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2011年11月議会一般質問

[2011/12/1]
 一般質問が終わり、保守系の同僚県議からとてもいい質問だったとの言葉をいただきました。
 現場の生の声をもとにした質問が、一番心に響くのだと。
 お世辞もあったかもしれませんが、一番心がけていることを評価していただき、素直に嬉しかったですね。
 今回の質問は、学校図書館と定住対策に特に力を入れました。
  1. 学校図書館について
  2. 県立図書館のレファレンスについて
  3. 定住対策について
  4. 林業の後継者問題について
  5. 地域主権改革整備法への対応について
 質疑内容は下記の通りです。それぞれ文字色で私の質問知事答弁関係部長・教育長答弁がわかるようになっています。
 質問の第一は、学校図書館についてであります。
 ある普通高校の校長から、退職した先輩校長が、結局教えた生徒をほとんど県外に送ってしまったとしみじみ述懐されていたと聞きました。また、上勝町の株式会社いろどりの社長から、以前上勝では親が子どもに「しっかり勉強しろ。勉強しないと俺のように上勝に残ることになるぞ」と話していたものだと聞きました。その構造は島根でも一緒ではないかと感じています。
 今、その若者を送り出した地域の再生は、ソーシャルビジネスやコミュニティービジネスの興隆が一つの鍵ではないかと感じています。それを創造するのは若い力であり、そうした社会的な活動を推進するには、問題を見つけ出す力や解決する力を必要とします。
 先日、しまね学校図書館活用教育フォーラムが開催され、帝京大学の鎌田先生の講演会に参加させていただきました。先生は、「問題意識醸成力」を培うのが学校図書館活用教育だと話されました。
 また、「高校での学校図書館活用教育の取り組み」分科会での松江南高の事例発表は、問題を見つけ出し解決する力を磨こうとする探求型の授業実践で、今、社会で最も必要とされる力をつけようとする明確な意図を感じました。
 わが県の学校図書館活用教育は高いレベルを目指していると実感したのですが、それは、先日の池田議員の質問、人づくりへの切迫した思いと同じ視点だろうと感じました。
 このフォーラムに結実した成果をどのように評価されたのか、また、その成果をどう発展させるお考えか知事に尋ねます。
  最初は、11月11日、12日に開催をされました、しまね学校図書館活用教育フォーラムについての評価いかんと、こういう御質問でございます。
 このフォーラムには、19都府県から延べ1,200人の方々が参加をされたわけです。学校の先生でありますとか学校図書館の司書の方々、図書館を通じた教育をどういうふうに考えたらいいかと、島根の例なども紹介をしながら、みんなで意見交換をしたり講演を聞くというようなことであったわけであります。教育委員会がこの主催をしておるわけでございますけども、フォーラムが終わった後、アンケート調査などをやっております。参加者からは、島根の取り組み、あるいは島根における図書館の教育における利用の仕方などがわかって参考になったとか、あるいは、島根県の場合は短期間に学校図書館を充実する施策を打ってまいりましたけども、その変化がよくわかったとか、いろんな感想もあったようでございますけども、フォーラム自体がよかったという方が9割を超えると、こういったような状況だったというふうに聞いております。
 私も12日、2日目の午前中に、30分ぐらいでございましたが、県が進めております学校図書館充実のための事業を始めたいきさつでありますとか、あるいは考え方でありますとか、具体的な事業の内容などについてお話をいたしました。それからその後、島根県の児童生徒たちが、図書館についてどう自分たちは利用してるのか、あるいはどういうふうに思ってるのかっていう発表が、たしか4人ぐらいからだったと思いましたが、ありましたが、その子どもたちの意見発表を聞きますと、図書館のことを人と人がつながり合う場所だと。大勢の友達なんかが図書館でたくさん来てますから、そこで話ができたり、あるいは学校司書さんとお話ができたり、人との触れ合いができる場所になってるというふうなことを言っておりました。また、新しい自分が見つけられる場所だと。本などを読むことによって、そういうことを感ずるっていうことでしょうか。あるいは、浮き浮きさせてくれるおもちゃ箱のような場所でもあったということで、子どもたちにとって学校図書館が大切な場所になってきているなあという感想を持った次第でございます。
 今後とも、保護者の方々あるいは地域社会の協力を得ながら、市町村と県が連携をしまして、そして学校の先生たちのお力をかりながら、県民全体として子どもの読書運動が進んでいくように努力をしていきたいというふうに思うところでございます。これにつきましては、議会の多大な御理解があって進んでおるわけでございまして、今後とも御支援をよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 それから、この事業は当面、この効果がどういうことになるのかわからない初めての事業でありますから、とりあえず5年ということでスタートをしたわけでございますが、それについて議員のほうから、今後どうするのかと、こういう御質問でありました。
