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2011年6月議会一般質問

[2011/2/25]
 5期目の当選後初の議会、一般質問に立ちました。
 今議会の最大の焦点は、東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故を踏まえ、県民の安心・安全をどう守るか、その対策が一番の課題。
 そんな、今一番のホットな話題・課題を中心に取り上げました。
  1. 震災について
  2. 原発とエネルギー政策について
  3. 原発と地域振興について
    • 核燃料税と電源三法交付金、固定資産税等の総額と、地域振興に果たした役割について
    • 原発立地による地域振興に果たした役割の評価
  4. 地域防災計画について
    • 地域防災計画原子力災害編見直しの視点と想定範囲、スケジュール、広域化での市町村との連携・調整・支援について
    • 地震や津波の県と原発の想定との整合、災害時の行政機能について
  5. 再生可能エネルギーについて
    • 再生可能エネルギーの中、長期での考え方について
    • メガソーラー協議会への参加決定の理由と、この構想に対する所見
  6. メディア依存対策について
  7. 再質問
 質疑内容は下記の通りです。それぞれ文字色で私の質問知事答弁関係部長・教育長答弁がわかるようになっています。
 質問の第一は、震災についてであります。
 3月11日、慟哭すべき大災害が起こりました。
 被災者の皆様の思いに少しでも同苦したいと思いますし、一日も早く、被災者の皆様が心からの笑顔に包まれることを祈る思いです。
 この大災害について石原都知事は、「天罰」発言の前段で「日本人のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす必要がある」と発言しました。
 この我欲ですが、橋本治は著書の中で、今の世界の「経済」は、「必要」の上で成り立っているのではなく、「欲望」というフロンティアの上で成り立っている、と書いています。
 また、ある臨床心理士の著書には、激しい競争原理で動く社会は欲望を非常に刺激する社会です。そして、欲を絶えず足し算していく方向で膨らませています、とありました。
 自然界のメカニズムは、絶妙のバランスの上に成り立っています。善玉も悪玉も共存しています。その絶妙のバランスを崩すと、例えば、畑に病気やいわゆる害虫が一気に広がり農薬が必要となります。
 自然界の中では、人間は一つの構成要因であり、バランスを崩せば地球に病気が発生するという考えに立てば、石原都知事の言葉はともかく、「思い」に共感した方も多くあったのではないかと思います。
 「欲望」のままに走り続けてきた我々は、ここで一端立ち止まって、自然界との共生を考える必要があるのではないか、それが、一番自然で、幸せな生き方ではないのか。
 3.11を、そんなことを考える基点にし、経済復興にとどまることなく、人間の魂復興の基点にすべきではないかと思えてなりません。
 知事は、3.11を通して何をお感じになったのかお尋ねいたします。
 東日本大震災を通して何を感じたかと、こういう御質問であります。
 あの3月11日以降、テレビの映像をよく見るわけであるわけでありますけども、やはり11日に起こったときから、津波が家屋を軽々と運ぶ、自動車が浮き輪のように流される、自然の力の強大さに非常に驚いたということがまずありました。それから、毎日、犠牲になられた方、最初は何人ぐらいお亡くなりになったのか、行方がどうなのか、随分わかりませんでしたですね。それが随分時間がかかりました。しかし、最終的には大変多くの方が犠牲になったわけでありまして、そういう数字を見るたびに心が痛むということであります。そういうこと、そしてあの瓦れきですね。だんだん被災した地域がわかってきた。我々はやはり被災者の皆様を支援をするとともに、被災地の復旧、復興に国を挙げて、そして県を挙げて支援をしなければならないということを感じたところであります。
 そして、その後は原発の事故が画面を占めるようになりました。原発の危険性、そして安全確保の重大性、そういうことを強く感じたところであります。私どもとしては、県民の方々の安全・安心、それを確保していくということが島根にとって大変大事なことだということを痛切に感じた次第であります。 
 先日、NHKのクローズアップ現代では、「幸せのモノサシ〜指標づくりの模索〜」というテーマを取り上げていました。
 これまで、社会の豊かさを測る基準とされてきたGDPなど経済指標の行き詰まり。所得上昇と幸せが結びつかない、地球環境などの持続可能性がないなどが明らかになり、社会の進歩を何で測っていくのかが改めて問われているとし、何故今、幸せを測る必要があるのか?一体、これからの日本の「幸せ」とはどんなものなのか?これから私たちがめざす社会のあり方・人々の生き方を、指標という側面から考えるというものでした。
 3.11を機に、結婚したい若者が増えていると言われています。そのトレンドを見ると、3.11は、「幸せ」の在り方を問い直す契機になっていると思います。
 そのような「時」にあって、知事は、幸せのモノサシをどこに置けばいいと考えているのか、今の県政は、そのモノサシと対比させて点数をつけるとすれば何点位だとお考えか、お尋ねいたします。
 幸せの物差し、どういうものにウエートを置くといいますか、そういう御質問がありました。
 やはり議員御指摘のように、経済あるいは物という、そういうものから来る豊かさだけでなく、それ以外のものが持つ価値、そういうものにウエートが自然に動きつつあると感じております。自然の豊かさ、あるいはそこで生産をされます自然の食材、あるいはきれいな水、あるいは豊かな自然の中にある古い文化歴史、あるいは各地にあります地域社会、人間関係、そういうものが我々の生活の中に大変大事なものだということを多くの人々が気づき始めてきておるというふうに感じます。こういう現象は昔からあるわけでありますけども、少し大きな太い流れになりつつあると。これは日本が置かれてる国際的な立場からもそういう影響がありますし、そういう中で、これまで戦後、あるいはその前からあるかもしれませんけども、培われてきた雇用の関係でありますとか、そういうものがやっぱり変貌してきてるということと関連をしてるというふうに見るとこであります。そういうことで、人の幸せ、もう少し広い視野で考えなければいけないというふうに私は思っております。
