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2007年9月議会一般質問と答弁

[2007/9/26]
 今議会最大の焦点は、財政健全化方針(案)ですが、本当に限られた選択肢の中であり、論議も湿りがちに思えます。
 こんな中ですので、どうしたら島根は、島根県民は元気になれるのか、そんな思いで一般質問に立ちました。
 ※知事答弁は、要点であり正確なものではありません。

一.財政健全化について
  1500人削減への道筋、退職勧奨、新規採用の考え方について
  選択と集中、必要事業の確保について
  県民の命を守るという視点での施策採択と執行について
  県民との協働について
二.情報産業の振興について
  若手検討グループの提言について
  中堅職員を活かすことについて
三.文化振興について
  高総文祭の成果と反省点について
  高総文祭後の方針について
  文化芸術振興に対する所見について
  文化振興条例の制定について
  文化ファンドについて
  文化振興における協働について
  地域SNSについて
  読書環境整備について
四.隠岐の大雨災害について
  緊急対応への現状と対策について
 質疑内容は下記の通りです。それぞれ文字色で私の質問知事答弁関係部長・教育長答弁がわかるようになっています。
 質問の第一は、財政健全化についてであります。
 先般議会に示された財政健全化基本方針(案)についてでありますが、この厳しい現状を乗り越えるための方策については、我々に残された選択肢は非常に限られていると考えますので、基本的には、この方針(案)にそって着実な取り組みを進めることが必要であろうと考えます。
 その上で、何点かについてお尋ね致します。
 最初に、あるサイトに「1500人の人員削減計画どう思う?」とのトピックが立ち、様々な意見が投稿されました。その中に下記のような意見がありました。
 自分自身が若いというのもありますが、職員を削減するならば定年前の方に退職して頂いて、その方たちにボランティアOBとして県政に関わって頂ければ…という想いが強い。財政難もそうだが、島根に雇用の場が少ないのも事実。ただ地方自治法に守られているのでクビキリというわけにはいかないですもんね…
 退職時期が近くなった方々は退職後、行政に無償で参加する意思はないのでしょうか?自分たちの子どもや孫たちに少しでも明るい未来を…と本気で考えられるのであれば、是非早期に退職して頂いて、ご自身が給料として稼げたはずの数百万円を島根県に寄付するくらいの誠意を見せて頂きたい。
 財政逼迫の原因は三位一体改革にあるが、これまで交付税という打ち出の小槌に頼ってきた島根県にも非があると思う。
 結局、年配者と若者の痛みわけとして、早期退職と採用数減は少なくとも同時に促されるが、経常収支比率が高い島根にとっては止むを得ない。というもの。
 このトピックへの意見には、民間ならもっとという厳しいものから、県職員の活躍を紹介する穏当な意見まで幅広いものでした。
 この意見は、その中では穏当な方で、ある意味では私にも共感できるものでした。県庁内にはこのような思いが潜在しているのではないかと思えます。このような思いに対する感想、1500人削減への道筋、退職勧奨、新規採用の考え方についてお尋ねします。
 厳しい行財政改革が迫られる中、職員の定員削減などを目の当たりして、「定年前の職員は、早期に退職して、ボランティアとして県政に関わってはどうか。」という一つの意見を聞かせていただいた。
 若い人が、退職を間近に控えている職員に対して、財政健全化のために姿勢を示して欲しいという気持ちの現れだと思うが、定年前職員の個々人の考え方や生活の間題もあるので、現実には難しいことではないかと思う。
 島根県が直面している厳しい状況を乗り切るためにも、今こそ、世代を問わず全職員一丸となって、行財政改革に取り組まなければならないと考える。
 現在、平成十五年からの十年間で、教員・警察官等を除く一般行政部門の職員を中心に千人を削減する計画に取り組んでおり、平成十八年度末で約五百人達成している。
