ちなみに、ボルオプスは今は亡き伝説の大剣使いアルバート・コロッサスの細胞を操作したニューマン。」
ネイ「へぇ・・・・なるほど・・・。」
ネイは素直に感心した。
ファーリア「さてと・・・・・向こうは終わったようね。」
ネイ「え?」
ファーリア「イリアと・・・・そう言えばあの二人誰?」
ネイ「サリアさんとクルトさん?」
ファーリア「そうそう。その2人。決着ついたようね。さて、私はもう用が無いから去らさせてもらいましょう。」
ネイ「え?」
ファーリア「私は闘う気は無いし、かと言って同行する気も無い。だから、去ります。ロードに宜しくと言っておいてください。」
ファーリアは歩き出し背中越しに言った。
ファーリア「多分、もう会わないとは思いますが、また会える事を祈ってます。」
ファーリアはネイの視界から完全に消えた。
ネイ「ファーリア・・・・・」
今度は背中側から声が聞こえた。
ロード「ん、んん・・・」
どうやら、ロードは気が付いたようだ。
ネイ「大丈夫?」
ロード「ネイか・・・あぁ、なんとか。それにしても、この状況は?」
ネイは今までのいきさつを話した。
ロード「え・・・俺がボルオプスを倒した?」
ロードは不審な顔をした。
ロード「そんな記憶無いぞ・・・・。」
ネイ「・・・え?」
ロード「血を吐いて、頭痛がした所までは覚えてるけど・・・・それからは全く記憶に無い。」
ネイ「・・・・・一番ひどい所が記憶に無いんだ。」
ネイ(やっぱり・・・・あの行動は隠された力なんだ・・・・)
ロード「一番ひどい所?」
ネイ「うん・・・・信じられないだろうけど、兄さんが・・・・ボルオプスの死体を・・・・食べた事・・・・・」
ネイは震えていた。その状況を少しでも思い出してしまったんだろう。ロードは反射的に、ネイを落ち着かそうと自分の胸にネイを抱き寄せた。
ロード「・・・・・そうか。でも、大丈夫。俺はもうそんな事をしていた俺じゃないから。」
ネイ「・・・・・うん。兄さん。」
ロード「ん?何だ?」
ネイ「もうちょっと・・・・このままでいいよね・・・」
ロード「別に・・・・。」
結局、サリアとクルトが来るまで2人は寄り添っていた。
第9章〜伝説〜
イリア、ファーリア姉妹を倒した後に出てきたワープゾーンに入る4人。ワープ後にまず見たのは、大きな銅像だった。サリアだけは、その銅像を見て何か引っかかったが、気にしなかった。4人はその銅像の前を通り、じゅうたんの上を歩いていく。かなり歩いた所で、大きな扉の前に立つ。
ロード「用意はいいな?」
ネイ「もちろん。」
クルト「あぁ。」
サリア「じゃあ、入りますよ。」
扉を開けると王座があった。だが、そこには誰もいない。
ネイ「どういうこと?」
4人は手分けして部屋を探索するが、何も無い。
ロード「おっかしいなぁ・・・」
サリア「えぇ・・・・」
クルト「あれ?・・・ネイちゃんは?」
ネイだけ、未だに戻ってこない。
サリア「・・・・探しに行きましょう。」
3人は、ネイが探索担当の場所を調べた。すると、階段があった。
ロード「1人で行ったのか?」
クルト「いや・・・・」
クルトは、地面を調べていた。
クルト「誰かに連れ去られた、のほうがいいのかも。ほら・・・」
クルトが拾い上げた物は、ネイが着ていた服の破片だった。
クルト「それも、催眠ガスのにおいが微かに残ってる。」
サリア「急ぎましょう。」
3人は、階段を駆け上がった。一番上まで来たとき、そこは屋上だった。ネイが、屋上の真ん中で倒れていた。ロードがネイの元へ向かおうとした時、
サリア「待って!もしかしたら罠かもしれないです。」
ロード「そんな・・・」
サリア「私1人で行って来ます。合図したら来て下さい。」
そう言い、サリアは1人でネイの元へ向かう。幸い、何事も無くネイの元へ辿り着いた。
サリア「ネイさん・・・・」
ただ寝てるだけ、と判断して、ロードとクルトに合図を送る。その時、何気なくサリアは2人の上を見た。
サリア(あの銅像・・・・下にもあった。しかもさっきよりか数段と大きい・・・・まさか!)