 そこで議員は、県政はそういう観点から見ると何点ぐらいになるかと、こういうことでありますが、人それぞれそういう物差しは違いますから、そういうものを足し上げるということは困難でありますけども、先ほどの人々が大事だと思うものという観点、そういう観点から見ますと、島根は価値が移りつつあるものをたくさん持ってるということであります。自然、文化歴史、地域社会等々、これはいつも申し上げてることでありますけども、県はそうしたものを活用しながら、県の発展、住みやすい島根を築こうということでいろんな政策をとってきてるわけでありまして、そういう面では県政もそういう流れに沿った政策を展開をしようとしてますし、若干はそういう政策展開をしてきておるというふうに考えております。
 この度の政局についてですが、皮肉なことに、末期症状だった菅政権を一度は災害が安定化させました。しかし、メッキはすぐに剥げ落ち、未曾有の災害に直面しながら、一枚岩になれない民主党とスタンドプレーが目立つ菅総理、そして、菅降ろし、大山鳴動の内閣不信任騒動。その後は言わずもがな。
 福島大学の教授は、いったい東京の机の上で何をもてあそんでいるというのか、と新聞に寄稿していました。そんな政治を、行政を育んできたのは私たち国民です。
 「新しい公共」という考え方が出てきました。「新しい公共」という語感は、とても美しく響きます。
 しかし、内閣府のホームページに書かれた「新しい公共」を創出するルールという感覚には、分け与えるお上と、分け与えられる国民という2極構造があり、それ故の政治が悪い行政が悪いと批判する国民総評論家感覚、その延長にあるのではないのかと感じています。
 私は、ボランティア活動などを通じて、「新しい公共」は政府や行政が決めて押し付けるものではなく、自分たちで作り上げるものだと感じています。
 被災地支援に行った皆さんから、神戸の時よりも日本が変わるように感じる。特に、若者たちが良い。彼らは、自分が教えられる感覚を持ち、被災地が思いやりを学ぶ場になっている。彼らがまた全国に散り、新しい時代を作っていくと思う。そんな意味では、若者にもっと時代を託したほうが良いと思うと語っていましたが、そんな感覚とも通じるように思います。
 知事は、この度の政局についてどのように感じていらっしゃるのか。そして、私たちの未来を、「新しい公共」創出を自立した若者に託すことについて所見をお尋ねいたします。
 このたびの政局、そして新しい公共の創出に関連した評価、そういうものについての御質問がありました。
 言うまでもなく、大変日本は大事な局面にあるわけであります。そういう状況の中で、国政があのように混乱をしてるということはまことに残念なことだというふうに思います。与野党とも、この事態で早く体制を整え、この問題の解決に全力を挙げてもらいたいというふうに考えております。
 こうした政治状況の中で、議員が御指摘になったわけでありますけども、NPOの方、ボランティアの方々などが被災地の支援等々で、映像でも見られますけども、大いなる活躍をしてこられておるわけであります。そうした若者たちの行動は、日本の先行きにとって大変心強いものだというふうに思っております。我々もそうした動きを後押しをしていかなければならないというふうに考えておるとこであります。そうした若い人たちが地域の将来、日本の将来を担うよう期待をするところであります。
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 質問の第二は、原発とエネルギー政策についてであります。
 収束の全く見えない福島第一原発の過酷事故であります。
 3月30日、二人の元原子力安全委員長はじめ、原発推進の立場で関わってきた重鎮16人が、福島原発事故についての緊急建言を発表しました。
 建言では、「原子力の平和利用を先頭だって進めて来た者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝いたします。私達は、事故の発生当初から速やかな事故の終息を願いつつ、事故の推移を固唾を呑んで見守ってきた。しかし、事態は・・・」と続きます。
 長年原発の安全性について議論する原子力安全委員会に在籍し、日本原子力学会会長も歴任した住田健二氏は、福島第一原発が津波の被害で大きなダメージを負ったのをテレビで見ていて、私はつい「こんなのは想定外だ」と漏らしてしまった。それを聞いていた妻から「『想定外』なんていう言葉は、『そんなことも考えていなかった自分がバカでした』と言ってるだけじゃないの」と言われたとのこと。その自責と暴走が続く事故への焦燥感があの建言書につながったのだと思います。
 知事の福島第一原発事故に対する所感と、原子力発電における「想定外」についての認識、そもそも原発は安全な施設であるのかないのかについて、緊急建言に対する所見をお尋ねいたします。
 原子力安全委員会の過去の委員の方々がおつくりになった緊急建言についてお触れになり、質問をされました。
 その中で、想定外という言葉についての認識を問うという御質問でありますが、今回の福島原発のようなことはあってはならないことであります。そういう意味で、想定外と表現をせざるを得ないような事態が起きないように、対策をきちっととっていく必要があるというのが私の考えであります。そういう面で、福島原発で起こったこと、その原因、そしてそういうものが起きないようにするための対応、あるいは仮に、そうはいっても今回のことが起こったわけでありますから、万が一起こっても対応できるようなシビアアクシデントに対する対応、そういうものを政府がきちっとやっていかなければなりませんし、我々はそれを求めておりますけども、そういう政府の行動、そういうものをきちっとチェックをしていく、確認をしていく、それが必要なことだというふうに考えております。そういう意味で、議員が紹介されました建言書の言葉は、原子力の安全に関与されてこられた専門の方々がその一端を担うという立場からの気持ちのあらわれではないかというふうに思うところであります。