 この度公表した財政健全化基本方針(案)においては、更に五百人程度の追加削減を行うことを目標としている。
 合わせると、今後十年間で(平成二十年度からの十年間)、千人程度の削減が必要となるが、追加削減は、今後の徹底した事務事業の見直しによる業務量の削減や組織の見直しにより実施する。
他方、今後、団塊の世代の大量退職を迎えるため、多い年では年間200人前後の退職者が見込まれる。 このため、一定程度の新規採用は行っていく必要がある。
 毎年度の具体的な新規採用者数は、事務事業の見直しによる業務量の削減状況や退職者の状況等をみながら、検討していく。
 今後4年間で公共事業を更に3割削減、一般施策経費半減という非常に厳しい目標が示されていますが、1500人削減となれば、選択と集中をしっかり進める中で達成する必要があると考えますが、その点を確認したいと思います。また、そのような中で、本当に必要な事業が確保できるのか。この三年間は、別枠で産業振興予算確保という考え方で進んできましたが、今後の手法とあわせ必要事業の確保について所見を伺います。
 今後、県民には相当痛み増すであろうと思いますが、最も基本である県民の命を守るという視点で、施策採択と執行についての考え方をお尋ね致します。
 職員定員削減計画の上乗せに際しては、事務事業について、徹底的に見直しを行うこととしている。
 事務事業の見直しに当たっては、全体として歳出削減を行う中にあって、 活力に満ちた島根を築いていくため、真に必要な施策については、予算の重点配分を行う。
 また、「県民の命を守るという視点」についての御指摘があったが、私はこれまで、県内各地を回り、また、様々な方からお話を伺う中で、医療・福祉など、安全・安心な県民生活の確保は非常に大切な事柄であると改めて感じているところである。
 歳出削減を行う中で、予算の重点配分をどのように行っていくかという具体的な方策については、毎年度の予算編成を通じて決定してまいりたい。
 次に、改革の視点として掲げられた県民の総力結集、市町村、県民との協働についてであります。
 今朝の新聞には「県民いきいき活動促進事業」での質の高い事業採択の報道もされ、意識の高まりを感じているところです。現場が少ない県であり、県が執行する事業という点では協働もなかなか難しいと思いますが、県民との協働について、現状認識をお尋ね致します。
 まず、県民との協働についての現状認識についてであります。
 県民をはじめ事業者やNPOなど様々な主体との協働は、複雑・多様化する県民ニーズに的確に対応できる有効な手段と考えております。
 また、様々な主体が協働することにより、相乗効果が高まり、行政が単独で行う以上の力を発揮することができます。
 このため、平成17年度には 「県民との協働による島根づくり事業」を創設し、これまで97件、約1億円強の協働事業を県民、NPO、事業者党の民間団体と一緒に実施してきたところであります。
 この協働事業により、災害時のボランティア活動がスムーズに行われるためのマニュアル作成や、利用者から高い評価を受けている「どこでもバスブック」が誕生するなど、民間との協働事業ならではの成果も生み出されているところです。
 また、平成18年2月には「県民いきいき活動促進基本方針」を策定し、県民との連携・協働による行政の推進を主要施策の一つに掲げ、県民いきいき活動促進委員会の設置など協働を推進するための体制づくりや県民協働事業の実施など地域活性化のための環境づくりを進めてきたところであります。
 今後とも、県民の皆さんはじめNPOなどの様々な主体との連携・協働を積極的に進めてまいります。
 先日、松江市ボランティアセンター内に松江地域振興予算ゼロ課が立ち上げられました。新聞でも報道されておりましたので、詳しくは申しませんが、まさに民間主導で、報酬ゼロ、定年なし。
 報酬があればそれだけの仕事しかできない、報酬ゼロなら幾らでも可能。報酬は皆の賞賛というコンセプトです。