 あわせて、5年という期間付きで出発した事業であります。現場を回ると梯子をはずされ、また元に戻るのではないかとの懸念を強くお持ちです。半分の期間が過ぎたばかりですが、今までの成果を踏まえ、設定された事業の期限以降の考え方ついて知事にお尋ねいたします。
 その後どうするかということにつきましては、事業の進捗のぐあいでありますとか成果などをよく評価をし、また市町村、学校あるいは保護者の方々などの意見などもよくお聞きして検討すべきものだろうというふうに現段階では考えてるところでございます。そういう観点で図書館の現状を見ますと、先ほども申し上げましたが、人のいる図書館がかなり実現ができているんではないかというふうに思います。他方で、図書の充実がまだ必ずしも十分でないということもありますし、学校司書、司書教諭の配置等につきましても、まだまだ十分でないという意見もあるように思います。そうした課題に当面取り組んでいく必要があろうというふうに考えておるところであります。
 相当定着してきたと思える取り組みですが、授業が専科で進む中学校や高校では、教師間での意識共有が難しく、思うように活用教育が進んでいないと感じています。
しかし、東出雲や松江南高の取り組みは、その意識が変われば、一気に変わることを示していると思います。中学校や高校の学校図書館活用教育の現状をどう認識され、今後どのように推進していくお考えかお尋ねいたします。
 まず1点目でございますが、中学校や高校の学校図書館活用教育の現状についてでございます。
 議員御指摘のように、1人の教員がほとんどの教科を担当する小学校と比べまして、教科担任制の中学校、それから高校では、教員間の意識の共有が難しいということもありまして、学校図書館の活用が十分ではない現状にあるというふうに認識をいたしております。そういった中で、具体的な取り組みを進めている県内の中学校あるいは高校では、学校図書館を活用いたしまして、問題解決のために図書資料等から情報を探し、加工し、まとめ、発信するといった学習過程を通じまして、子どもたちに情報活用能力を身につけさせております。
 例えば、人権問題につきまして自分でテーマを決め、図書資料を検索してまとめて発表する、それを学校全体で取り組むといった事例もございます。また、高校になりますと、例えばインターンシップのための事前学習でありますとか、キャリア教育の一環としての職業大学調べ等々、義務教育段階とは異なりまして、みずからの進む社会を意識した図書館活用教育も行われていると思っております。こうしたことによりまして、情報をまとめることができる生徒がふえてきた、あるいは発表する力がついてきたと、こういった成果も報告をされております。今後、こういった図書館活用教育の充実を、中学校、高校においてもさらに広げていく必要があると思っております。そのために、司書教諭等の研修ばかりではなく、管理職の研修を始めさまざまな研修の機会において、学校図書館活用教育の重要性について理解を深めていく必要があると思っております。
 市町村で育てたい子どもの姿をビジョンとしてもっていれば、おのずと教育行政に真剣になるであろう姿の象徴が支援センターではないかと感じています。
 あるところとないところ、また位置付けもまちまちですが、支援センターの設置推進と機能拡充は、教育委員会の支援担当スタッフの配置とともに、事業の一段の充実には不可欠だと感じています。その状況と認識、市町村の支援機能強化について所見を伺います。
 この学校図書館支援センターでございますが、これは現在のところ県内4つの市、安来市、松江市、浜田市、益田市、この4つの市に設置をされておりまして、基本的な業務といたしましては、その市で所管する学校図書館につきまして、担当者研修の実施でありますとか、図書館を活用した授業への指導、助言、あるいは図書資料の相互貸借、こういったことで学校図書館を支援をする目的で設置をされております。この4つの市とも、それぞれ特色ある取り組みをしているというふうに聞いております。各学校の図書館機能の充実のために大切な役割を果たしているというふうに認識をいたしております。今後、県といたしましても学校図書館担当者研修などを通じまして、市町村教育委員会が行う研修などへ積極的に支援、助言をしていきたいというふうに考えております。
 先日、出雲高校の定時制の文化祭にお邪魔する機会がありました。改めて社会、親御さん、本人たち、学校が抱える大きな課題を感じました。
 それはさておき、意外に思ったことがありました。それは学校図書館です。教室を共有していないということもあるのですが、定時制のための学校図書館があったことです。緊急雇用で措置された方が配置されて随分良くなりましたとのことでしたが、全日制の学校図書館とは比べるべくもありません。