 四方を海に囲まれ、資源に恵まれないわが国のエネルギー自給率は、4%程度といわれています。
 そのため、わが国のエネルギー政策は、原子力をベースに「電源のベストミックス」を目指してきました。そして、経済発展を至上として国づくりを進めてきた結果、世界一の省エネ技術を持つといわれながら、バブル崩壊後も電力消費量は35%も伸びています。
 その背景として、経済発展至上と地球温暖化対策という錦の御旗を得て、原子力の一層推進もあったのではないかと思います。
 知事のわが国のエネルギー事情と原発推進に対する所見をお尋ねいたします。
 我が国のエネルギー事情と原発推進についての御質問がありました。
 やはり原発の推進は、日本が置かれている資源の賦存状況、あるいは電力を供給するコストでありますとか、あるいは地球温暖化でありますとか、そういう中で、原子力発電を活用するということが歴代の政府で進められてきており、さらに現在のエネルギー基本計画では、現在30%ぐらい原子力発電に依存しているエネルギーの供給を、2030年にはこれを53%まで引き上げるという計画になってるわけですけども、政府はこれを当然見直すということでありますが、これを早くどういう形で日本が全体として必要とするエネルギーを確保していくのか、これをきちっと示しませんと、どういう対応が可能なのか、国民は皆目わからないわけであります。そこが中長期的に大事なところであります。
 ほかの手段で早く対応できるのかどうか、いろんな考え方があり得ると思います。評価の違いもいろいろあると思いますが、そういうものをやはりきちっと政府が示して、やはり国民の理解を得、大多数の人から支持をされるようなきちっとした計画をつくり、それに基づいて、日本が必要とするエネルギーを確保していく、これがやはり政府の大きな役割であります。その中で、原子力発電につきましては、やはり安全性がいかに確保されるのか、どうすれば可能なのか、そういうことをきちっと示さないと、この問題は成り立たないわけであります。そういうことは時間がかかるわけでありますが、いずれにしても、そこをやるほかないというふうに考えておるところであります。早くやる必要がある、多くの人の知恵を集める必要がある、あるいは海外の事情もよく調べる必要があると思います。
 5月18日、福島第1原発事故を受け中国電力が実施した緊急安全対策について、原子力安全・保安院の担当者が有効性について、「原子炉の運転継続や再開に安全上支障はない」と述べたのに対し、知事は事故の検証が不十分として、現段階で島根原発1号機の運転再開を了承できないと慎重な姿勢を崩していません。中国電力から1号機再稼動の要請はないものの、このことと、2号機が稼動していることの不整合は、県民の不安要因となっています。
 両者の整合について知事の所見をお尋ねいたします。
 島根原発につきまして、2号機が稼働していることと、今とまってます1号機との関連で、その整合性はどうかという御質問がありました。
 現在稼働中の原子炉をどうするかという点につきましては、5月に原発立地県の知事で出席できる知事が集まりましていろんな意見交換をした際にも、この問題について議論はいたしました。しかし、結論めいたものはそこからは出なかったわけであります。
 そういう状況がありますが、5月6日に総理が、浜岡原発のみ、操業中、運転中のものも含めて停止を要請するということがあったわけであります。その点に対しましては、静岡県以外の立地県、私もそうでありますけども、大変困惑しておるという声が上がり、現在運転中の原発と、浜岡原発のみ運転停止を要請したこととの整合性を政府はどのように説明されるのか、それをよく政府に示してもらいたいということを我々も政府に対して言ってきてるわけであります。
 政府のほうは、やはり太平洋プレートに近いところにあるといったのが一番大きな理由でありますけども、プレートがあのように動くと、プレートは隣のプレートにも影響するかもしれませんし、プレートの内陸部にも影響が及ぶわけであります。既に東北沖のプレートの変動によって余震が内陸部でも続いておるわけでありますから、そういう点を一体どう考えるのか、これは専門家でもなかなかわからない難しいことでありますけども、しかしそういうものに対する考え方もきちっと政府が整理をして説明をする必要があるといったようなことは、要請をするときとかいろんな機会に私どもからも申し上げてるとこであります。
 菅首相は、明日起こるかもしれない東海地震への対策に不安があるとして、中部電力に対して浜岡原発の停止を要請しました。
 地震に対する5号機の想定外の揺れや、津波対策に対する不安などを考えると、結果としては了と思うのでありますが、その根拠や手法が明確でないため、事故の検証問題とあわせて定期点検終了後の原発再開に大きな足かせになったと思います。
 知事の浜岡原発停止に対する所見をお尋ねいたします。
 福島県復興ビジョン検討委員会は「脱原発」への姿勢を明確に打ち出す方針だと報道されています。この方針に対する所感をお尋ねいたします。
 浜岡原発の停止についての御質問がありましたが、今その点については大体御説明したようなことでございます。十分な説明を政府から受けておりませんので、今申し上げました東北沖地震のようなプレート型地震が起こると、そのひずみが各地に新たに生ずるということも言われておりますし、仮に浜岡に近い東海地震が起こりますと、それに誘発して南海地震はどうなるのかというようなことにもなりますし、現在の学問、知識ではなかなか正確な予想はできませんけども、いずれにしても不確定なことがたくさんあるということであります。そういう問題をどう考えるかということをきちっと整理をしないといけないだろうということであります。
 それから、福島県の復興ビジョンがつくられておるようでありますけども、議員は、その検討委員会が発表された、報道されたようでありますけども、その中に脱原発という考え方が盛り込まれているということでございますが、調べましたら、まだ正式な提言はできておらず、途中の段階で福島県知事がコメントをされたということのようでありますが、正式な提言は7月の予定だというふうに聞いております。いろいろこの委員の方々が議論をされた方向観がそういう中で出てるんだろうと思いますけども、その考え方が具体的にどのように表現されるのか、あるいはどのような過程で脱原発をされていかれようとしてるのか、そこら辺がわかりませんから、その動きを私どももよく見守って注視をしていきたいというふうに考えております。