 厳しい財政健全化への道筋の中、将来への希望を見出しにくい現状を打ち破り、将来への展望を見出す力こそ県民の総力結集であろうと思います。そういう意味でも、予算ゼロ課のような動きをどんどん加速させたいものと思いますし、しっかりと支援する必要があると思います。
 今後の県民の総力結集、県民との協働はどのようなイメージを持って進められるのかお尋ね致します。
 近年、県内では、行政だけでは解決できない課題への対応や、きめ細やかなサービスの提供など、幅広い分野において、自主的・自発的に活動を展開する様々な団体等の活躍の場が広がりつつある。
 財政の健全化を進める上では、行政の守備範囲を点検し、民間が行いうる事業は、民間に委ねていくという視点が重要である。
 また、多様化・高度化する県民ニーズに的確に応えていくために、新たな「公」の担い手である様々な主体との連携・協働が不可欠である。
 様々な主体が、互いの長所や強みを活かし、相乗効果を高めることで、単独ではなしえない力を発揮することができる。
 財政の健全化に向けた改革のただ中にあって島根全体の活力が失われることがないよう、私は、県民の皆様の総力を結集し、活力に満ちた島根を築いていくために全力を尽くしていく。
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 質問の第二は、情報産業の振興についてであります。
 知事は、所信表明において、改めて若手職員に大きな期待を寄せられています。
 先日、県のホームページのトップページが一新されました。なかなかよくできていると思いました。これも若手職員の提案が基になったようですし、そのすぐ後、やはり若手職員による「ソフト系IT産業誘致等検討グループ」が知事に最終提言を提出しております。
 私も一読させて頂きましたが、練度が今一と思えるもの、できれば凄いけど、できるの?というものもあるように思いました。
 しかし、企業立地促進助成金事業の見直しやソフトビジネスパーク分譲下限面積変更、Rubyヒルズ構想、RubyなどのOSSに特化した県立大学情報工学部設立、県職員パソコンのLinux化などなど、私としても大いに刺激を受ける内容で、若手職員の気持ちが伝わってくるものでした。
 この提案、是非実現させたいものと思い、ある情報関係の方に一読していただき、感想を求めたところ、島根のイメージに「情報が漏れにくい」を追加、民間サポーター制度に企業誘致への貢献度を数値化し成功報酬、大都市圏の県人会にITサロンを作って情報交換、通信回線1GB、回線速度はあまり魅力ではない、それよりも舞台を作ることが重要、是非とも情報工学部の設置をなどなど、非常に具体的で的確なアドバイスが返ってきました。
 現在、産業活性化戦略会議には情報産業部会が設置され、検討されていますし、庁内の検討会も設置されていますが、この提案とのタイムラグもあります。特にスピードの速いITの世界であり、できることはすぐやるスピード感が必要だと思いますし、広く県内外の関係者を巻き込んだ活発な議論を期待したいものだと思います。
 この提言に対する知事の感想と、今後の対応、産業活性化戦略会議提言との整合、関係者からの意見聴取についてお尋ね致します。
 「ソフト系IT産業誘致等検討グループ」による報告書は、若手職員が通常業務をこなしながら、2ヶ月という短い期間でまとめてくれた。
 若い人ならではの柔軟な発想があり、よくできているとの感想を持った。
 ここでの議論も踏まえ、若手職員からの提言内容については、長期的な課題と短期的な課題とに整理しながら、実現の可能性をさらに見極める必要があると考えている。
 情報産業の振興については、産業活性化戦略会議のIT専門部会で議論をいただいているところであるが、今回の若手職員からの提言内容については、この専門部会でも報告したところである。
 今後、IT企業など関係者からの意見もいただきながら、ソフト系IT産業の誘致等について、実効性のある具体策を考えていく。
 若手職員にスポットが当たっていることに関連して、若手職員だけにスポットが当たっているような印象や、組織のフラット化による弊害によって、中堅職員には沈滞したムードがあるようです。上がどさっと辞めればまた彼らの立つ瀬もあるかもしれませんが、現状での閉塞感払拭は困難のように映ります。