 学ぶ喜びや問題解決力を付けて欲しい生徒たちであり、それを支えるのがインフラとしての学校図書館です。機会の平等はどのように担保されているのか、また、定時制として存続する浜田高校、松江工業の現状はどうなっているのか、今後の考え方も含めてお尋ねいたします。
 現在、全日制と定時制の両方の課程を持つ高校は、県内に松江工業、出雲高校、浜田高校と3校ございます。この3校におきましては、全日制の図書館とは別に定時制独自の図書館を設置をいたしております。ただ、御指摘のとおり、蔵書数は全日制の図書館よりは少ない状況にございます。ただ、定時制の生徒も、3校とも簡単な手続で全日制の図書館を利用できるというふうな規定になっております。実際に利用もされていると聞いております。
 なお、松江工業につきましては、昨年度校舎改築を行いましたが、その際、新校舎に定時制の図書館を整備したところであり、また浜田高校につきましても、現在建設中の新校舎に図書館を整備をする予定にしております。通信制課程の利用も踏まえまして、蔵書の充実も計画しているところでございます。今後とも、全日制課程、定時制課程ともに、生徒の主体的な学習意欲を支援する学校図書館となるように取り組んでまいります。
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 質問の第二は、県立図書館のレファレンス機能の強化についてであります。
 事業化を予定する商品にかかわる資料のレファレンスを鳥取県立図書館に頼んだ県内のある若手経営者が、「鳥取県立図書館!凄すぎる!」とブログに書いていました。
 「様々な論文、所蔵の図書、国会図書館、ネット情報のURLなどからどんどん情報が届いた。一度訪問して2時間の話と電話とメールのやり取りだけでこれだけのものが!これは秘書を持っているようなものだ!なのにお支払したのはコピー実費のみの210円。これは経営者は助かるなぁ!これが日本トップレベルのビジネス図書館か!司書の熱心で親切丁寧な姿勢に頭が下がると共に、実績を出さなければ」との内容です。
 なぜ、島根県民、しかも多忙な経営者が数時間も貴重な時間をかけてわざわざ鳥取県立図書館に?と思うと同時に、島根県立図書館のレファレンスもとても丁寧で専門性も高いので、重宝して利用させていただく私は疑問に感じました。
 鳥取と島根、資料費が圧倒的に違うということは理解していますが、なぜビジネスの最前線にいる経営者が鳥取に行くのか?県立図書館には、島根のポテンシャルを高める人たちに対して、可能な限りのサポート機能を有して欲しいものだと思います。
 このような支援体制は、図書館だけではなく商工セクションにも必要かもしれませんが、こと情報に関しては高い専門性を有する司書であり、島根の将来の創造を支援する体制整備は不可欠ではないかと感じています。
 県立図書館のレファレンス機能をどう評価し、様々な住民ニーズにこたえる方途を模索する県立図書館の在り方をどのように考えていらっしゃるのかお尋ねいたします。
 それから、鳥取県の企業経営者のブログに関連をして、図書館が持ちますレファレンス機能、調査、相談する機能と、こういうようでありますが、それについて島根県の図書館はどうであるかという御質問でございました。
 議員が御紹介になった、この鳥取県の図書館を活用、利用された企業経営者の方のブログも見まして、県立の図書館のほうに、こんな評価もあるけどもどうですかというのを教育委員会のほうが聞いたようでありますが、県立の図書館でも専任の司書が配置をしておりまして、ビジネス支援に関する調査相談、レファレンスに、同様の対応はできるだろうというふうな話もあったと聞いております。それから、鳥取県のほうから、例えば境港市あたりからは島根県の図書館を利用される例もあるというようなことでございました。
 議員も御指摘になったわけでございますけども、島根県立の図書館もレファレンス機能については一定の整備があるけれども、資料ですね、についてはどうかという御意見もございました。私ども、そういう御指摘も参考にしながら、県民の方々の図書に関する調査相談に対応するための資料、あるいは体制の整備につきましての必要性などにつきまして、さらに検討をしていきたいというふうに考えておるところであります。
 質問の第三は、定住対策についてであります。
 冒頭の話ですが、地域でコミュニティービジネスを創出し、持続可能な地域基盤を築くためには若者などの新しい力が不可欠です。
 今、次代を担う子どもたちには、ふるさと教育の推進によってふるさと志向が強まっている。しかし、上勝ではありませんが、子どもの進学や就職に大きな影響力を持つ親世代の愛郷心に課題があると指摘されています。
 最初に、ふるさと教育の子どもたちへの取り組みと成果についてお尋ねします。また、親世代の意識は子どもたちのふるさと志向に寄り添っているのか、意識を変えるための親や地域を巻き込んだ取り組みについてお尋ねいたします。