 事故の検証が進んでいない福島第一原発ですが、焦点は、地震による損傷の度合いであります。
 浜岡5号機や柏崎原発の地震による影響は、地震動への対策強化につながりましたが、直近に活断層を持つ島根原発であり、地層の検証を含め、地震への対策は大丈夫なのかという懸念が払拭されていません。
 最新の知見によって対策が取られてきたと思いますが、福島ではその知見がもろくも崩れ去ったのであります。安全を見て600ガルを800ガルあるいは1000ガルに対応できるようにという専門家の意見もあります。
 島根原発の立地する地層への知見と、600ガルという地震動の想定について、知事の所見をお尋ねいたします。
 島根原発の耐震安全性の評価におきましては、宍道断層による地震が、原子炉があります敷地に最も大きな影響を及ぼす地震であると考えられて、評価がされておるわけであります。その上で、そこから想定される地震の揺れの程度は最大加速度で439ガルというふうに見込まれておりますけども、余裕を持たせて600ガルと、それを基準震動にして評価をしておるというふうに聞いております。しかし、福島原発では基準地震動を超える地震が起こっており、その原因究明の中で地震に関する新しい知見が出てくれば、国はそれをきちっと考慮しなければいけないわけでありまして、我々はそこのところをよくチェック、確認をしていきたいというふうに考えておるところであります。
 関西電力が15%節電を呼びかけ波紋を呼んでいます。法的には地元合意が不要とはいえ、定期点検終了後の原発再開への見通しが立たないこと、さらに定期点検入りする原発が控えていることから、この夏の電力逼迫が考えられます。
 60kHz域にある西日本の電力受給見通しについてお尋ねします。併せて、中国電力管内や県内という単位での調整が可能かという点もお尋ねいたします。
 西日本の各電力会社が4月以降に公表した電力需給見通しによりますと、中国電力と四国電力の2社は適正な供給力を確保していると、また北陸電力、関西電力、九州電力の3社は消費者に対し節電を要請していくとしております。このうち関西電力につきましては、ピーク時には最大利用電力が供給力を上回り、供給不足が生ずるというふうに発表をいたしております。
 電力供給は、基本的に電力会社が自社管内の需要に対して供給することとなっているとのことであります。仮に他の電力会社へ電力を融通する場合であっても、適正な供給予備力、この予備力と申しますのは、偶発的な需要変動や発電所の計画外停止などに対応できる予備の供給力のことですが、これを8%以上残した上で行うこととなっております。
 なお、中国電力に確認しましたところ、自社管内で県単位での調整を行うことは技術的には可能でありますけれども、一方で、電力事業者は公平に電力を供給する義務を負っている、電力供給県への優先的な供給はできないとのことでありました。
 私は、エネルギー問題は、一にかかって我々自身の暮らしをどう考え直すかにかかっていると思いますが、今の価値観と生活様式の急激な転換は現実的ではないかもしれません。
 しかし、昨日の、原発は安全を保障していなかったとの知事答弁の通り、便利さは必ずリスクを伴うことを自覚しなければならなりません。
 自覚を前提とすれば、電力逼迫に直面する中、電力受給問題は原発再稼動の要件足りうるかもしれません。その所見と、島根原発再稼動容認への条件について知事にお尋ねいたします。
 そこで、再稼働の問題は電力需給との関連はどうかということでありますが、1号機は現在定期点検中で停止をしておりますが、いずれにしましても、ことしの夏は、中国電力の発表、そして私どもに対する説明では、ことしの夏、ピーク時の電力供給に支障はないという説明を受けておるところであります。
 それから、2号機はいずれ定期点検に入りますけども、1号機をどうするかという問題につきましては、まだ中国電力のほうからどうしたいこうしたいという話があるわけではありません。いずれにしましても、今、福島原発で起こったことをもとに、安全対策をどうする、それでいいのかどうかという議論がまだ終わってないわけでありますから、当座の話としてやはり大事なことは、原発が再稼働しなくても確保できる電力を最大限活用するような努力をしなきゃいけませんね。いろんなとこで能力をいっぱい使っていない原子力発電所というのはあるわけでありまして、そういうものを使う。そのためには燃料を確保したり再点検をしたり、いろんなことが必要になりますけれども、そういう努力をいろいろしなきゃいけないと思います。中電などもそれをやっておりますし、ほかの電力会社もやっております。やはりそういうことをぎりぎりやっていくということが私は必要だろうというふうに思いますし、それからやはり一番の問題は、ピーク時の電力をどういうふうに抑えるかということでありまして、それにつきましては、大きな経済的な、経済的といいますか、県民、国民の生活あるいは企業の企業活動に大きな支障を与えない程度でいろんな工夫をする努力を追求をしなければいけないというふうに思うところでありまして、そういうものをきちっとやっていく必要があると思います。
 さらにその上で、安全対策について、政府は津波、そしてシビアアクシデントが起こったときの対応、この2点について電力会社に指示をして、その報告を受け、実施状況をチェックして、その2点から、運転は差し支えないと申しますか、そういう立場で政府はおられますけども、立地県のほうとしては、政府の対策で十分と言えるかどうかよくわからない、例えば地震の影響が本当にどうだったかということはよくまだ発表されてないわけでありますし、それからシビアアクシデントが仮に起こったときにどうするという問題については、これはまだまだよくこれで十分かどうかというふうなことがわからないわけでありまして、そういうプロセスをきちっと踏んでいく必要があるというのが私どもの立場であります。