 庁内一丸となって困難に立ち向かうべきときにあって、組織全体としてうまく機能させることが求められていると思いますが、中堅職員を活かすことについて、所見を伺います。
 中堅職員については、豊富な行政経験や専門的知識に基づき、県の組織を支えてもらうこと、また、若手職員の良き相談相手としての役割を期待している。
 中堅職員が意欲を持って、仕事ができるようにするためには、内部で自由闇達な議論をし、風通しの良い柔軟な組織づくりが必要である。幹部職員以下組織内での意思疎通に努め、そのような環境づくりに努めていく。
 また、フラット化・グループ化した組織においては、 中堅職員に、グループワーダーの補佐や後進の指導について、十分な役割を発揮してもらう必要がある。御指摘の点も含め、中堅職員が》〕の役割を十分発揮できるようにしなければならないという問題意識は、私どもも持っている。
 このため、研修等を通じた動機づけを行うとともに、フラット化・グループ化について検証を行い、より良いシステムとなるよう見直していきたいと考える。
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 質問の第三は、文化振興についてであります。
 7月末から5日間、大会史上初めて、皇室からのご臨席を仰ぎ、全国高等学校総合文化祭が開催されました。
 ここ松江の地でも、高校生の姿があちこちで目につき、華やいだ雰囲気はとても良かったと思います。
 教育長はこの高総文祭に99.7点をつけていらっしゃいました。私も開会式を始め、いくつかの会場を見て回る中で、とても高校生のレベルとは思えないような作品や、演技などに触れ、厳しい財政の中だったものの、開催して本当に良かったと感じ、100点に限りなく近い成果であったと確信しています。
 最初に、今大会の成果と反省点について、特に、生徒の視点、先生の視点、外部との連携の視点を中心にお尋ね致します。
 全国高等学校総合文化祭島根大会の成果と反省点についてであります。
 大会は全国から約一万九千人が集い開催されましたが、生徒にとって全国レベルの作品や活動を実感すると共に、こうした大会をやり遂げたことで大きな自信を得たことと思います。また多くの仲間との出会いは大きな財産になったと思います。
 一方、教員にとっても、通常の業務に加え大変でありましたが、準備段階からの高校生の頑張る姿を通して、生徒の力を再認識できた貴重な機会であったと思います。
 また、外部との連携についてですが、これまで地域との繋がりが薄かった高校の文化活動が、校外指導者の活用や地域イベントへの参加を通して社会に認識されるようになったことは今後に繋がる成果でした。
 欲を言えば、もっと多くの中学生にこの大会を見て欲しかったのですが、中学校の行事や会場の収容能力の問題等もあり、大々的に呼びかけができなかったことは残念に思っています。
 教育長は、教育は、徳育・知育・体育の基礎となる豊かな心を涵養すること、という趣旨のことも述べておいでですが、その心を育てるものの一つが文化活動であり、国、地域の文化振興の母体は高校ではないかと思います。
 そのような意味で、ここまで育ってきた中学・高校での文化活動を継続し、支援できる体制の整備、校外指導者や各種団体との連携を更に強化する必要があると思います。
 そこで、お尋ね致しますが、体制の整備として、指導主事の配置や高校文化連盟の体制確保など、県教委としての支援体制の整備、文化国際課との連携強化の考え方についてお尋ねするとともに、各分野の発表の場である行事の継続確保、校外指導者の活用推進、中、高、一般と別々に開かれている文化祭の連携などについて考え方をお尋ね致します。
 今後の文化活動の支援体制及び連携ついてであります。
 指導者や発表の場など、この大会で社会的広がりを見せた活動を継続してさらに伸ばしていく必要があります。このため、教育委員会事務局内に文化活動を担当する教員の配置や高校文化活動の要となる高校文化連盟の活動を確保するための支援について検討することにしております。