サリア「クル!ロードさん!!」
2人はサリアの叫びが何の事かわからなかった。その時、2人の上にあった銅像が動き始め、そのせいで銅像の台が二人めがけて降ってきた。
サリア「スラック!」
サリアは岩の動きを止めようとしたが、サリアの魔法を全く受け付けなかった。ロードとクルトは上を見る。銅像の台はもう目の前まで降ってきていた。2人は反射的に動くものの、サリアの視界からは2人の姿は無く、岩と台だけが視界に残っていた。
サリア「そんな・・・・」
サリアは2人がいた場所に向かう。すると、後ろから声がした。
?「お前らか・・・ワシの邪魔をする人間どもは。」
サリア「誰!?」
声の方向を振り向くと、そこにはさっきの銅像の姿をしていた者がいた。背丈は7メートルくらいあるだろう。顔はとても魔族の長らしい禍々しいものではなく、むしろ美男子。喋り方と顔が全然一致できないのは気のせいだろう。
?「ワシは魔族の王、サタロム。さっきの下にあった銅像はワシを奉るための物だ。」
サリア「なぜネイさんをさらい、こんな罠を!?」
サタロム「ふふ・・・その娘は我らにとって必要な存在だからな・・・・・お主、リネアラスを知っておるか?」
サリア「リネアラス・・・・あのおとぎ話の?」
リネアラスとは、人間界に伝わるおとぎ話の1つ。だが、魔族界では全ての魔族が知っている事らしい。内容は、2000年に1人、人間界から何の前触れも無く魔族の血を受け継いだ人間が誕生するというもの。その者は、とても魔力が強く、魔族の上級の者ですら圧倒する力を持っていると言う話である。
サタロム「おとぎ話などではない。実際に起きた事だ。その者によって、魔族界は滅亡に追い込まれた。だが、魔族界のある者が自分の命と引き換えに封印したのだ。封印された者はその時一旦死ぬが、2000年の時を経て何者かに生を受ける。そのとき、封印された者の年齢はまだ10歳。その者が封印されたのは1992年。今から2010年昔の事だ。」
サリア「と言う事は・・・ネイさんは10歳。生まれは3992年・・・・。」
サタロム「そう・・・その娘が2000年後に生まれた。しかも、同じ年に生まれた者はいない。そう・・・2020年前もそうなのだから。」
サリア「・・・どうする気?」
サタロム「我らの指導者になってもらい、人間界を滅ぼす。」
サリア「そうはさせない!」
サリアはサタロムに飛びかかるが、サタロムは怒号でサリアを吹き飛ばした。
サタロム「もう遅いわ!その娘はもう覚醒しはじめているからな!!」
サリア「そんな!!」
サタロム「その証拠に娘の額に第3の瞳が見えてきているだろう。それが証拠だ。」
ネイの体から眩い光りが発せられ、辺りを照らす。光が収まった頃、ネイの体は異常に変化していた。身の丈が3メートル。髪が異様に長く、眼光が鋭い。額には、第3の眼「邪眼」と呼ばれるものがついていた。
ネイ「誰・・・私を呼び覚ました者は?」
サタロム「私にございます。ご一緒に人間界を滅ぼしま・・・」
サタロムは言葉を言い切る前に姿が無くなった。
ネイ「私に指図をするな・・・・」
サタロムはネイによって一瞬にして燃やし尽くされた。サリアは呆然とした。
サリア(ネイさんの中にあんなにも強力で恐ろしい力があるなんて・・・)
ネイ「お前・・・・私に刃向う気か?」
ネイはサリアの方を向く。眼があきらかに別人になっている。記憶も全く無いようだ。サリアは無言でいると、
ネイ「・・・・ファイ。」
ネイの掌から炎の弾が発せられた。サリアは何とか避けた。後ろの鉄で出来た壁は溶けていた。
サリア「当たったら最後・・・・ですね。」
冷や汗をかくサリア。その時、サリアの後ろの方向から何かの気配がした。