 このふるさと教育のこれまでの取り組みと成果についてお尋ねがございました。
 このふるさと教育でありますが、目的といたしましては、子どもたちにふるさとへの愛着と誇りを持って地域に貢献する心を養ってもらいたいという目的で、平成17年度から本格的に取り組んできたところであります。具体的には、例えば小学校では地域の山や川での自然観察、野菜やあるいは米づくりの体験、あるいは地域の伝統行事や歴史に関する調べ学習、こういったことをやっております。それから、中学校では総合的な学習の時間を使いまして、生産体験や職場体験などに取り組んでるところであります。学校現場の話を聞きますと、子どもたちが地域の人や伝統文化、行事あるいは地域の動きや地域が抱えてる課題、こういったものに関心を持つようになったというふうな声を聞いております。そうした意味で子どもたちには、地域によって若干差異はございますが、全体として確実にふるさとに対する誇りや関心が高まってきているのではないかというふうに認識をいたしております。
 また、親や地域を巻き込んだ取り組みについて御質問がございましたが、各市町村教育委員会では、公民館や学校を中心といたしまして、積極的なふるさと教育に対する支援が行われております。例えて申し上げますと、例えば安来市の布部小学校、ここでは保護者や地域の方と子どもが一緒になりまして、ツバキ油づくりでありますとかササ巻きづくり、そういった地域の資源を生かしたいろんな取り組みがされております。それから雲南市では、住民も一緒になりまして中学生の職場体験、これを市全体で取り組んでるというような取り組みもございます。それから松江市では、地域の子どもや親子が交流をする場、そういった場をつくって交流を深めるといったジュニアスクールといったようなことも取り組まれております。そういったことで、各地でいろんな取り組みが行われております。こうした親世代が子どもたちと一緒になりましてふるさと教育を支える取り組みを行うことによりまして、子どもたちを理解するだけではなくて、親みずからふるさとを見直し、愛着を深めることにもつながっているものというふうに思っております。以上でございます。
 若手職員から「定住対策」をテーマとした政策提案が出されました。
 土日返上で124名・団体の皆さんから聞き取り調査、意見交換を踏まえ、UIターンを最初に考える世代と同世代の皆さんが、同じ目線で政策としてまとめたもので、三十路式やセミナー開催を踏まえた島根ツアー、移住サポーター設置による地域コミュニティモデル事業など、私が県内外の現場を回りながら感じてきた問題意識に答えてくれるような素晴らしい提案だと感じました。
 現在取り組まれている延長上のものもあろうかと思いますが、ぜひ具体的に取り組みを進めて欲しいと思います。
 知事はこの提案をどのように受け止められ、どう生かそうとされているのかお尋ねいたします。
 この若手職員は、通常の仕事をしながら一定のチームを形成して、特定のテーマについて研究調査をして提案をまとめるということで、これまでもやってきておりましたが、少し仕事のほうも忙しくなりましたから、ここ一、二年はやや提案活動を指示をするっていうのが低調になっておりましたが、さきの議会などでも、もう少し活用をすべき、そのほうがいいという御指摘などもありまして、ことしの夏ぐらいから、2本のテーマについて委嘱をしてきたわけです。
 1つは、原発の問題もあり、国のエネルギー政策、あるいは県の再生エネルギー活用の方途などについて研究をしてもらうというチームができ、それはまだ続行中でございますが。定住につきましては、議員が御紹介になったように、今般できたわけでございます。若手職員のチームが7月に形成されました。これは、希望者を募って形成されたわけであります。そのときに、私も定住についての重要性について、意見交換をそのチームのメンバーとしたわけでございます。9月に中間報告が出てまいりまして、そのときも一度意見交換しまして、やはり現場に出て、あるいはUターン、Iターンをする可能性のある若い人たちと直接いろいろ話をして聞きなさいと、意見を聞きなさいということも申しまして、このチームのメンバー7人でありますけども、もう4カ月ぐらいかけまして、都会地に住む大学生でありますとか、あるいは既に都会地で働いてるけども、Iターン、Uターン等に関心のありそうな人たちと面接をしたり意見を聞いたりしたり、あるいは今度島根県側で、Iターン、Uターンを受け入れてる団体など100名を超える個人等と意見交換をしながらまとめたもんであります。そういう意味では、非常に実際的な提案が出てきておるなというふうに私も感じたところであります。