 また、現在行っている中学生の文化祭(アートフェスティバル)と島根県高校総合文化祭については、これを県民文化祭と連携できないか課題として認識しております。そのメリットとしては、より多くの県民に中学・高校の文化活動の成果をご覧いただけること、一般の団体の高いレベルに触れ刺激を受けられること、将来の自らの活動への夢を描くと共に後継者育成につながることなどがあります。具体的には学校行事との関連等を考慮しながら、どのような連携が可能か、文化国際課、高校文化連盟など関係団体と協議したいと考えています。
 全国的には、高総文祭の次のステップとして国民文化祭を開催し、県全体の文化芸術振興に取り組んでいくという流れがあります。しかし、わが県にあっては、いくら知恵を使ってとはいえ、現下の厳しい財政状況に20億とも25億とも言われる事業費の捻出は、返って県民生活を圧迫する要因になるのかなあと、非常に残念ですが、思わざるを得ません。
 しかし、大変なご苦労の中で、折角開催した高総文祭の次のステップとして、県全体の文化芸術振興をどう図るかは大きな課題であります。
 そこで、振興の前提として、わが県の文化芸術の現状認識と位置づけについてお尋ねします。
 目指す島根像の一つが「心豊かなしまね」ですが、そのベースともなるわが県の文化芸術のレベルに対する認識をお尋ねいたします。
 本県の文化芸術のレベルを判断することは難しいものがありますが、美術館や文化ホールにおいて優れた文化芸術鑑賞の機会が積極的に提供されているほか、県民の文化芸術活動として、神楽など伝統芸能や合唱音楽や演劇、市民参加ミュージカルなどが盛んに行われております。
 そうした活動の中でも、合唱や吹奏楽は全国レベルにあり、他県と遜色ない文化芸術活動が行われていると認識しております。
 総合計画における70本の主要施策での優先度は下位グループにあった文化芸術振興、今回行われた県民意識調査でもニーズ度が一番低いとの結果です。
 遊びの無いハンドルは事故を起こす元凶の一つ。無駄こそ文化であり、生きる源泉や潤いはそうした無駄の中にあるのではと思います。
 知事の文化芸術振興に対する所見と、島根県の県土づくりにおける文化の位置づけはどうあるべきだとお考えかお尋ねいたします。あわせて、こんな時期だからこそ、文化振興条例を制定し、県民意識の高揚を図ることも必要と思います。条例制定について所見を伺います。
 文化芸術を創造したり鑑賞したりするなど文化的な環境の中で生活することは、人々の変わらない願いであり、心のゆとりや潤いをもたらすもので、文化芸術の振興は重要であると認識している。
本県には神楽や民謡など島根ならではの文化や、合唱、吹奏楽など、全国に誇りうる文化芸術が息づいている。
 私はこうした文化芸術を生かした地域づくりを行うとともに、文化芸術を担う人材育成や県民の活動の場づくりに取り組むなど、県民の多彩な文化活動への支援に努めて、心豊かな島根の実現を目指したいと考えている。
 こうしたことから、また、 文化振興条例のように基本理念を定める条例の制定については、県民の社会貢献活動の推進を図る「県民いきいき活動促進条例」などと同様に、条例制定について広く県民の問で議論され、多くの方々の賛同のもとに制定されることが望ましいと考えている。
 また、本県の文化芸術振興に大きく寄与する文化ファンドですが、運用方法等、見直すべき課題もあるのではないかと考えます。現状と課題についてお尋ねいたします。
 しまね文化ファンドの現状についてですが、最近の助成実績は平成十五年度から今年度までの平均で六十八件、七千九十三万円となっております。傾向としては舞台芸能や洋楽系の事業の割合が多く、若者が中心となって企画される事業や、専門家による指導を組み込んだワークショップなどを取り入れた事業が増えております。
 課題としては、県西部や隠岐地域からの申請が少なく地域的に偏りがみられること、申請時期の問題が挙げられます。
 従いまして活用についてより一層の周知を図るとともに、申請しやすいように募集時期の見直しを行ってまいります。
