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2月議会一般質問と「喪失の国日本」

[2006.3/6]
 2月議会、代表・一般・一問一答を含めて38人中23人が質問に立つという、近年まれに見る議会です。
 私は、質問戦も4日目という、いつもならほとんどの項目が重なってしまうような順番でしたが、シンガポール訪問で感じた教育問題を中心に取り上げましたので、結構ユニークな質問になりました。終わってから数人の方が控え室を訪れ、とてもいい質問だったと言ってくれたのは嬉しかったですね。
 しかし、その夜、半分残っていた「喪失の国日本」を読み、いささか浅薄だったかと少し悔いが残りました。
【いささか空虚】
 今回の一般質問は、先頃発信したミニ通信「シンガポールの教育事情」に沿った内容を中心に行いました。
 教育問題では、日本の現実とシンガポールで学んだことを述べ、教育指導の方針である"Teach Less Learn More"、教育現場への競争原理導入と管理職の裁量権拡大、懲罰のあり方と規範意識涵養、コミュニケーション能力・表現力の育成、国際化に対応した英語教育について教育長に、島根教育の目指すべき姿と厳しい財政状況下における教育のあり方ついて、知事・教育委員長に所見を求めました。
 また、リー・クアン・ユー氏が行う国づくりは、人口減少と非常に厳しい財政と言う二重苦にある本県の将来をリードするリーダーのあり方に、大きな示唆を与えているのではないかとの思いから、知事に確たる島根作りをリードするリーダー像について所見を求めました。
 現在、委員会で学力問題への対応等、精力的に調査している最中であり、突っ込んだ議論は別の場でと思っておりましたので、あえて、所感を求めたのですが、島根の隅々まで素晴らしい教育が行われているかのように聞こえる答弁で、いつものことながら、いささか空虚です。
 その他、学校の耐震化について、教育との関連からニート・フリーター対策について、少子化対策について取り上げました。

【意外な出会い】
 二晩で読んでしまった「喪失の国・日本」ですが、シンガポールで一読を薦められた一冊です。
 この本を薦めた方は、国際化への対応のため日本の英語教育充実を直訴してくださった方ですが、シンガポールの高島屋の地下2階、エレベーター前のドリンクコーナーでジュースを飲みながらのことでした。
 この本が世に出るきっかけも稀有なものですが、素晴らしい一書との出会いも不思議です。
 インド人、M・K・シャルマ、エリートビジネスマンとして1年8ヶ月、彼の日本での体験が滑稽に軽妙に語られ、やがて日本の精神文化の深層がえぐり出されていきます。

【浅薄】
 彼は、インドに帰ってから辺境の砂漠の町で細々と貿易の仕事をしているとのことですが、シャルマジー(ジーとはさんとのこと)の生き方を通して、もう一度原点に帰って全てを考えてみなければと思い直したのです。
 教育がダッチロールしているように見えます。結局人と言う原点、人とは何か、人は何のために生きるのか、どんな人生が幸福なのか、そこに根がついていないのかもしれません。
 さまざまな教育論があり、日々発生し変化する事象があります。そうしたものに目がいき、惑わされ、見据えなければならないものが霞んでいたのではないかと反省致しました。
 例えば今、私の頭の中で、心の中で明滅するものがあり、形になっていそうですが、まとまった言葉として、自分の論として形になりません。それではいけないのか。人が幸福に生きるためには形にしなければならないのか。論理として展開できなければならないのか。もっとも、シャルマジーは、全てを説得力ある論理として語っていますが。
 シャルマジーは、日本人はインドでのビジネスに成功できないだろうと言っています。相手を理解しようとしないからです。そういえば、中国でも、あのトヨタ自動車が"覇王"というRV車を数年前に発売したそうですが、中国を理解していたら決してそんな名前にはならなかっただろうと書いた親日中国人がいました。
 根っこは全て共通していると思います。薦められた「喪失の国・日本」を読み終え、国際社会の中で通用する日本人を育てなければ、と言った彼女はそれを訴えたかったのではないかと思いました。
 質問の中で述べたこと、所感を求めたことは、問題意識として決して間違っていたとは思いませんが、底が浅かったように思っています。

【ガルブレイス先生の礼賛】
 こんなことを書いていて、毎日新聞に掲載された「ガルブレイス先生の礼賛」を再び思い出しました。もう一度原点に立ち帰って島根教育を論議したいと思います。
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