 国は、繰り返しになりますけども、原因の分析、検証、そしてそれに対応する対策、電力会社へのそれに対する指示、そういうものがきちっと行われて、そうしたものを我々にきちっと立地県の議会あるいは住民の方々によく説明をして、そして我々のほうも専門家から意見をお聞きし、いろんな議論、意見を総合的に判断してこの問題を考えていくほかないというのが我々の立場でございますけども、まだまだそういうプロセスがまだ非常に初期の段階と申しますか、そんな段階にあるんではないかというのが私の印象であります。そういう意味で、まだ一定の時間がかかるということを、議会の冒頭の所信の中で申し上げたわけであります。
 全国に比し、本県では脱原発の声は大きくないものの、県民の島根原発への不安には大きなものがあります。健気にも、そうした思いを胸にしまい込んで日々の暮らしを送っています。県民性かもしれません。
 稼働させ続けるのであれば、そうした県民の不安を和らげるために住民への説明機会を持つことが不可欠と思います。
 知事は、住民説明会を明言されました。説明会は、どういうタイミングを考えるのか、また、どの程度実施するお考えか、範囲も含め知事にお尋ねいたします。
 そういう際の県民の方々への説明はどうするのかというのが次の御質問でありますが、従来から県あるいは松江市もそうでありますけども、いわゆる安対協という場がありまして、安全対策協議会で中電あるいは国から説明をしてもらい、それに対して質問、意見を言うという場が1つあります。県のほうでは、昨年、もう少し多くの人から、安対協は大体メンバーが決まっておりますから、メンバーでない多くの県民、市民の方から意見を聞いてもらいたいと、そういう場をつくるべきだという御意見がありまして、私どもは島根原子力発電所安全対策に関する意見交換会というのを設置をし、県と松江市一緒に開催をすると、必要に応じ国、中電から来て説明をするという場をつくりました。そこはどなたでも申し込まれれば発言が可能でありますし、余り多くなりますとそのテーブルで意見言うのは難しいですが、傍聴もできて、傍聴者の方々も時間によって質問、発言ができることになってますから、そこでいろんな意見なども聞いていきたいというふうに考えておるところであります。
 昨年は2号機の問題などもありまして、2回開催をしておるところであります。今後も事態の進展によりましてそういうものも活用していきたいということでありまして、まだ時期等につきましては決めなければいけない状況にまだないということであります。国の状況等も我々もよく聞きながら、早く、いずれにしても国から説明をしてもらうということが大事だろうというふうに思っておるわけです。
 30キロ圏自治体と中国電力による安全協定について、鳥取県の平井知事は事前了解を求めない意向と報道されていましたが、県をまたぐことにもなりますし、圏内自治体の意向も様々のようであります。また、30キロ圏でいいのかということもあろうかと思います。現に、海を隔てた隠岐住民の不安も大きいのであります。
 安全協定を拡大すること、事前了解の取り扱いについて、知事の所見をお尋ねいたします。
 福島原発では、30キロ圏内の市町村に避難や屋内退避などの措置がとられましたんで、松江市の周辺の市町、そして鳥取県もそうでありますけども、中国電力と安全協定を結びたいということで、私どももそれは大事なことなんで、中国電力に対しましてはよく相談をしてくださいということを中国電力に伝えて、中国電力のほうは既に話をしてるとこでございます。その過程で、県として必要な支援等も相談等もしてまいりたいというふうに考えておるところであります。以上であります。
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  質問の第三は、原発と地域振興についてであります。
 原発立地と地域振興は、密接不可分の関係にありました。
 先日、講武自治会に対する中国電力から多額の寄付金があったことが報道されました。
 3号機増設を巡っても見たくもない現場を見ましたが、それらは「我欲」に踊る「ヒト」の姿であったように思います。
 原発は政財官学が一体で驀進した経済至上の象徴がかもしれません。ですから、我欲が渦巻く世界にならざるを得なかった。そうした手法でしか原発を立地できなかったこと、その責任は電力会社にあるわけではなく、我欲の当然の帰結だったかもしれません。
 それはそれとして、私たちの地域も、原発立地と引き換えに、大金を手に入れてきました。私たちの地域が手にした核燃料税と電源三法交付金、固定資産税等の総額と、地域振興に果たした役割についてお尋ねいたします。
 県が今までに収入しました核燃料税は約166億円、電源三法交付金は約220億円であります。
 なお、固定資産税につきましては、松江市が課税している市町村税でありまして、税額については承知をいたしておりません。
 これまでに核燃料税及び電源三法交付金を活用いたしまして、放射線監視等の安全対策を始め、道路や教育文化施設、漁港などの整備といった事業を実施し、原発立地地域の振興に役立ててきたところでございます。
 また、原発という迷惑施設の立地は建設工事や定期点検等を通して大きな経済効果や、さまざまな人の悲喜劇を生み出してきたように思います。原発立地による地域振興に果たした役割をどのように評価していらっしゃるのか、地域振興部長にお尋ねいたします。
 また、立地が地域振興に果たした役割でございますけれども、原発の建設や定期点検等を通して県内企業への工事等の発注や雇用の創出、さらには他県からの工事関係者の受け入れなどによる経済活動の拡大など、経済効果もあったというふうに考えております。こうしたことから、地域の振興に一定の貢献をしてきたものと考えております。
 質問の第四は、地域防災計画についてであります。
 福島第一原発事故では、EPZ外への避難指示などが発令されましたが、その指示も二転三転、根拠も指示の内容も極めて曖昧でわかりにくいこともあり、住民は塗炭の苦しみを味わうことになりました。
 想定外ですから、混乱するのも無理ないことかもしれませんが、想定外の中で苦しむのは東電でも政府でもなくその場で生活する住民です。
 知事は、かかる状況を見られて、政府の方針を待たずに地域防災計画の見直しについて言及されましたが、不安を抱える地域住民にとって見れば当然のことのように思います。
 一方、避難の事も含めれば膨大な作業になろうと思われますが、一刻も早く安心の姿を示して欲しいという切実な住民の思いがあります。
