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学校図書室〜市川の場合

[2004.1/30]
 徹底して児童や先生に利用される学校図書室、決して綺麗ではないけれど、ここの本たちは、そして図書室はとても嬉しいのだと思います。
 小中学校図書館と公共図書館がネットワークで結ばれ、本たちが絶えず行き来し、欲しい本がどっと集まる、全国でも最も進んだ市川市のネットワークシステムの現場を見てきました。
 島根の小中学校の子供たちにも、おじゃました鬼高小学校の子供たちのような環境を作ってやりたいものと思います。

一日中利用される図書室
 「子供たちはどうでしたか」、当然のように尋ねられ困惑。
 最初に訪ねた市川市立中央図書館で、私の訪問目的に応えて頂くため、急遽助っ人に現れた教育センターの指導主事の開口一番でした。
 まだですという私に、「今日はもう授業は終わる時間ですから授業風景は見れませんね」とのこと。ネットワークとともに市川の読書活動のもう一つの柱が学校図書館を中心とした学校の教育機能の拡充、その最高の実践事例が鬼高小学校ということのようです。

 この指導主事、女性で中学校の先生、教育センターに来て9年になるとか。・・・現場に戻って子供たちを教えることができますかね?と言っていましたが、どうしてどうして、とても優秀で熱心、魅力的な方でした。全小中学校のカリキュラムを管理し、図書室の本が有効に活用できるよう調整までするのですから。
 さて、鬼高小学校、話を聞くとなるほど、この学校の図書室、一日中利用されているんです。3クラス、4クラスが同時に調べ学習、総合学習、読書学習など、図書室で授業を行っているとのこと。子供たちも同学年であったり異学年であったり。
 恐らく、わが県のほとんどの学校図書室は普段鍵がかかっていると思いますが、ここは違うのです。
 また、子供たちは授業参観していても全く気にすることなく図書室での学習に集中しているとのこと。ですから、当然のようにあの開口一番が発せられたのです。

生活の中に生かされる図書室
 近いから歩きますと何回も固辞したのですが、館長自らのご案内・軽のポンコツ箱バンという奇妙な取り合わせで小学校まで送っていただき、校長先生と教務主任、ベテラン図書館員からお話をお聞きしました。・・・残念ながらやはり下校時間が過ぎていて子供たちの姿はほとんどありません。
 図書館員16年のKさんは、16年間の教員暦を持つパワフルな女性です。迸り出るような彼女の話に圧倒される思いで耳を傾けました。
 毎時限何クラスもの児童があふれる図書室、毎時限教科に関連した読み聞かせを行う図書館員、作家を招いての読書祭り、前後の読書活動、運動会でも調べ学習、情操を育てる読み聞かせ、短歌から百人一首、キーワードでメーリングリストにUPすれば他校から、公共図書館から何十冊の必要な本が集まる、それが週2回巡回、上級生が下級生にアドバイスするインターネット検索、最後の手段、そして印刷せず書き取るインターネット情報、上級生によるどんどん発展する読み聞かせなどなど、「生活の中に生かされる図書室」との目標が現場に息づき、学習情報センターとして最高に機能する図書室。
 児童のいない図書室でしたが、日頃の活気が伝わる、恐らく、全国でもトップレベルと思える図書室でした。
 素晴らしい図書室誕生のキーワードは、行政、校長、司書教諭をはじめとする図書室担当教員、そして専任の司書(図書館員)、予算もありますが結局は人。

時給900円
 市川市では全ての小中学校に図書館司書が置かれています。もっとも、正職員はわずかで殆どは嘱託。資格はと聞くと司書か教員資格保持者。鬼高小学校の図書館員は嘱託、週3日、一日8時間で報酬は財政健全化の取り組みで7200円に減額され、年間100万円余とのこと。
 それでも校長先生が仰るには、休みの日も何かといっては学校に来ていますとのこと。ボランティアに近い世界です。
 
比率逆転
 それにしても、司書を配置する、ネットワークを構築するとなるとやはりお金です。市川市は自主財源が72.8%、島根県は依存財源が72.8%、まるっきり反対です。市川の地方交付税は0.3%・・・・・・・・・・三位一体の改革、痛みを実感しようがありません。出来て当然・・・・なのかもしれませんが、それでも財源確保のために知恵を絞り苦労している様子。
 鬼高の子供たち、大人になっても豊かな人生を過ごせるでしょうね。大人が少々苦労しても、島根の子供たちにも豊かな未来を約束してやりたいものです。

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農家のおばちゃんが図書館に
 市川に行く数日前、昨年10月にオープンした斐川町立図書館に行ってきました。
 詳しい話は後日に譲るとして、見るからに農家のおばちゃんが6〜7冊の本を返し、今日はこれこれの本を借りて帰ろうと図書館員と話していました。館内には他にもそういった方が何人も。捨てたもんじゃないですよ、島根も。
 田舎の町に文化の拠点、きっとこれから厳しくなるのでしょうが、心の中で頑張れとエールを送りました。
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