2015年2月定例市議会

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2014年12月、松江市役所において予算要望についての回答を受け取る

平成27年2月定例市議会反対討論

 3月25日、共産党議員団を代表して、議案12件、陳情4件について委員長報告に反対の討論を行いました。


保育料などの値上げに反対

 松江市保育料条例の制定については、保育料の刻みを16段階とし、低所得階層は値下げされましたが、人数の多い年収500万円以上の階層は値上げとなリます。 

 松江市立幼稚園保育料及び入園料条例の一部改正についてです。
 市民税所割を払っている家庭は、今まで月8,700円の保育料が課税額により3階層に分けられ、3階層が10%、4階層が40%、5階層が77%の値上げとなります。

 松江市立幼保園保育料及び入園料条例の一部改正については、議第11号と同じ理由で反対です。

 松江市立保育所及び市立幼保園における特別保育に関する条例の一部改正についてです。
 他の自治体では、短時間と標準時間の保育料額の差額は1・7%とわずかであり、事務量の煩雑さを避けることもあり、工夫して延長保育料を徴収しないようにしています。松江市は、短時間利用を設定し、越えた部分は延長保育料を徴収することにしており、反対です。
松江私立幼稚園保育料の増減比較
  《 現行 》   《 新制度 》
 階層 税負担区分 保育料 階層 税負担区分 保育料
 1 生保世帯  0  1 生保世帯  0
 2 市民税非課税世帯  0  2 市民税非課税世帯  0
 3  市民税所得割課税世帯    8,700  3 所得割  77,100円以下  9,600
 4 所得割 211,200円以下  12,300
 5 所得割 211,201円以上  15,400
(保育料・・・月額・円 ) 

プレミアム付き商品券はバラマキ施策

 平成26年度松江市一般会計補正予算(第6号)についてです。
 本補正予算は、国の経済対策に呼応した施策8億2千万円が充てられています。生活困窮世帯等への支援事業は必要ですが、問題なのは「地域消費喚起・生活支援」交付金事業です。
 プレミアム付き商品券は、一時のバラマキであり、その経済波及効果も検討すらされていないのは問題です。
 真に消費を喚起する処方箋は、人間らしく働く雇用のルールをつくって賃上げと安定雇用を生み出すこと、暮らしを支え人間の尊厳を守る社会保障の実現、農林水産業と中小業者対策の振興であり、そのための施策を具体化し、推進すべきではありませんか。 

失敗した駅前地下駐車場を再開

 駅前駐車場事業の後始末の問題があります。
 私たちは、駅前駐車場は無駄な公共事業として当初から反対してきました。回転式という構造的な問題もあり、破たんした事業となっていましたが、今回、民間業者に貸し出し、再開する運びとなります。駐車場事業特別会計を閉鎖するために、累積赤字の補てんに2億9千万円、公債費の繰り上げ償還に5億2千万円余を一般会計から繰り入れる内容が盛り込まれた補正予算であり、反対です。
 平成26年度松江市駐車場事業特別会計補正予算(第2号)は、特別会計を閉鎖する措置ですが、議第182号議案で討論した理由により、反対します。

地方創生・アベノミクスに追随の松江市政

 平成27年度松江市一般会計予算についてです。
 昨年4月の消費税8%増税と円安誘導による物価高が、暮らしと地域経済を直撃し、社会保障への国庫負担の削減は医療、介護問題を深刻化させ、国保料など重い社会保険料負担に市民生活は大変です。歴代政権の輸入自由化政策が地方の基幹産業である農林水産業に打撃を与え、地域経済を衰退させてきました。
 安倍政権は、これら失政への反省もなく、地方創生やアベノミクスの地方への波及を強調しますが、消費税の再増税、社会保障の切り捨て、雇用破壊、TPP(環太平洋連携協定)の推進、原発の再稼動・輸出政策です。
 国の政治がひどいときだからこそ住民に一番身近な市政は、悪政から市民生活を守る防波堤の役割を果たさなければなりません。

後世にツケを残す無駄な「松江北道路」推進の市長
 市長は松江北道路の早期完成を言いますが、私どもが実施している市民アンケートでは「わずかな時間短縮のために250億円もの巨費を投ずるのはいかがなものか」「白鳥の飛来する湖北の穀倉地帯の自然を守ってほしい」などの声が多くだされています。次世代に多額の借金を残し、永続的に続く維持管理費を憂える声もあります。無駄な公共事業はやめ、少子・高齢化対策、地域経済振興のための政治を行うべきです。