 地域防災計画原子力災害編見直しの視点と想定範囲の考え方について、スケジュールについて、広域化での市町村との連携・調整・支援について、また、被災地支援に行った職員などの経験を防災計画見直しに生かされるのかお尋ねいたします。
 今回の福島原発の事故でございますが、30キロを超える範囲で避難が行われるなど、これまでの防災計画では対応できないような事態になっておるわけでございます。このため、県の地域防災計画原子力災害編につきましては、見直すこととしておるわけでございます。
 この見直しにつきましては、防災対策を重点的に行うEPZの範囲を含めました地域防災計画そのものの改正につきましては、国の防災指針の見直しを待たなければ最終的に決定をできないわけでございますけれども、できるところから検討に取りかかっておるというふうな状況でございます。現時点におきまして、先ほど申し上げましたように30キロというのが一つの目安というふうになるわけでございますので、30キロ圏内において、例えば要援護者数の状況がどうなっておるか、あるいは福祉施設の状況がどうなっているか、医療機関の状況がどうなっているかなど、また30キロ圏外において、避難をした場合の受け入れ先となりますような施設の可能性としてどういうようなところがあるんだろうかというような基礎的なデータの整理を今県庁内で行っておるというふうな状況にございます。
 また、市町村との連携、調整ということについてでございますけれども、30キロ圏内にございます6市2町及び鳥取県とともに原子力防災連絡会議というのを開催をいたしまして、お互いに問題点の整理あるいは情報交換を始めておるところでございます。また、今回の震災に関しましては、県庁でありますとか県内の市町村から被災地支援などということで現地に応援に行った職員というのがおるわけでございます。今後の検討に当たりましては、このような職員の意見も参考として聞いていきたいというふうに考えておるところでございます。以上でございます。
 地域防災計画震災編に津波対策が盛り込まれることになっていましたが、今回の震災を経て新たに見直しをされることになりました。今回盛り込まれる予定だった想定津波は、島根原発で想定されているものと乖離がありました。
 県の防災計画上の地震や津波の想定と島根原発における想定との整合について、災害時、県庁が拠点となっている行政機能についてどのような方針で望むのか、知事の所見をお尋ねいたします。
 島根原発の想定地震と県の防災計画上の地震、津波想定の関連はどうかという御質問がありました。
 中電の耐震安全性に関する評価は先ほど申し上げたとおりであります。津波につきましては、日本海の東縁部と、東側の縁という意味でありますけども、そこで津波が起こったときに、そこから波がどういう形で及ぶか、その場合の波の高さはどのようになるのかということで想定をして津波対策をしておるということであります。
 県の防災計画上は、地震につきましては、宍道断層に加えまして宍道湖南方あるいは大田市南方とか浜田市沿岸とか、いろんな過去の地震の起こった場所等から選びまして、地域地域でどのような地震が起こるのかというような想定をして防災計画をうたっております。津波に対しましては、中国電力が想定した日本海東縁部の地震も考慮しておりますけども、波の高さなどにつきましては、今後調査をした上で想定に入れていく必要があるというふうに考えております。そのほか、出雲市沖だとか浜田沖で地震が起こった場合に津波がどのようになるかということも想定しながら、津波対策も防災計画の中に入れているということでございます。
 それから、災害時に、県庁が拠点となっている行政機能をどのようにするのかということであります。
 あのような地震が起きますと、20キロ、30キロ圏内が避難区域あるいは計画区域にされるわけでありますから、私どももその対応は考え始めておるわけであります。国自身がそうした避難区域をどのように設定をするか、そこはまだ決まってるわけじゃありませんけども、今回福島原発で起こってる事態を参考にしながら、県としても、例えば移転先として利用可能な施設がどんなところにどの程度あるかとか、あるいは必要となる災害対策本部機能としてどんなものが必要であるとか、いろんなことを調べなきゃいかんわけです。あるいはそれを支える人員、設備機能、そうした予備的な調査を始めておるということでございます。これは周辺の市町も関連しますから、そういう中でも一緒に検討をしておると、こういうことであります。
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 質問の第五は、再生可能エネルギーについてであります。
 政府は、東日本大震災を受け、昨年6月に策定した新成長戦略を見直す方針を固め、新しいエネルギーの活用を掲げてエネルギー戦略の見直しに取りかかりました。
 今回の福島第一原発の事故は、エネルギー供給源を集中立地させることのリスクを明らかにしましたし、送電ロスの問題などを踏まえると、地域自給型のエネルギーをどう高めていくかが今後の大きな課題だと考えます。
 しかし、再生可能エネルギーは、安定性を欠くとともに、EPR(エネルギー利益率)の比率がいずれも低く、わが国で伸び悩んできた大きな原因です。
 風力発電では、EPRは3.9という数字が示されていますが、風力が安定していないことや台風のリスク等、わが国の自然条件とのマッチング、低周波による影響も問題視され、欧州技術によらない日本の風土に合った発電装置の開発が必要と言われています。
 また、太陽光発電は、徐々にですが値段も下がり、電力の買い取り価格を一般家庭に転嫁する政策によって普及も進んできましたが、EPRは1.0とも言われ、無意味な発電との指摘もあります。
 EPRも踏まえた、地域自給型のエネルギー普及への取り組みは、持続可能な県土形成において、喫緊の課題であろうと思います。
 我が県の再生可能エネルギーの中、長期での考え方について、知事にお尋ねいたします。