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 お金がないんだからと閉塞的になるのではなく、知恵を使い、汗をかいて、県民の皆さんや島根への熱い思いを持っている皆さんの力をつなぎ、新しいものを創造していけないだろうか、創造していきたいと考え、この夏、あちこちに出かけ、様々な人たちと意見交換してまいりました。その中で感じたことを少し申し上げたいと思います。
 最初に、究極の協働と思ったのは、最初に紹介した予算ゼロ課。もう一つ出色だと感じたのは大田区まちづくり文化芸術振興協議会、通称ascaというNPOですが、普通に行えば、年間数千万から億という事業を住民の手作りで、かつ、無償で住民に提供していました。(例、多摩川アートライン・プロジェクト)やればできるんですね。
 次に、取り組み始めて間がありませんが、市川文化振興財団が進める文化芸術案内人講座。この講座からは、意識を持った人が育ち、住民発の新しいムーブメントが興っていました。
 そのいずれもが、その地域や地域ゆかりの皆さんとの協働を、とてもうまく進めているということで、その鍵は人とネットワークだと感じました。
 この夏、市内の若いアーチストたち13名が、無償で松江市民活動センターのホールを借り、作品発表会を開いていました。そのうちの何人かの皆さんと意見交換したところ、皆さん口々に地域貢献への熱い思いを語っていました。しかし、一方では、既存の団体等への加盟には消極的であり、具体的行動への方法も持ち合わせておらずほとんど手探り。これは大きな課題だと感じました。
 県民との協働という視点では、島根県文化振興財団も先導的、積極的に取り組まれています。グラントワでは、サポーターの皆さんが積極的に運営にかかわり、益田のまちづくり、そして、新しい伝統創造への胎動も感じました。
 また、県民会館では、東京公演が大成功した「愛と地球と競売人」や、「しまね映画塾2007」など、ワークショップ形式の全国に誇れる取り組みもあります。
 「愛と地球と競売人」の東京公演も鑑賞させていただき、鑑賞された皆さんの感嘆の声もじかに聞くことができましたし、お邪魔させていただいた「しまね映画塾2007」では、子供から高齢者まで、特に青年たちの情熱に触れ、教育長ではありませんが、島根の青年たち、捨てたもんじゃないと思いました。
 余談ですが、「愛と地球と競売人」の東京公演では、知事自ら2回の公演にホストとして参加され、お客様と積極的にかかわっていらっしゃいました。現場を大切にする知事の姿勢が伝わってまいりました。
 元に戻し、質問でありますが、文化振興における協働の現状についてお尋ねします。
 文化振興における協働の現状についてであります。
 議員御指摘のように、島根県民会館やグラントワで行われているほか、県内各種文化団体との協働により県民文化祭を開催している、ところです。
 文化の担い手は、県民一人ひとりであると考えており、県としては県民の活動を支援して、県民との協働による文化の振興をより一層進めてまいります。
 また、協働の要は人ですが、この人づくり、市川のような取り組みも大いに参考になると思いますし、市町村との連携の中で一緒に進めていくようなことも考える必要があると思いますが、この分野における、今後の協働の進め方についてお尋ねいたします。また、知事もその力に期待している若い皆さんですが、どうネットワーク化し、一緒に新しいものを生み出していくのかが課題と考えます。その方策や考え方をお尋ねいたします。
 次に、協働による人づくりや若い人達のネットワークについてであります。
 議員御指摘の映画づくりのノウハウを学ぶ「しまね映画塾」のほか、ライブ・コンサートの企画運営を学ぶ「サウンドライブしまね」、あるいは「いわみ合唱塾や舞台塾」などにより、文化を担う人づくりに取り組んでいるところであります。
 このような文化について学び、語り合う場は、同時に参加者のネットワーク化を進める機会を提供する場ともなることから、今後とも事業を継続し、より多くの県民に参加をいただき、ネットワークの構築を推進してまいります。