ロード「あいたた・・・」
クルト「姉さん、大丈夫?」
ロードとクルトがサリアの後ろに近づいていた。
サリア「二人共、大丈夫でした?」
ロード「一応は・・・」
ロードとクルトの額には血がにじんでいた。その他身体のあちこちから血が出ている。
クルト「さっきのサタロムの話は聞いた・・・」
ロード「・・・・・・」
ネイは3人を見る。
ネイ「・・・・・3人とも邪魔するのか?」
ロード「ネイ!!目を覚ませ!」
ネイ「・・・・蝿が・・・」
ネイの右手が光ったかと思うと、ロードの体が数メートル飛ばされた。
ロード「くっ・・・」
ネイ「・・・・・」
冷たい眼でロードを見るネイ。ネイの瞳には、3人と一緒に過ごした日々の記憶は無いようだ。
サリア「説得は無理・・・・っぽいですね。」
ロード「ネイ!俺だ、わからないのか?」
ネイ「・・・・・。」
今度はネイの左手が輝き、ロードの右腕を貫いた。
ロード「ぐわぁぁぁっっ!!」
ロードはあまりの痛みに地面を転がりまわる。ネイはその光景を見て薄く笑っていた。
第10章〜親しい者との別れ〜
ネイ「どうする?その者のようにのた打ち回りたいか?」
冷ややかにクルトとサリアに顔を向けるネイ。
クルト「・・・・どうする?」
サリア「・・・・・・とりあえず、私はロードさんの応急手当をするからネイさんの気をひいていてくれない?」
クルト「わかった。」
サリア「無理はダメよ。」
サリアはロードのところへ向かい、クルトはネイを挑発した。
クルト「俺一人で充分。来いよ。」
ネイ「・・・・・」
クルトは身構えた。だが、身構えた時すでに目の前にネイがいた。
クルト「んなっ!!」
ネイ「遅いな。」
一瞬にして、ネイのボディブローによりクルトはくの字に体が曲がった。
クルト(肋骨結構折れたな・・・・なんて力だ・・・)
ネイ「もう終わり?大した口利いていた割にはあっけない・・・・」
クルト「まだまだぁ!」
クルトは下段蹴りをするが、ネイはそれを予測していたかのようにその足に自分の足を乗せた。
クルト「・・・・・・」
ネイ「・・・・もう止めた。」
ネイの左手が輝き始める。その時、ネイの体に異変が起きた。
ネイ「何っ!?」
クルト「動きが・・・・止まった?」
クルトは今のうちだと、体勢をたてなおす。空中から、1人の女が降りてきた。
サリア「ファーリア!?」
ファーリア「やはり・・・ネイがそうだったのね・・・」
どうやらネイの動きを止めたのはファーリアがした事らしい。
ファーリア「3人とも、早く人間界に戻りなさい!」
サリア「あなたとネイさんは!?」
ファーリア「わかるでしょう?封印する者、される者、お互いに命を落とす事は・・・」
サリア「まさか・・・」
ファーリア「そう。私達アレクサンドル家、と言っても私はニューマンだけど。アレクサンドル家は代々封印する者となっているの。もしもの為にね。もちろん、2010年前の出来事も私達アレクサンドル家によって治まったんだけどね。」
サリア「・・・・・・」
ファーリア「私に任せて戻りな。ロードの事、宜しく頼むね。」
ファーリアは、自分とネイの周りにシールドを張り巡らした。そして、ロード、クルト、サリアが通れるほどのワープゾーンを作った。
サリア「クル!先に行って。」
クルト「う、うん・・・・」
クルトはワープゾーンに飛び乗った。
ロード「ネイ・・・・・」
ファーリア「ロード・・・・悲しいだろうけど、仕方ない事なのよ。」
ロード「・・・・・」
サリア「ロードさん!早くしないと消えますよ!!」
ワープゾーンが消え始めてきている。クルトはとっくにワープした。
サリア「先に行きます。」