 議員からお話がありましたEPRのことを含めまして、再生可能エネルギーに関しましてはさまざまな評価や意見があります。まだ現段階では、コストの高さや出力の安定性の確保など、解決すべき課題がたくさんあるわけでございます。こうした課題を克服し、再生可能エネルギーをどうするかという問題は、一義的には国のエネルギー政策に係ることであります。先ほど申し上げましたように、国がどのようなエネルギー基本計画をつくるかと、どういうふうに考えるかということが必要なわけでございます。そういうものも見ながら、県として再生エネルギーの活用は重要でありますので、今後とも研究、検討、普及に努めていきたいということでございます。以上であります。
 ソフトバンクの孫社長の主導する「自然エネルギー協議会」について、本県も協議会への参加を決定され、県内自治体にも設置場所選定の動きが始まっています。
 ただ、孫社長の発表では、耕作放棄地などの遊休農地が想定されていました。また、日本中の湖沼なども含めた設置可能な用地に全て設置しても電力需要の6%しか賄えないとする学者もありますし、オイルピークとエネルギー需給見通しを踏まえ、今後のわが国の食糧自給問題を考えた時、遊休農地等にソーラーを設置することはしっかり論議・検証する必要があります。
 また、先程紹介したEPR1.0という見方などを考えると、国策動員を見越した経済論理優先の胡散臭さを感じます。
 メガソーラーについて、協議会への参加を決定された理由と、この構想に対する所見をお尋ねいたします。
 まず、参加した理由についてでございますけれども、1つは、自然エネルギーの普及促進に関するさまざまな情報が収集できるんではないか、2つには、協議会の一員として他県や関係団体と協力をして国に対して提案要望ができるということから、参加を決めたところでございます。
 また、ソフトバンクが提唱しておりますメガソーラー構想につきましては、現時点では、発電所の規模や建設コスト、敷地の規模しか発表されておりません。未確定な要素が多いことから、今後、先ほど申し上げました協議会を通じたりして情報を集めていって、市町村の意向も聞きながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
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 質問の第六は、メディア依存対策についてであります。
 4月末、IT先進国である韓国のメディア依存症対策を視察する機会をいただきました。
 わが国でも、メディア依存症が大きな原因であろうと考えられる親族や友人を手に掛けたり、自ら命を絶ってしまう事件が後を絶ちませんし、メディア問題への無知から、事件に巻き込まれる青少年が後を絶ちません。
 03年、韓国では、同様の悲惨な事件や事故から、インターネット中毒が問題となり、インターネット中毒かどうかを判断するK尺度という指標によって、9歳から39歳までを対象に調査を行い、国を挙げ、自治体を挙げてさまざまな啓発活動や対策に取り組んでいました。
 その結果、2010年の中毒率は約半分の9.0%にまで減っていますが、青少年の実態は深刻で、12.4%が治療を必要としているとのこと。
 ただ、全体の数字が低下傾向の中、小学生で高危険群と定義される子どもたちが増えているとのこと。
 その背景には、わが国以上の競争社会におかれた子どもたちが幼児期からの勉強を強いられる結果、3歳から5歳までのインターネット利用率が63%という現実があろうと思います。
 一方、わが国におけるメディア依存は、韓国のインターネットゲーム中心とは違い、ゲーム機、携帯電話、テレビ、PCと多種類のメディア機器によっています。重症度においては、韓国が上と見る方もありますが、平日でも一日8時間以上、休日では10時間以上メディア接触している青少年が1割を超えていると言われています。
 それは、家庭環境とも強く相関し、親の愛情を感じる機会が少なく、自尊感情が低い子どもほどメディア接触時間が多いと言われています。
 また、子育て中の母親のメディア接触の実態も深刻で、授乳時間はTV時間、ケータイ時間となり、赤ちゃんの目を見ないで授乳する母親が8割とも言われ、メディア依存への温床が広がっています。
 あわせて、先日の明窓には、家庭生活が合理化され、家庭での手伝いが大きく減ったことや、外遊びが激減し、経験や体験が欠如したことも背景にあるとの信州大学寺沢教授の話が紹介されていました。
 未来を支える創造性あふれる子ども達を育てていくためには、豊かな経験や体験環境の充実とともに、メディア依存対策の強化は喫緊の課題だと思われます。
 本県における児童・生徒のメディア依存の現状認識と対応状況についてお尋ねいたします。
 また、対策を効果的に進めるためには、子どもたちの現状を正しく認識する必要があると思います。K尺度のような尺度の導入と活用が必要だと考えますが、尺度を学力調査に導入することもあわせ、所見を伺います。
 まず、島根県におきます児童生徒のメディア依存の現状認識とそれに対する対応、それからK尺度について御質問がございました。これについてお答えをいたします。
 児童生徒のメディア依存でありますが、なかなかメディア依存という定義がないもんですから、なかなか難しゅうございますが、今のところありますデータで申し上げますと、全国学力テスト調査、毎年やっております。これは小学校6年生と中学校3年生が対象でありますが、この全国学力調査の中で、メディア接触の状況についての設問がございます。詳細な設問ではございませんが、これはインターネット、テレビゲームあるいは携帯電話による通話やメール、これの実施状況について質問があっております。この結果を見ますと、島根県の児童生徒のメディアへの接触時間、全国の割合よりも少ないと、こういう結果になっております。比較的健全かなあという気もいたしますが、いずれにしても、依存の度合いは昔に比べますとはるかに高くなってるのは間違いないというふうに思います。ただ、今のところ、これ以外にちょっとデータがないものですから、なかなか詳細の実態がわからないというのが現状でございます。
 そこで、議員のほうから、韓国で今行われておりますK尺度、これを使ったらどうか、あるいはこれに類した依存度をはかるような尺度を導入したらどうかという御質問でございます。