 二つのワークショップ形式の取り組みをこの目で見て、次へのステップを考える時期ではないかと思いました。ひとつは、県民主役への更なるシフト、もう一つは、ステップアップについてであります。
 島根の誇るべき二つの大きな財産、今後どのように育てていくお考えかお尋ねいたします。
「あいと地球と競売人」と「しまね映画塾」につきましては、島根の音楽や演劇あるいは映像文化を支える人材を育て、また参加者のネットワークと文化の裾野を拡げる貴重な事業であります。
 今後とも、こうした活動を継続していきながら、より県民が主体となって取り組めるよう、また発表機会を増やすよう努めてまいります。
 もう一度協働に戻りますが、協働のもう一つの要は、ネットワークであろうと思います。
 姫路で地域SNSを運用する方が、既存コミュニティが蛸壺化している。地域振興の鍵は、人のネットワーク化がどう図れ、どう広げられるかだと。その中から新しいコミュニティが生まれ、新しいネットワークが生まれると話していました。
 20年、30年かかってやっと作ることのできる人のネットワークが、ITによって半年、1年で可能になります。その有効なツールとして、今、地域SNSが注目されているのではないかと思います。
 例えば、一人ひとりの県職員にはこれまでの蓄積によって凄いネットワークという財産がありますが、それが、十分繋がり、活かしきれているのでしょうか。個人情報保護の考え方も壁になっています。
 地域SNSは、有機的にそれをつなげる有効なツールにもなりうるものです。
 松江市でも、総務省の事業採択を受けて実証実験が始まろうとしています。地域振興の鍵となる新しいコミュニティづくり、そのツールとしてしっかりかかわり、支援していく姿勢が必要と思います。文化振興を図る上でも、有効なツール足りうると考えます。地域SNSに対する見解をお尋ねいたします。
 地域SNSは、ネット上で日常的に日記や電子掲示板として利用したり、行政情報、地域情報などを入手することができる地域向けの交流・情報提供サービスであります。
 議員御指摘のように、ネットワーク化の有効なツールとなりうるものとは思いますが、文化振興を図る上で地域SNSをどう活用できるのか、今後研究したいと考えます。
 文化芸術振興の最後に、公立図書館、学校図書館についてお尋ねいたします。
 先日、学校図書館ネットワーク事業に携わる方から、今年度からこの事業を始めたある町の実情をお聞きいたしました。その方は、弾もこめずに鉄砲を撃てと言われているようなものだと言っていました。
 中学校が1校、小学校が3校ある中山間地に位置する町ですが、私も実情をお聞きしたいと、この事業にかかわる民間の方からお話を伺いました。
 その方は、図書の寄付などがある小学校はまだいいですが、中学校は惨憺たる状況。本気で蔵書を整理しようとすれば、書架1基分にもならないと。
 教育長に整理していいかと尋ねたら、図書標準もあるからそこまでしてもらったら困るとおっしゃったとのこと。
 私は第三者ですから、開き直ればいいのにと思いますが、現場の責任者で、お上を抱える教育長の思いも良くわかりますし、窮乏にあえぐ町の苦労も良くわかります。
 休日でしたので、学校にはお邪魔できませんでしたが、町立図書館に寄って見ました。すばらしい施設と環境の図書館ですが、年間の資料購入費をお聞きしたら130万円。恐らく、本好きの人であれば、一人でこれ以上に本代を使う方がたくさんいらっしゃると思います。
 この町立図書館から、毎月200冊、中学校に団体貸し出ししているとのこと。町のほうでは、団体貸し出ししているからいいだろうと仰っていると。
 総合学習や、調べ学習はどうしているんでしょう。
 このような現状もある文化の基盤、図書館ですが、人の豊かさを支えるべき本県の知育のあり方について、中でも読書環境整備について、知事のご所見をお尋ねいたします。
 近年、大人も子どもも読書離れの傾向があるといわれているが、読書は、読む楽しさだけでなく、自分が直接経験できない体験ができ、また、知識を身に付け、人間性を高めることにつながる意義深いことと考えている。
