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養神館合気道
                   



第8回県大会


              

   島根養神館創立29周年記念 第8回合気道養神館山陰地区総合演武大会

1.合気道養神館主席師範・養神館合気道龍主宰・安藤師範(8段)を招き、基本技を通 じて合気道の神髄、中心力の体得をはかり技法の向上に資するとともに会員相互及び地域との交流を図り、もって合気道普及の一助とします。
2.会  場:島根県立武道館 島根県松江市内中原町52番地 ℡0852(22)5710
3.日  時:平成23年8月27日(土)、28日(日)  
4.主  催:養神館合気道島根支部(島根養神館)
5.後  援:松江市・松江市教育委員会・山陰中央新報社
        合気道養神館本部道場
6.招請師範:合気道養神館本部道場主席師範・養神館合気道龍主宰 安藤毎夫
7.随行指導員:養神館合気道龍大阪代表・村川真啓
8.大会当日(28日)来賓:松江市教育委員会スポ-ツ課長野田伸一様(松江市長・松浦正敬様代理)、島根県柔道連盟副会長青木幸正様、松江市市議会議員比良幸男様、不遷流柔術盛武館島根県本部長重吉伸一様、山本節子様(株式会社サピイ会長山本徹様の代理)、安田純子様、安田紀子様                             以上8名
9.模範演武:不遷流柔術盛武館島根県本部員による不遷流柔術の形(10分程度)
10.大会及び講習会日程
   省略
11.大会及び講習会開催報告
  島根養神館創立29周年記念第8回合気道養神館山陰地区総合演武大会が平成23年8月27日(土)、28日(日)の二日間にわたって開催されました。
 講師として合気道養神館本部主席師範・養神館合気道龍主宰の安藤毎夫師範(8段)に5度目の御来県を頂き、ご指導、ご高配を賜りました。随行指導員として養神館合気道龍大阪代表・村川真啓様にもご来県いただきました。
 大会初日は、快晴に恵まれたものの30度以上もある残暑厳しい中で、県大会では初めて松江市にある島根県立武道館にご来館いただくこととなりました。とはいえご本人は昭和50年、学生時代にも来たことがあり二度目の来館ということでした。後で山梨養神館の大会を断っての来県であることを知り、恐縮致しました。
 (一)初日の講習会等
 8月27日(土)の講習会には安藤師範の指導のもと、午後1時50分から午後3時20分まで行われ28名の参加がありました。
 島根養神館OBの山村満氏が奥さんやその娘、秋帆さんとその妹さんともなってわざわざ石川県から駆けつけていただきました。養神館合気道龍大阪の牧野英隆様には村川真啓様とともに大阪市からご参加いただきました。
 1日日の講習会は構え、基本動作の背力の養成(一)(二)の指導がありました。基本技の中から片手持ちニカ条抑え(一)、横面打ち三力条抑え(二)、片手持ち側面入り身投げ(一)、正面打ち小手返し(二)、呼吸法(一)のご指導を受けました。ニカ条の締め方では受けが反発して押し返した時はその方向に手をゆるめ又締めなおしていくという二カ条のコツを教わりました。片手持ち側面入り身投げ(一)では仕手が技に入る時は腰をまっすぐ落とすのかやや傾けて腰を落とすのか参加者が質問していました。これについてはやや下の方向を見て斜めに腰を落とすと良いとの事でした。最後に最新研究の「真空の気」を解説していただきました。あたった瞬間に集中できると相手を導くことができ相手と一体になれるということでした。最後に終末動作(一)を全員でやり一日目の講習会を終了いたしました。

     
               
  この後は安藤先生には大阪龍の会員2名、島根支部会員5名と共に松江に来た記念に松江城、小泉八雲記念館、小泉八雲旧居、武家屋敷など観光案内いたしました。
 夜の懇親会は宿泊先である宍道湖畔の温泉地の一角にあるニュ-ア-バンホテルで行われました。22名の参加者がありました。懇親会終了後は部屋で3次会をするところでしたがせっかくのご来松でありましたので夜の繁華街をご案内いたしました。明日の大会を控え、午後11時には案内を終え、帰路に就き就寝しました。宿泊者は21名でした。

                                                                                                                              
         

                                        
 