 1つは、議員も御紹介になったわけでありますけども、20歳の成人式もいいが、30の三十路式っていうのも必要なんじゃないでしょうかという提案であります。それはなぜかというと、例えば大学卒業して、20歳、二十二、三歳ぐらいでしょうか、勤め出して、10年ぐらいして、都市の生活あるいは大都市における仕事のいろんないいこと悪いこと、だんだんわかってきて、そのころにIターンをしようとか、あるいはUターンをしようとかというような一つの岐路になるようでありまして、そういう意味で、30前半ぐらいの人が島根などに帰ったときに、島根の地ではこういう職場がある、あるいは農業でこういうIターンができるとか、あるいはそういうようなことを説明をしたり、あるいは意見交換をするというような意味で、三十路式のようなものを設けてはどうかと。会った人たちは、そういうIターン、Uターンに関心はあるけども、実際どういう世界が待ってるのか、どういうことになるのか、そこら辺がよくわからないということでありますし、あるいはサポートの体制がどうなのかというようなこともありますし、地元の人たちがどういうふうに感じておられるのか、やはり人と人との接触があったほうがいいんではないかというような提案であります。
 あるいは農業などにつきましても、農業法人でありますとか、あるいは集落営農の組織が最初から何も経験のない人を受け入れて、仕事をしながら教えていって、ほで一人前になって、そして農業をやるといったような、ゼロの段階から独立するぐらいの過程まで一貫した支援の体制などを、やはり地域ごととか、地域における農業法人あるいは集落営農組織を使ってやってはどうかというような提案もあります。
 あるいは、ジョブカフェしまねは、県外に出てる人たちに対して今こういう求人情報が島根県の中でありますということを見るホームページがあるわけでありますが、その見るだけじゃなくて、関心のある人は登録をしてもらって、その人たちのときに随時企業から情報が行くというような仕組みを考えてはどうかとか、そういう提案があります。
 あるいは、最近はインターネットを活用しまして、お互いに知ってる人の情報が価値を持つようになっておって、フェースブックなんかがその一つでありますけども、あの人が言ってるんなら本当だろうと、まあそういうふうに、一般的な情報よりも知ってる人の情報っていうのが大きな影響力を持つような時代になってますから、そういう緩やかな組織の中に、県の例えば広報の職員でありますとか、あるいはIターン、Uターンをする人たちがメンバーになったりして、自然な形で情報を提供するようなことを考えてはどうかとかといったぐあいに非常に実践的な提案が出ておりまして、私のほうもそういうものをできる限り活用したほうがいいということで、今後若手チームのメンバーと関係の部局の担当者で意見交換を5チームぐらい、県庁内の5つの組織と意見交換をするというようなことを今やってるとこでございます。既に始まっておるところもあるわけでございまして、こうした提案も県の定住対策の中に生かしていくように努めたいと思います。また、こういうことが職員の一つの刺激にもなると。忙しいですけども、大変は大変なんですけども、自分たちで創造的な仕事ができるといった意味でも、こういうことをやっていきたいというふうに思っておるところであります。
 他県にはUIターンよりも県外に出さない対策に力を入れているところもあるようですが、私達の地域にとっては、一度県外に出て、違う視点から冷静に地域を見る力を付けて帰ってくれる人材がありがたいように思います。
 また、産業体験プログラムを通じて地域に定住する割合が高いのは、圧倒的に地域に基盤のあるUターン者であります。しかし、@ターンに比べてUターンへのサポートが弱いとの声を聞きます。
 Uターン者はふるさとに基盤のある皆さんが大半ですから、一面やむをえないと思うところもありますが、定着のことなどを考えるとUターン者を増やす努力、支援強化も課題ではないかと思います。
 極端な話だと思いますが、@ターン者ばかりというやっかみ半分の声もあります。
 Uターン者への支援の現状に対する認識と今後の考え方をお尋ねいたします。
 これまでUIターン推進のため、ふるさと島根定住財団を中心に市町村や関係団体と連携して、さまざまな事業を展開してまいりました。中でも、就業支援、仕事についていただくことでございますけれども、に力を入れて取り組んできたところでございます。例えば平成18年度から開始をいたしました無料職業紹介は、ことし10月末までに、20代、30代の方を中心にこの制度を利用して、473人の方が県内で就職をされております。昨年度は過去最高となる101人の就職が決定をいたしております。そのほとんどの方がUターンの方であり、大変好評でございます。
 また、ことしは初めての取り組みといたしまして、松江のテルサを会場にいたしまして、お盆で帰省中の方を対象にしたUターン相談会を開催をいたしました。17人の来場者があり、Uターンに向けた職業や住居などの相談に対応をしたところでございます。今後も引き続きまして市町村などと連携をして、出身者会などへの情報発信に努め、さらに多くの方にUターンをしていただけるように一生懸命頑張っていきたいというふうに考えております。
 ある地域の方から、産業体験・研修のプログラムについて、終了後の定住のためには生活を成り立たせる必要があるのだから、農業なら農業というのではなく、林業や漁業などの体験研修も盛り込んだ生活に着目したプログラムを可能にして欲しいとの要望を聞きました。