原発ゼロの決断を
 福島原発事故の教訓から学ぶことは、原発は決して安全な技術ではなく、使用済み核燃料の処理・処分ができない以上、政治が原発ゼロを決断することです。
 27億円もの「原発交付金」の使途については、経常経費に多く充てられており、島根原発1号機の廃炉が決定された後の交付額も定かではありません。原発を抱える自治体の防災・安全対策にこそ重点的に充てるべきです。

「道州制」の実態づくりを地方から推進
 市町村合併から10年が経ちましたが、周辺地域は衰退する一方です。定住自立圏構想や中枢拠点都市構想は、道州制の実態づくりを地方の側からすすめるものです。

差別解消逆行の同和補助金
 市民団体への補助金算定には大きな格差があり、公平な補助金になっていない問題があります。とくに同和団体への補助金は削減されたとしても依然として多額であり、逆差別を生み出しています。また同和関連の集会所への指定管理費でも一般集会所と差別化がはかられており、早急な格差是正を求めます。

マイナンバー制度を導入
 国民ひとり一人に番号を割り振って所得や納税実績、社会保障に関する個人情報をひとつの番号で管理するマイナンバー制度は、プライバシーの侵害やなりすまし犯罪を常態化させるもので、費用対効果の検討もされていません。

県営事業負担金の解消を
 県営事業負担金は、城下町の風情を壊す大手前道路拡幅など、市町村に経費の一部を負担させること事が出来るとの理由で市に負担金を課しています。しかし、県が実施する事業で大規模かつ広域にわたる事業では市町村に負担させてはならないとする見解もあり、負担金を取らない都道府県は増えており、県営事業負担金の是正を県に求めるべきです。

教育環境整備の充実を
「子育て日本一」を掲げるなら、子どもの医療費は中学卒業まで無料にすべきであり、学力テストの公表は中止し、普通教室にクーラー設置や児童クラブの基準を守るという教育環境の整備こそ優先すべきです。

70歳以上の検診有料化
病気予防の検診について、70歳以上を有料にすることは、検診率が下がり医療費を押し上げることにつながります。

火葬料の大幅値上げ
直営だった松江市斎場を今年度から指定管理者に行わせ、大幅な使用料の値上げをするものです。
以上の理由から一般会計予算に反対します。

国保料値上げ反対、保険証取り上げやめよ!

平成27年度松江市国民健康保険事業特別会計予算についてです。
 国保保険料を1%値上げする予算ですし、資格証明書の発行や18歳未満の子の保険証を市役所に留め置くことは、医療を受ける権利の侵害になり、反対です。

介護保険料の値上げに反対

松江市介護保険条例の一部改正について、および議第199号 平成27年度松江市介護保険事業特別会計予算は関連がありますので一括して討論します。
 第6期の介護保険料は、平均5848円と5期に比べさらに15%もの値上げとなり、保険料未納者が1000人以上もいることが明らかとなり、国に国庫負担割合の引き上げを強く働きかけ、市としても、さらなる基金の取り崩しや一般会計の繰り入れで対応すべきであり、反対です。

水道料金値上げに反対

平成27年度松江市水道事業会計予算についてです。
 当局の健全運営についての努力は認めるところですが、今年度予算は、今年1月1日より実施された水道料金改定が含まれるもので、反対です。
 大口利用の地下水からの転換が進まなければ当面,一般家庭に負担が増えただけとなります。県と松江市の水需要予測の誤りという行政の責任は免れません。来年度には簡水との統合による再度の引き上げも予想されます。松江市は一般会計からの繰り入れなどで市民に負担を押し付けないよう対策をとることを求めます。 

時間外選定療養費の徴収やめよ

平成27年度松江市立病院事業会計予算についてです。
がんセンターの開設に向けて努力されていますが、受診抑制のため時間外選定療養費を徴収するなど、自治体病院として市民が安心してかかれない状態であり反対します。