 (二)演武大会
  28日(日)の演武大会は定刻どおり午前10時から始められ、12時10分まで演武が行われ12時20分には閉会式も終了し、全員で記念撮影し12時30分までには予定の行事をすべて終了することができました。
 開会式で開会の辞や国歌斉唱に続き、主催者を代表し、私から大会開催にあたっての挨拶を行いました。「・・・演武大会は日頃の稽古の発表の場であると同時に会員同士や他団体との交流の場であります。今年は運良く県立武道館を借りる事ができました。広くて使い慣れない面もありますが会員の皆様には日頃の稽古の成果発表の場であると同時に稽古の場として活用していただければ幸いです。ご観覧の皆様方も松江開府400年の最終年度に開催された記念すべき大会であることを一隅に留め最後までご高覧いただきますようお願い申し上げ大会のご挨拶といたします。」
 続いて来賓を紹介した後、代表として松江市長・松浦正敬様の代理で出席された松江市教育委員会スポ-ツ課長・野田伸一様より松江市長のメッセ-ジが読み上げられました。「合気道は自然の動きに逆らうことなく相手の力を自分の力に同化させることにより相手を制することのできる和と礼節の武道と聞いております。単に健康面のみならず他人と協調して和と礼節の精神の向上につながる武道と聞いております。ご来館の皆様にもその歴史と精神を感じ取っていただき多いに大会を盛り上げていただきたいと思います。すばらしい演武を期待しております。」その後、島根県柔道連盟副会長青木幸正様から来賓挨拶をいただきました。
 南桜井同好会の萩田静子様より、山陰の片田舎の大会に祝電をいただき、皆様に電文を披露させていただき多いに大会を盛り上げていただき感激いたしました。
 審査委員長を務めていただいた安藤先生からは参加選手に対し日頃の成果を十分発揮し、けががないようにとの激励のご挨拶がありました。
 大会参加者は来賓を含め58名でした。本部主席師範1名、龍大阪2名、島根支部41名、不遷流盛武館7名、来賓7名でした。
 演武大会の最初に白帯会員会員による基本動作連続を行いました。その後、黒帯(有段者)会員による31の杖が演じられました。演武大会のために特に稽古したわけではありませんでしたが、日頃の稽古そのままにまとまった演武ができたように思いました。

        

  競技演武は少年の部、入門コ-スの部、基本コ-スの部、基本動作の部、自由技の部合計5部門設けました。競技演武は昨年の本部の競技演武を参考に構成を考えました。集計に手間取ることのないよう審判による旗判定で勝者を決め、ト-ナメント方式で勝ち上がっていった者に優秀演武賞を授与することとしました。少年の部は審査委員長が演武を見て技能の優れた者を1名選出し奨励賞としました。審査基準は動作の正確さ、態度、判断力、仕手受けの和合性、受けが故意に動かなかったり、間違えた場合は受けの減点としました。
 会場の広さを活用し、同時に最大4組の対戦が可能なように立ち位置を予め決めておきました。ト-ナメントの対戦相手は演武大会当日、抽選で決めることとしました。競技時間、競技方法、審判や選手の立ち位置、審判方法など細部にわたって検討し、決定にいたるまでに10時間ぐらいかかりました。
  ①競技演武-少年の部には小学生位以下無差別で三宅莉紗子(少年初段)、伊藤倖生(少年8級)、坂本陽斗(少年8級)、玉木洸多(無級)の4名が出場し、板倉敬司道場長の号令により、礼法、受け身、基本動作など演じられ、三宅莉紗子が奨励賞を受賞いたしました。

  

  ②入門コ-スの部は性・年齢は関係なく無級から9級までの白帯の一般会員なら出場できることとしました。1回戦は基本動作6本のうち1本をお互いに向かい合い同時に単独で連続30秒間片側のみ行います。2回戦以後は基本動作6本のうち1回戦に出題した以外の1本を出題します。
  1回戦は体の変更(一)、2回戦は臂力の養成(一)が出題され、岡本康史、伊藤司、高橋浩充、増田由佳の4名が出場し、岡本康史が優秀演武賞を受賞いたしました。
 ③基本コ-スの部は性・年齢は関係なく8級から6級までの白帯の一般会員なら出場できる事としました。抽選で決まった相手と仕手、受けを交互に行いました。第1回戦は基本動作6本のうち1本を相対で片側のみ仕手受け交代しながら連続1分間15秒間行いました。2回戦以後は一般6級から9級の基本技を出題しました。
 1回戦は片手持ち四方投げ(一)、2回戦は正面打ち一カ条抑え(二)、3回戦は片手持ち四方投げ(二)を指定し出題しました。佐藤大、小河原和也、川村允力、伊藤健一、古川寛、渡部美恵の6名が出場し、川村允力が優秀演武賞を受賞いたしました。

  

  ④基本技の部は性・年齢は関係なく5級から1級までの白帯の一般会員なら誰でも出場できることとしました。基本技15本の中から1本がその場で出題され、抽選で決まった相手と。片側の技を仕手、受けを交互に連続1分15秒間行いました。1回戦は片手持ち二カ条抑え(二)、2回戦は横面打ち正面入り身投げ(二)、3回戦は正面打ち小手返し(二)を指定し出題しました。若林銀河、山根瞬、吉川慶彦、伊藤彩乃、三宅惠利子、木村薫、伊藤眞麻、青木真由美、井田恵人9名による激戦が展開され、青木真由美が優秀演武賞を受賞いたしました。