 地域、特に山間地域での生活は、農的暮らしとでもいえると思いますが、さまざまな仕事をこなせて初めて生活が可能になったのであります。
 わずか数十年前、窯業やタタラや鍛冶、木工、紙漉き、酒造りなどさまざまな仕事が農的暮らしと寄り添って存在していました。持続可能地域を再構築のためには、失おうとしている暮らしを取り戻すことも必要であろうと思います。
 半農半Xへの支援は、まさにそのような生活に着目したプログラムであろうと考えますが、生活に着目したフレキシブルなプログラムという観点で、県の取り組む産業体験・研修のプログラムをどのように評価しているのかお尋ねいたします。
 次に、産業体験研修プログラムの評価についてでございますけれども、産業体験事業では、農林水産業や伝統工芸の担い手を確保することを目的に、UIターン希望者と相談の上、就業につながる中核となる職業を決め、受け入れ先をあっせんし、体験を提供してきたところでございます。
 なお、これまで、まれにではありますけれども、最初から複数の体験を希望する方や途中で体験ニーズが変わったりする方もあります。そうした場合につきましても、できる限り本人の希望に沿えるようにきめ細かく対応するように努めてきたところでございます。これまでにも、畜産と酒づくりをあわせての体験や、季節により野菜、カキなどと受け入れ先を変えて体験を提供するなど、複数の体験を行った方からは柔軟な対応について評価をいただいているというところでございます。UIターン希望者のニーズはさまざまでございます。今後も引き続き、体験者や市町村担当者などの意見を十分に聞いて、改善に努めてまいりたいと思っております。
 先日、ある地域の地域おこし協力隊の方から、ぜひ話を聞いて欲しいと頼まれて意見交換に行ってきました。その地域は、以前から気になっているところですが、ある関係者によれば、全国でも一番厳しいところかもしれないとのこと。
 その方の前任は数か月でやめ、その方も着任数か月でやめようかと迷っていました。
 彼らの仕事は、草刈りと福祉タクシーの運転手、そして、農作業の手伝い。事前にその旨が伝わっていればいいのですが、それもなし。地域には跡継ぎの若者もいるのに、辛い草刈りの仕事は地域おこし協力隊の彼らに。
 受け入れ自治体や地域は、便利な手間がなくなった後をどう考えているのかと思いますし、夢と志を持ってやってきた若者を失意で去らせるのは何ともやりきれない気持ちです。
 そんな状況が背景となり、協力隊と受入れ地域・自治体との認識ギャップを明らかにし、制度上課題となっていることを共有するため、協力隊の有志がアンケート調査を行っています。
 アンケートのまとめの中で、「受け入れ自治体については、地域の本質的な課題を捉えておらず、地域おこしに対して意欲のある協力隊を一時的な住民獲得、役場やNPOの非正規雇用のような安易な採用をしている場合もある。中長期的ビジョンを描いた上で、ただの一住民ではなく、『都市側のニーズを持って地域おこしを担う人材』として認識を改める必要がある。そして自治体は地域などに任せきりにならないように、自治体も協力隊も互いに向き合って責任をもって取り組む必要がある。」と書かれています。
 また、任期終了後も地域に残りたい、残ってもいいと思っている隊員が相当数いるにもかかわらず、任期終了後の不安を抱えている隊員が6割もあります。
 地域おこし協力隊に限らず、UIターン者を受け入れるうえで、受け入れプログラムの強化と出口対策が大きな課題だと思います。
 地域おこし協力隊にしてもUIターン者の受け入れにしても一義的には地域であり、自治体でありますが、地域おこし協力隊制度創設のきっかけを作った本県ですので、サポートお願いしたいものだと思います。地域おこし協力隊についての現状認識と、サポートの考え方についてお尋ねいたします。
 3点目は、地域おこし協力隊についての現状認識とサポートについてであります。
 地域おこし協力隊は、島根県立大学里山レンジャーズなどをモデルにいたしまして、総務省が平成20年度末に創設した制度でございます。地域貢献に取り組みたいという都市住民を直接市町村が受け入れ、農林水産業の応援や住民の生活支援、まちおこしなどの地域協力活動に取り組んでもらうものでございます。本県市町村でも平成21年度から制度の活用が始まっておりまして、ことし10月末時点で、8つの市や町で37名の協力隊隊員が活動しているところでございます。