サリアも、ワープした。
ロード「俺は残る・・・・」
ファーリア「ロード!わがまま言うんじゃない!!」
ファーリアの顔に、今まで無かった怒りが見えた。
ファーリア「お前の父は2人ともいなくなったらどう思う!?」
ロード「・・・・・・・。」
ファーリア「お前は生きるんだ。そして、この事をおとぎ話ではなく全世界に現実にあることと伝えて欲しい。頼む。」
ロード「・・・・・わかった。」
ロードは渋々了解した。ワープゾーンに入る前に、ロードはネイを見て、
ロード「さよなら・・・・ネイ。俺の妹・・・」
ロードはワープゾーンと共にファーリアとネイの視界から消えた。
ネイ「・・・・・」
ネイの頬に、涙が伝っていた。
ファーリア「これから、あなたを封印する。いいね?」
ネイ「・・・・・これが運命だもの。いいわ。」
ファーリアが封印をする呪文を唱えている時、ネイは一言だけこう言った。
ネイ「さよなら・・・ロード・・・私の兄さん・・・」
最終章〜それぞれの旅立ち〜
クルトとサリアがワープゾーンから戻ったら、そこは2人の故郷、シュール国だった。シュール城は、いつの間にかかなり元通りになっていた。
兵士A「王子と王女がおかえりになったぞ〜!!」
2人はその声によって我に返った。
兵士A「良くぞご無事で。さぞ疲れたでしょう。」
クルト「これからどうするんだ?」
兵士B「クルト王子と、サリア王女でこの国を建て直していってください!」
サリア「・・・・・・。」
サリアは難しい顔をしている。
兵士A「サリア王女、私何か悪い事をおっしゃいましたでしょうか?」
サリア「あ・・・いえ。クル、後はよろしく頼むわ。」
クルト「え・・・姉さんは?」
サリア「私は全世界を回ってみる。まだ知らない事もあるだろうし、ロードさんの住んでいたバシュックにも少し用があるし・・・・。クル、いいかな?」
クルト「・・・・いいよ。姉さんには今まで色々迷惑かけたし。ロードに会ったらよろしくって言っておいて。」
サリア「えぇ。わかったわ。」
こうして、クルトはシュール国の王となり、サリアは世界を巡る旅に出た。
一方、ロードはというと、ワープゾーンから出てきたらバシュック城の目の前にいた。
王「ロード!無事だったか!?」
ロード「父上・・・・」
ロードはその晩、王と話し込んだ。
王「そうか・・・リネアラスは現実の話だったのか・・・」
ロード「えぇ。ネイはそのリネアラスのせいで・・・・」
王「うむ・・・。」
ロード「父上。明朝、私はまた城を出ます。ファーリアさんとの約束を果たす為、世界各国でこのことが噂ではなく現実にあったことだと教えにいきます。」
王「今日はゆっくり休め。城を出て、皆に教えを説いて参れ。ただし、わしが死ぬ前に戻って来いよ。」
ロード「わかりました。」
こうして、ロードはファーリアとの約束を守る為、世界を巡る旅にでた。その道中、
ロード「・・・・・ネイはどうしてるだろう・・・案外すぐ側にいたりして。」
ネイから受けたロードの右腕の傷が、騒いでいた。
END
〜あとがき〜
お疲れ様でした。長いお話になりましたね。最後のほうは、私が寝る前書いていたんで文がまとまってませんが、強制的に終わらせました(汗。まだまだ文字の整理の仕方とか、伝え方が甘いですが、頑張っていき次第に良いものにしていきたいと思っております。
かなり疲れました。明日から自由登校なんでぐっすり眠りたいと思います。最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
読み終わりましたら、遠くを見たり、目薬を点したり等して目を休ませてください。
2/4(火)0:20完