       

  ⑤自由技の部は性・年齢は関係なく黒帯の一般会員なら出場できるものとしました。片手持ち自由技、正面打ち自由技、横面打ち自由技、正面突き自由技、両手持ち自由技、後ろ両手持ち自由技の中から1本、出題することとしました。抽選で決まった相手と最低5本の技を使い仕手、受けを30秒間ずつ交互に行いました。1回戦は片手持ち自由技、2回戦は横面打ち自由技、3回戦は正面打ち自由技指定し出題しました。渡部真、森山あいさ、ハ-ストライアン、加藤文保、小林郁夫、赤田文彦6名により演じられ、ハ-ストライアンが優秀演武賞を受賞いたしました。
 これら5部門の競技演武には29名が出場し気合いの入った熱戦が展開されました。

     

 休憩10分の後、神田栄子が佐藤太栄を相手に護身術を演じました。特定の部位の攻撃に対し、技のすべてを同時に使うことは不可能であり、瞬時に相手の攻撃に対応し、二カ条抑え、側面入り身投げ、肘締めから連絡変化し小手返し、呼吸投げ、体をさばき四方投げ、腕がらみ投げ、正面入り身突き、側面入り身投げ、三カ条、三カ条連行法から変化し小手返しなどが演じられました。前からけってきた時の側面入り身投げは多少のぐらつきはあったものの体のさばきがきまり瞬時に投げることに成功しました。
 指導者演武か2会場を使い同時に2組が演武をし、時間短縮を図りました。A会場では山本公治(松江道場)と受けの渡部真(出雲弥山道場)により剣取りがB会場では木村貴之(境港道場)が受けの赤田文彦を相手に短刀取りを演じました。次の指導者演武ではA会場で佐藤太栄(出雲弥山道場)が森山あいさ(出雲弥山道場)を相手に座り技を、B会場では高橋健太郎(出雲弥山道場)が加藤文保(出雲弥山道場)を相手に後ろ両手持ち自由技を演じました。


          

 この後、不遷流柔術盛武館の皆様8名により15分にわたって演武が行われました。①全員による初伝技(磯乃浪、蹴返し、微塵)の型、②初伝技(車輪、鉄粉、反り橋)・・・(捕り)奥村強(おくむらつよし)・(受け)柏井孝文(かしわいたかふみ)、コスチャ-、森脇靖、③中伝技(手絡み、追しころ)・・・三成勉(みなりつとむ)・三島伸、④応用技・・・重良伸一(しげよししんいち)・三成勉(みなりつとむ)⑤武器術(居合い術、杖術、十手術)以上でした。

     

  続いて二組同時に演武を行いました。正面より左側には養神館合気道龍大阪代表の村川真啓指導員と会員の牧野英隆様が賛助演武を行い、右側には島根養神館OBの山村満様とその娘さんの山村秋帆様がファミリ-演武を行いました。御両人は今年4月まで境港道場で会員として活動しておられましたが、残念なことに、満様は本年3月、転勤により家族全員で石川県に転居されました。平成16年9月、境港道場に入門し、平成22年3月2段となりました。秋帆様も平成20年11月には3級となりました。今日は親子で流れ水のような途切れない演武ができるよう頑張りたいと思います、とのことでした
  養神館合気道龍大阪代表の村川真啓(むらかわまさひろ)指導員は合気道歴12年、合気道3段48歳です。東京在住中は安藤先生の門下生でした。会員の牧野英隆様は合気道歴5年、合気道2段になります。養神館合気道の基本に忠実な演武を心がけ臨まれました。
 
     

  この後、道場長演武が二組同時に行われました。正面左側には出雲弥山道場長の板倉敬司が、同じく右側には境港道場長の津森孝弘が演武を行いました。板倉敬司道場長は片手持ち自由技、多人数取りの自由技を演じました。津森孝弘道場長は両手持ち自由技、片手持ち自由技を演じました。

    

  島根支部の最後は支部長演武で支部長の浦尾隆志が板倉敬司・高橋健太郎・山本公治・佐藤太栄・木村貴之を受けに演武を行いました。最初は佐藤太栄を受けに31の杖の組杖を、次に10本の組杖の中から抜粋して3本の組杖を行い、続けて杖持ち自由技をしました。木村貴之を受けに合気の技を3本演じてみせました。次に山本公治を受けに両手で前から突いてきたり、後ろから突いてきた場合に跳ね飛ばしていく技を披露し、受けを変えずに肩持ち自由技に移行しました。板倉敬司を相手に双手取り自由技を演じ、最後に固定した位置で左右の手を双手で持たせ、背中を二人で抱えさせ、4人を同時に投げ多人数取りに移行して演武を終わりました。

     