 県内でもさまざまな活動に取り組んでいただいていますけれども、特に担い手が不足する中山間地域におきまして、農作業の補助や集落内の草刈りなど、地域運営のサポート役として活躍していただいており、一定の成果を上げていると認識しているところでございます。しかし一方で、都会から来てくれる若者の多くは地域活性化に携わることをイメージして応募するケースが多く、結果として、議員御指摘のとおり本人の意向と実際の任務との間で、ミスマッチも発生してるというふうに私も聞いている部分がございます。このようなミスマッチをなくすためには、市町村が募集する際に、協力隊にどのような仕事を担ってもらうのかを明確にしておくことが大切でありますし、着任後の市町村職員などによる適切なサポートなども大変重要ではないかというふうに考えているところでございます。県といたしましては、市町村への情報提供や協力隊受け入れのための研修の実施などによりまして、地域おこし協力隊の隊員が地域でやりがいを感じながら任務に取り組めるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
 なお、任期終了、最大3年でございますけれども、その任期終了後、地元での就職や就農、新たな起業などを希望する隊員もいると聞いております。こうした隊員に対しましては、県が持っております就農や起業の支援制度の情報提供を行うなど、地元への定着を支援してまいりたいと思っております。せっかく島根のことを気にかけて、島根で貢献したいというふうに来てくれる協力隊員でございますので、しっかりサポートをしていきたいというふうに考えております。
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 第四に、林業の後継者問題についてであります。
先日、島根の林業現場で3年間修業し、今後も山林を守る仕事を一つの天職として取り組もうとしている若者の話を聞く機会がありました。
彼の話は、外から見たり情報で聞いて描いていた現場風景よりはるかに過酷で、山も作業従事者も悲鳴を上げている状況をリアルに想起させました。
そうした状況から、ここ数年、経済対策などによって森に手が入ってきたのですが、年間必要と試算される施業必要面積にはまだ届きませんし、後手、後手になってきた対策の付けが重くのしかかっているように思いました。
また、大変な労働環境は、地獄の窯の淵と隣り合わせ。奥さんから、命だけは守ってねと懇願され、師匠からは、人のことよりまず自分の命を守ることを最優先に考えて仕事をしろと言われてきたと。
それは、労働災害が平均に比べて15倍という数字にも表れていますし、その数字も氷山の一角と言われています。
そして、一人前になるには5年10年の修業が必要といわれる中で、経験豊富な作業員の高齢化によって技術の継承も危惧される現状であり、雇用条件もとても厳しい。
一緒に話を聞いていたある町会議員は、「議員・行政職員全員、森へ1週間行きまっしょう。価値観変わると思います!私はあんなに大変なこと二度とできないという衝撃でした」とメールを送ってきました。
人類誕生のもととなった地であり、農と密接につながったところ、そして地上の豊かな生態系を支え、環境循環の要衝が森林であるとすれば、議員・行政職員はじめ、県民が実情をよく知るところから始める必要があるかもしれません。
 林業の後継者についての現状認識と今後の対応、県民理解を広げる取り組みについて所見を伺います。
 林業就業者は、大半が森林組合などの林業事業体に雇用されており、長期的に減少傾向で推移してきましたが、近年、林業就業への関心が高まるとともに間伐対策が重点的に実施されたことなどにより、若者の新規就業者が増加し、平均年齢も47歳まで低下しております。しかしながら、一般に日給の積み重ねが毎月の給料日にまとめて支払われる、いわゆる日給月給制がとられているため、他産業に比べ、賃金が低水準にあること、またチェーンソーを使い伐採した木が作業員に当たるなどといった労働災害の発生頻度が高いこと等の課題がありまして、他産業並みの雇用条件の整備、それから高性能林業機械の導入等による労働負荷の軽減が求められているところでございます。このため、引き続き高性能林業機械の導入支援、作業道の開設支援等を行い、林業生産コストの低減、労働災害の防止を図るなど、林業事業体の経営の安定化と雇用条件の改善に取り組んでまいります。あわせて林業労働力確保支援センターと連携し、就業希望者が円滑に就業できるよう相談会や体験研修に取り組むとともに、特に新規就業者には、林業に関する基礎知識や現場作業についての技術研修を3年間実施するなど、安全かつ効率的な作業ができる人材の育成確保に努めてまいります。
 また、議員御指摘のように、この林業の仕事を多くの県民の方に理解してもらうことが大切であろうと思っております。近年は、NPO法人による1日森林作業班体験や森林ボランティア講座などが多数開催されており、県ではこれらの情報を、水と緑の森づくり情報誌である「みーも通信」などを通じ、広く県民にお知らせしているところでございますが、今後とも林業の仕事についての理解を深める取り組みを進めてまいります。
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 第五に、地域主権改革整備法への対応についてであります。
 政府の地方分権推進計画や地域主権戦略大綱などに基づき、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」が第1次一括法、第2次一括法として制定され、地方の義務付け・枠付けの見直しや条例制定権の拡大などが図られたところであります。
