2017年2月定例市議会

議案・議決結果 2016年11月議会

片寄直行の一般質問要旨

3月1日、市議会本会議において、市長の政治姿勢のテーマで一般質問にたちました。

 


市長の政治姿勢について

 松江の歴史と文化についてです。
 松江らしさについて私の友人は、城下町らしさ、水の都、古代出雲文化の中心地との分析をしています。松江の都市景観は高層マンションなど城下町の風情を害する問題もあると思われます。
 市長は、松江らしさについて、どのようにとらえ、今後のまちづくりに活かすのか所見を伺います。

 中海・宍道湖の水質環境改善については、汚濁原因の解明が十分にすすんでいない現状と思います。国や鳥取・島根両県での環境モニタリングも継続的に行われています。対策協議会での汚濁メカニズムの解明がされたなら、何よりもそれを尊重し、ラムサール条約の指定が最大限生かされる環境・産業対策を望みます。市長の決意を伺います。

 次世代型路面電車・LRTについて、市長は熱心に研究をしてこられたのかもしれません。しかし、昨年の予算委員会で市長は、「必要なのかどうかという観点からの検討というのをあまりしてこなかった」と反省したうえで、検討したいとの答弁でした。
 私たちは、道幅が狭く、巨額な投資が必要なLRTは松江市には合わないと主張してきました。地域公共交通網形成計画が大詰めをむかえようとしているとき、総合計画も今議会での焦点となっているときです。最終結論をだすべきときではありませんか。市長の所見を伺います。

 自治基本条例について市長は、共創のまちづくりの中で検討していきたいと答弁をしてこられましたが、まだ、形としては見えてきていません。松江市議会は平成20年12月議会で議会基本条例を制定し、議会の基本的立場を明確にしてきました。本来、こうした動きと並行して執行部側の基本的立場を明確にすることが必要です。かつて市長公約にも掲げられた訳で、その実現のため、再度、決意を伺います。

 原発と防災についてです。
 島根原発2号機のダクト腐蝕は、稼働以来一度も点検されてこなかったことを明らかにしました。こうした中国電力の体質についてどのように感じているのか伺います。
 2号機の適合性確認審査では審査会合やヒアリングで200を超えるコメントがされ未回答のものが17項目近くあると思いますが、現段階の審査状況を伺います。
 前回の議会でもしめしたように、地震の震源となる断層と地表に現れた活断層の関係をきちんと関連づけないと正確な評価にならないことは明白です。GPSを使った地盤の割れ目の解明、海岸における地震性隆起の調査など徹底調査を原子力規制委員会や中国電力に求めるべきですが、市長の決意を伺います。
 津波の引き波時に、原発の冷却に使う海水の取水口より水位が低下することが予想されるため、2号機においては取水位置を下げる改良工事が、3号機においては取水堰設置の計画がしめされていますが、進捗状況をつかんでおられれば説明いただきたいと思います。

松浦市長答弁(要旨)

 歴史、文化、自然環境やそれらを守ってきた「市民の意識の高さ」といった「松江らしさ」を活かしたまちづくりを進めてまいりたい。

 中海・宍道湖の水環境については、長期的かつ継続的にとりくんでいく必要があります。
 これまで、汚濁原因の解明を進めるとともに、覆砂や浅場造成に取り組んでまいりました。また中海・宍道湖一斉清掃や両湖での体験学習など様々な活動を地域住民の皆さんや事業者と連携して推進してまいりました。
 今後、これらの取り組みを活かしながら、ラムサール条約の理念である湿地の保全再生、漁業振興や利活用などによるワイズユースに積極的に取り組み、両湖の豊かな生態系及びそれによってもたらされる多様な恵みを次世代に守り伝えていきます。

 LRTについては、これまで検討してきましたが、一番大きなハードルは、既存の道路に軌道を通すことや多額の費用がかかることから、市民の皆さんに必要性を説明し、理解を得ることが難しい。
 発想を転換して、橋北の一畑電車、橋南のJR山陰線をLRTのほうな考え方で捉え、各駅からの二次交通として、バスを接続させるような公共交通網を検討してまいりたい。

 自治基本条例については、条例の制定自体が目的ではなく、実際の市民活動や地域活動の活性化につながることが大切であると考えます。自治基本条例については、こうした取り組みの中で検討すべき課題ではありますが、当面は、総合戦略をはじめとした市の取り組む事業全般を「共創・協働」により展開し、その浸透、定着を図ってまいります。

 昨年末に発生した、島根2号機のダクト腐蝕については、何故このような事案が発生したのか、類似箇所を含めしっかりと調査し、全体像をはっきりとさせることが重要と考えている。
 中国電力は、3月上旬に、本事案に係る原因や再発防止対策をまとめた報告書を国に報告することとしているが、原子力規制委員会には報告書の内容を精査するとともに、点検制度のあり方を含めて適切に対応していただきたい。市としても県と連携し立ち入り調査を実施するなど、報告書の内容について確認したいと考えている。
 島根2号機に係る新規制基準適合性審査について、2月17日までに83回の審査会合が開催されているところ。昨年5月から審査が始まった基準地震動の審査が未だ継続しているなど、見通しが立たない状況と認識している。
 島根原発2号機の安全性については、原子力規制委員会の審査官から宍道断層の東端についての再整理が指示されるなど、厳しい姿勢で審査されていると聞いている。耐震性評価に反映すべき新所見が認められれば、議員ご指摘の点も含め、審査に反映されるものと考えており、引き続き注視していきたい。
 津波の引き波対策については、議員がかねてからご心配されていたもの。工事の進捗状況について、島根2号機は平成28年度中に完了予定、島根3号機は平成27年6月に完了済みと中国電力から聞いている。 

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