 人格形成期の子どもはもとより、生涯学習の観点からも、学校図書館や公立図書館は、読書を推進していく上で、重要な使命を担っていると認識している。
 読書活動につては、 現在、学校では朝読書など、読書習慣を身に付ける取組がなされていると承知している。
 読書やボランティアによる読み聞かせの活動、図書館では読書会、また、家庭では親子学校図書館がこうした活動も含め、子どもたちが本を読むことの楽しさを味わい、読む習慣を身に付ける場となってほしいと願っている。また、地域の図書館も読書活動の拠点としての機能を十分に果たし、地域の知的拠点として、様々な情報の集積と活用の場となるよう期待している。
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 9月1日、2日に続いて、23日、24日の両日豪雨災害に見舞われた隠岐の島にお邪魔し、土石流のあった細い谷や、がけ崩れの現場などを見て歩き、西ノ島では町長とゆっくり話をしてまいりました。
 最初に、被災された多くの皆様が、隠岐というすばらしいコミュニティに守られる中で、とても前向きで元気な姿に接することができました。却って勇気付けられるようだったことを紹介します。
 お邪魔して特に気になったことがありました。それは、厳しい財政下、ぎりぎりの行財政運営を続ける町において、昨日の代表質問でもあったマンパワーへの懸念や、二次災害への対応等、必要とされるであろう事業への対応の厳しさを実感したことです。
 今回の被災箇所で緊急に対応すべき案件と思われるものにおいては、災害復旧事業、緊急事業として国・県事業の採択になるものばかりではないようであります。
 厳しい行財政の中で、特に土石流やがけ崩れなどによる二次災害の恐れがある箇所について、町単独事業になることが想定されるような案件も含め、県民の命と生活を守るという緊急対応が十分できるのか懸念しております。現状と対策についてお尋ねいたします。
 土石流やがけ崩れなどによる二次災害の恐れのある箇所の現状と対策についてお答えいたします。
 今回の災害で、河川に堆積した流木を含む土砂の撤去や、決壊した箇所の土のうによる補強や嵩上げ、がけ崩れ箇所の土砂の撤去など、応急対策を行っております。
 また、特に危険な箇所については、土石流発生監視装置の設置も行ったところです。
 土石流やがけ崩れなどにより家屋等に被害が発生し、さらに二次災害の恐れのある箇所については、緊急な対策が必要であり、災害関連緊急砂防事業などの採択に向け、現在国と協議を進めているところです。
 また、補助事業で採択されない箇所のうち、保全家屋が五戸以上ある場合は、県単事業での対応を考えています。
 さらに、保全家屋が五戸未満のがけ崩れ対策については、町が国の補助を受けて行う「災害関連地域防災がけ崩れ対策事業」が採択されるよう、支援してまいります。
都市と地方の格差によって、こうした住民の命を守るという地方自治の一番基本的な役割が、本当に果たせるのかという市町村財政の危機的な状況について、与党の一員として、政府及び、国会議員にしっかり訴えたいものと改めて言い聞かせました。
知事は、市町村財政の危機的な状況にどのような感想をお持ちか、お尋ねいたします。
 地方税収が伸びない中で、いわゆる地財ショック以降の地方交付税等の削減により、県内市町村の一般財源総額は大幅に減額となった。
 加えて、これまで道路や下水道事業など、遅れている社会基盤整備を積極的に進めた結果、平成十九年度の実質公債費比率が、全団体で起債許可が必要となる十八%を超えるなど、市町 村財政は極めて厳しい状況にある。
 このような財政状況を踏まえ、各市町村では、真に住民が必要とする事業(例えば、災害関連事業など住民の命と生活を守る事業)が実施できるよう、事務事業の見直し、民間委託等の推進、定員管理の適正化や給与の是正など、徹底した行財政改革に取り組んでいる。
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