栄光のSINGERミシン
その11

18シリーズ

●今はなきシンガー日鋼でも18Uとして生産されていた。日本ではTFの名でコピーが生産されている。


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一本針/二本針本縫いシリンダーベットミシン(半回転釜、カム天秤)

基本は下送り、詳細はサブクラスによって異なる。最高回転数は800〜1800rpm

写真は18-36、二本針ショートベットである。


基本的に17をひっくり返したミシンである。 昔「左利き用のミシンだ」と語った方もいらっしゃったようだが、そうではなさそうだ。

一般皮革/靴の縫製を意識して作成されたようだ。結果として靴業界でのみ生き残った。

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パフ社が発展系を製作していた。天秤も専用のものであるところがなかせる。カム天秤なら簡単なのに。この機種には下車輪送りがあった。逆送りが出来ないのでタックを入れたいときは必殺技「押さえ上げて2〜3針戻して縫い直す」をやらなきゃぁならない。この技、早い人はすごく早い。自動バックタックなみっ!

使用される釜は剣先の長い(ロングビーク?とかってカタログに書いてあったようなきが)独特の釜を使用し、縫い性能を確保している。

しいて欠点を挙げれば生産性の悪さか?回転数はその構造上あまり早くはなかった。 またその釜ゆえボビンの糸巻き量は必ずしも多くない。量産ベースの仕事ではポストベット左釜仕様に取って代わられた。


左ミシンゆえ使える工程は限定される。しかし逆に言えばこれじゃあなきゃぁ縫えない工程が存在している。それゆえこの機種が滅亡することはないであろう。17がなくなろうが18は不滅である



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