  演武会の最後を締めくくったのは合気道養神館本部主席師範の安藤毎夫先生の総合解説演武でした。合気道は元来試合がないものであるが、試合がないと興味が続かない、意欲が続かない面があるので試合するのもいたしかたがない。合気道は中心力が大切で安定した姿を現すのが両足の形である。中心に二人を集めることで四カ条を効かすことができると極意を開陳し、受けの二人を相手に左右の手で受けの片手に四カ条を効かせ二人を抱き合わせてお互いが仲良くするのが合気道であると話されると観客の笑いを誘いました。この他にも受けの村川指導員や板倉敬司を相手に木刀や杖などを使い合気道は相手に喜びを与えることが大切であるといろいろ実演されながらユ-モアたっぷりのト-クが展開され観客の気持ちを呼び込んでおられました。気持ちが一つにまとまるのと大きな力が生まれる。島根支部も大部まとまってきましたが、支部長中心にまといまっていただきたい。より多くの方、とりわけお年寄りの方にも親しんでもらうことが大切である旨、演武を通じて訴えられ観衆の共感を得ておられました。最後には「真空の気」を披露されました。技術のみならず気持ちと一体となった一段と次元の高い合気道の奥深い世界を披瀝され観衆を魅了し、多いに合気道を楽しんでいただきました。

     

(三)閉会式
 演武は定刻より15分遅れて、12時15分にはすべて終了いたしました。山陰中央新報社の新聞記者が都合により遅れてこられ、取材のため予定していた最後の休憩を取りやめすぐに閉会式に移りました。審査委員長 安藤毎夫先生による成績発表、 渡部真に対する指導者資格証の授与、演武大会講評などを行っていただき、最後に大会副会長の津森孝弘による閉会の挨拶がありました。「本日は御来賓の皆様方を初めとしてご来客の皆様方には最後までご高覧いただきありがとうございました。選手の皆さんも初めての競技演武で慣れない中、奮闘し良い結果が得られたと思います。関係の皆様方のご協力もあり無事大会が終了し、喜んでおります。合気道養神会は平成23年3月1日には都の財団法人から公益財団法人となり合気道の団体としては国内唯一の内閣府所管の団体として昇格し、ますます発展しております。私どもの団体も来年は創立30周年を迎えますのでそれを記念して合気道養神館宗家館長塩田泰久先生をお迎えし盛大に第9回演武大会を挙行したいと思っています。今後とも変わりませずご支援ご協力をよろしくお願いしたします。本日はありがとうございました。」最後に大会実行委員長の板倉敬司により閉会の辞があり国旗に礼をして演武大会は滞りなく終了しました。
  ここまでのところで12時30分にはあと5分残っていました。すぐに大会参加者の記念写真を撮りました。撮影終了後は会員と保護者は観客席で、来賓の方は来賓控え室で、安藤師範・龍大阪・不遷流盛武館、道場長は和会議室で昼食をとっていただきました。来賓の方は昼食後は流れ解散とさせていただきました。会員は昼食後は午後1時30分から安藤先生による講習会を3時まで行いました。
(四)講習会
 二日日の講習会は演武会の参加者全員の他不遷流柔術盛武館の方8名が参加しました。県立武道館の会場は広く十分余裕がありました。講習会の内容は今回は基本技を中心になされました。最初に構えをやりました。後ろ足を縦、横にしてその違いから安定感を確認するというご指導がありました。
  片手持ち四方投げ(一)は手で倒さないで、手の力を抜き仕手が下方に身を沈め重心をのせて倒すということを教わりました。正面打ち1カ条抑え(二)では軸を決め、相手を見ないで回転することを教わりました。他に片手持ち二カ条抑え(二)、正面打ち正面入り身投げ(二)、呼吸法(二)をやり、終末動作(二)をやって終了しました。最後に誰いうことなく大会の成功を祝い拍手がわき起こり、主催者として感極まる場面もありました。
(五)終わりに
 県立武道館という恵まれた会場のもと参加者数、大会の内容、進行など共に昨年以上の成功を収めることができました。昨年の演武大会は終了時間が30分も延長するということがありましたが、今回は時間短縮の方策を考え時間以内にすべて終了するよう万全を期し予定通りの進行が図られたように思います。来賓の接待や受付のあり方など今後に課題を残していますが、さらに改善し、よりよい大会を目指していきたいと思います。
  安藤毎夫先生や村川真啓指導員には島根養神館のために、ご多忙中にもかかわらずご来県ご指導、ご協力を賜り、ありがとうございました。またの来県を願い出雲空港より安藤毎夫先生のお見送りさせていただきました。山村様ご一家は遠方からご苦労さまでした。
  最後になりましたが、ご支援、ご協力をいただいた関係の皆様方には、厚く御礼申し上げ大会報告とさせていただきます。
                                                                       (文責 浦尾隆志)