農業集落の危機打開を

 農協改革など「農業改革」に関することについて、米価対策の意見書の提出を求めることについて、ならびにTPP交渉に関することについては、いずれも島根県農民運動連合会から提出されたもので、関連がありますので一括して討論します。
 安倍晋三首相は、今通常国会の施政方針演説で「戦後以来の大改革」を掲げ、農協と農業委員会、農業生産法人の三つの「改革」をあげました。なかでも農協「改革」について、農協法にもとづく中央会制度の廃止、現在の全国農業協同組合中央会(JA全中)の一般社団法人への移行、農協への会計士監査の義務付けなどに言及しました。
農業者の深刻な事態に背を向ける安倍内閣
 安倍首相が持ち出した農協「改革」は全中が立案した自主的改革案の主要部分を否定し、首相の強い意向として全中に強引に受け入れさせたもので、農家組合員や理事者、労働者の意向を無視した強権的介入です。強い農業をつくるため、農家の所得を増やすために「改革」が必要といいますが、具体的説明はありません。それどころか、生産者米価の暴落や円安と消費税増税による生産資材・飼料の値上がりなどで生産を続けられるかどうかの瀬戸際に立たされている、農業者の深刻な事態に背を向けています。
 農協「改革」も公選制の廃止を柱とする農業委員会「改革」も、農業関係者が求めたものではありません。政府の規制改革会議で財界代表が持ち出した内容が最優先されています。農協「改革」がめざす中央会の法的位置づけの廃止、会計士監査の義務付けは、全中が単位農協の自由を制限しているからだといいますが、島根県中央会をはじめ現場の農協組合長の大多数が、指摘はあたらないと述べています。今日の農業の困難、食料自給率の低下は、歴代自民党農政がすすめた農産物の輸入拡大や価格・所得政策の削減、中小経営の政策対策からの排除などが主な要因で、農協の責任ではありません。

「農協解体」TPP反対運動の抑え込み
 重大な問題は、戦後農政の優れた仕組みが大本から崩されることです。財界が繰り返し要求してきた、地域に定着する家族農業とその協同組織が担ってきた農業生産・農地管理、販売・購買、信用・保険などを営利企業のあらたなビジネス・チャンスとして提供することになるからです。
 強権的なやり方は、安倍首相が強調する「企業がいちばん活躍しやすい国」をつくるため、岩盤規制打破の突破口に農協を位置づけているからです。それは同時にJA全中が大きな役割を果たしてきた環太平洋連携協定(TPP)反対の国民的運動を力ずくで抑え込むためでもあります。
 いま必要なことは、家族経営を基本にした多様な農家・生産組織などが農産物の再生産を続け、後継者を確保できる、展望の持てる農政です。TPP交渉からの撤退も決断すべきです。
 そのうえで、農産物の生産・販売、信用・共済、医療など総合的な事業で地域の農業と住民の暮らしを支えてきた総合農協としての役割を生かすことです。東日本大震災で発揮したように、利益一辺倒ではなく協同・共生の立場にたった組合員、理事者、労働者の主体的な努力の保障が重要と考えます。
 そうした方向こそ、国民が求める安全な食料の安定供給と農村社会の維持・発展を保障する道です。

米価暴落で農家は深刻
 2014年産の米価暴落により米価は40年前の低水準となり、そのうえ、政府がコメ直接支払い交付金を半減し、米価変動補てん交付金を廃止したため、生産者に多大な困難をもたらしています。
 政府は、融資やコスト削減への助成を打ち出しているものの米価本体に影響を与える対策を打ち出さず、需給は民間まかせです。
 このまま何も手を打たなければ離農が雪崩を打つように進み、地域農業の維持や農村集落に深刻な影響をもたらしかねません。そして、日本の食料自給率の一層の低下を招くことは明らかです。過剰米の市場隔離を実施するなど需給調整に乗り出し、米価の回復をはかること、コメに関する交付金対策の復活で農家の経営安定対策をとることは喫緊の課題です。

ただちにTPP交渉からの撤退を
 大詰めを迎えていると報じられるTPP交渉。年間5万トンものコメの特別輸入枠、牛肉・豚肉の関税大幅引き下げなど安倍政権は、国民に隠れてアメリカへの譲歩を重ねています。「重要5品目の聖域確保」という国会決議に反することは明らかです。このまま交渉を続ければ「農産物の全面自由化」に引きずり込まれてしまいます。ただちにTPP交渉から撤退すべきです。
 これらの陳情は、日本の農業と地域振興をはかるうえでもっとも具体的な打開策をもとめたものであり、採択すべきです。不採択とした委員長報告に反対します。

予算関連文書の公開は当然

 予算関連文書のホームページ上での公表を求めることについては、公表可能な予算関連文書をホームページに掲載してほしいとするものです。あくまで公表可能な文書の掲載をもとめたものです。実際には、お金を払えばただちに入手できる資料です。地方自治の本旨は団体自治とともに住民自治であり、住民参加を保障するうえで、行政の説明責任を果たすことは極めて重要です。不採択とした委員長報告に反対します。


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