 こうした一連の地域主権改革整備法により、これまで国が政省令で規定していた福祉施設の設備及び運営に関する基準(最低基準)や公営住宅の整備基準や収入基準、さらには道路の構造の技術基準などが条例委任されることとなりました。
 ただ、福祉施設の中でも障害者及び児の施設について、政府において来年度の国会に障害者総合福祉法や子ども・子育て新システム関連の法律案を提出することとなっており、一年間の経過措置もあることから、今後の国の動向を見極めた上で、一括的な条例にして来年度中の議会に提出する場合もありうるかもしれません。
 本県では、地域主権改革整備法関連の条例提出をどのタイミングで予定しているのかお尋ねいたします。
 最後の御質問は、地域主権改革整備法に関連をしまして、条例をどのように制定をするのかということであります。地域主権改革一括法は、1次分が今年の4月、2次分が8月に成立をしております。1次分、2次分とも、自治体が条例を制定する時期につきましては平成24年4月を基本としておりますが、条例の制定が間に合わない場合には、平成24年度末までは国の示す基準が適用されるという経過措置が設けられております。この取り組みは、地域の実情に合った行政サービスの提供を目指すものでありまして、できる限り早期の条例制定が望ましいと私ども考えております。
 しかし、条例を制定するに当たりましては、議員も御紹介されたわけでありますが、国が新たに政省令で示す基準を参考あるいは参酌する必要があるわけであります。ところが、8月に示される予定でありました第1次一括法に関する政省令におきましても、まだ交付がなされていないものがある状況でございます。このため、県としましては関係者の意見をよくお聞きしながら、国の政省令の内容や財政措置の状況等も見きわめつつ、必要な準備が整ったものにつきましては2月県議会に条例案を上程していく考えであります。
 今回の法律改正は、地方主権を一段と高めるための法律であり、国が政省令で規定する「従うべき基準」「標準」「参酌すべき基準」の区分に基づき、これまでの国の最低基準を上回ることも下回ることも可能なようであり、地域の実情により判断することが求められていると聞いています。
自治体によっては、「日本一の子育ての○○」などと標榜するところもあることから、こうした自治体では、国の基準以上の最低基準を設定することが検討されるのではないかと考えますし、自治体間競争という状況も生まれてくるのではないかと指摘する声もあります。
とすれば、子育てするならしまねが一番と喧伝する本県ですから、相応の対応も検討されているのかと思います。
他自治体の動向をどう把握していらっしゃるのか、本県の対応の基本的な考え方についてお尋ねいたします。
 次に、こうした国の法改正によりまして、最低基準を高く、地方自治体において条例で設置基準を設定をすることが可能になるわけでございますが、議員は、例えば子育てのような場合には、例えば保育所の面積などについて最低基準よりも非常に高い基準を自治体が出すようなこともあるわけであります。それは、いい面とコストがかかるという両面があるわけでありますけども、そういう問題をどういうふうに考えていくのかという御質問でございますが、自治体が条例で自主的に定める余地が拡大をされたことに伴いまして、それぞれの地域の実情に合った最適な行政サービスの提供に向けて、各自治体の創意工夫が求められてるというふうに考えております。
 先ほど申し上げましたが、例えば子育ての分野におきましては、これまでは国が一律に1人当たり何平米という基準を示しておりましたが、今度は最低基準だけ決まって、それを超えるものについては自治体の判断で決められるということになるわけでございまして、議員が御指摘のように、自治体の中では引き上げるといった検討をしておるところもあるわけでございます。一方で、そうした基準を引き上げた場合に、保育所につきましては国からの補助があるわけですけども、それを引き上げた面積で財源保障するのかしないのか、そこら辺がまだはっきりしておりません。そういう意味におきまして、国全体を見渡しまして適切な財源措置が行われるよう、私どもとしては国に働きかけていく必要があるというふうに考えております。
 いずれにしましても、県といたしましては、島根県の場合は中山間地域を多く抱える県としての特性があるわけでありまして、そういうものをどういうふうに考えるのかとか、あるいは他県がどのような基準で設定をされるのかとか、あるいは県民の方々も意見もいろいろあるでしょうから、そうしたものをよく把握した上で、県の実情に即した基準を条例化し、県民の方々の利便、満足になるように、向上になるように、基準の設定等を行ってまいりたいというふうに考えておるところであります。以上であります。

 

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