 このK尺度でありますが、これは韓国の政府でつくってやってるものでありまして、これはインターネット中毒を調べるものでございますので、日本とやや事情が違うのかなということが1点ございます。それから、これに類するような新しい何か尺度をつくったらということでございますが、なかなかこういったことをつくるためには、診断するための専門的知識も必要でございます。なかなか県レベルで難しいのかなあという感じがいたします。ただ、先ほど申し上げました、データなかなかないもんですから、できる限り詳しい実態を把握していくということは必要だなというふうに感じております。
 そこで、現在、先ほども申し上げました全国学力テストと別に、県単独の学力調査もやっております。これも業者テストでございますが、この中に同じようなメディア接触の設問を入れております。これを少し工夫をいたしまして、より詳しいデータが得られるようなものにできないのか、今後工夫をしていきたいというふうに思います。

 それから、子どもの生活習慣づくりにつきまして、各学校でいろんな取り組みをしております。そういった学校の協力も得ながら、児童生徒のメディア依存の実態について、できるだけ詳しい把握ができるように努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、現在の対応でございますが、各学校では、養護教諭や学級担任によります健康観察、教育相談などを通じまして、メディアに過度に接触していると思われる児童生徒、こういう者に対しまして個別に指導を行ってるというふうに聞いております。
 近年、教育現場の皆さんの現状への危機感から、「ノーテレビ、ノーメディア」の取り組みが広がり、その取り組みは全国の先進地域の一つと認識しています。
 私も、幼小中高校や地域で行われている啓発の場に何度か足を運びました。その中で、親御さんの意識が少しずつ変わってきているとの実感を持つのでありますが、セミナーの内容や投網を掛けるやり方に限界のようなものを感じます。
 特に、本当に必要とする子どもたちや親御さんには手が届かないというジレンマです。きっと、運動を推進している皆さんにも同様の思いがあるのではないかと思います。
 県や市町村での取り組みの状況と、今後国に対してどのような働きかけをするつもりか、お尋ねいたします。
 子どもたちの過度のメディア接触を防ぐための県あるいは市町村の取り組み状況等についてであります。
 申し上げるまでもありませんが、子どもたちは体を動かすことで脳が育って、感性や判断力が身につくと言われております。メディア漬けの生活は、生活習慣の乱れを誘発いたしますとともに、人間同士の触れ合いが減りまして、コミュニケーション能力が低下する要因になるというふうに思っております。このため、過度なメディア接触を防ぐための取り組みを県、市町村挙げて今取り組んでるところであります。
 具体例を申し上げますと、県におきましては、全教職員を対象といたしまして、情報安全教育に関する研修を実施をしましたり、あるいはふるまい向上プロジェクト、現在取り組んでおりますが、その一環といたしまして、PTAなどと連携をいたしまして、乳幼児期からの生活習慣づくり、これに取り組んでおります。また、市町村におきましてもいろいろな取り組みがなされております。特に松江市は、メディア対策推進室、これを設置をいたしまして、全市を挙げてメディア依存対策に取り組んでおられます。また、雲南市では、日曜日をノーメディアデーに指定するなど、これも取り組みを積極的にやっておられます。それから、各小中学校でもかなりの学校でいろんな取り組みをしてるところであります。
 今後、情報化の一層の進展によりまして、子どもたちのメディア依存、急速に進んでいくことも懸念をされます。私どもといたしましては、今申し上げましたような取り組みをさらに進める中で、成果や課題、これを検証しながら、必要があれば国に対しても必要な提言や要望をしていきたいというふうに思っております。以上でございます。
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【再質問】
1) 安全協定について、事前了解の範囲を広げつことについて、どのような見解を持つのか。
2) 原発と地域振興について、一定の貢献をしたとの評価が示された。私も、地域振興に大きな貢献があったと認めるが、そうした現実を踏まえた場合に、脱原発の現実性についてどのように考えるのか。
3) 新エネルギーについて、若い職員に研究させるとの話があった。代表質問で、佐藤栄佐久前知事の話も出ましたが、エネルギー分野では、権益を守るためにイノベーションの動きが抑制されているとの話も耳にします。わが県でイノベーションを進めるくらいの意気込みを持ち、是非幅広い観点で研究に取り組んでもらいたいものだと思います。
 安全協定は、要素としては、電力会社からいろんな情報の提供をしてもらうと。いろんな問題が出たときとか、あるいは今何をしようとしてるとか、それが1つです。それから、国の指示等に基づいていろんな安全対策なんかやりますけども、それを立入調査をすると、これが2点目です。3点目は、電力会社が操業の状況を変えるとか、新しい原発をつくるとか、違う変化ですね、そういうときに了解をするという3つ、それから4番目に、いろいろ問題があるときに意見を言うというのがあるわけです。出雲市が10キロ圏内に入るところがありますから、以前から安全協定を結ぶということで中国電力といろいろ話をされて、時期はちょっと正確に覚えてませんが、既に第1のこの情報提供を行うということで安全協定を結んでおられるわけであります。
 そこで、松江市周辺の市町、鳥取県も含めてでありますが、安全協定を結びたいということで、中国電力から先ほど申し上げましたように話し合いを進めておるということであります。中国電力のほうでは、出雲市といろんな長い経過の中でそこまでたどり着いたわけでありまして、それを一つのベースとしてやりたいということであります。
 この問題につきましては、安全の、立ち入りとかは県とか松江市がやっておりますし、それから事前の了解ということになりますと、これはやっぱり近いところと若干遠いところでは濃淡があり得るわけでありまして、そこら辺は関係するところもいろいろありますし、あるいはほかの場所における状況とかもよくチェックもしなきゃいかんと思いますが、とりあえず情報の提供というのがこれは必要でありますから、そこを早くやるということも考えられると思います。既に話を進めておりますから、そこを我々もよく注視をしていきたいということであります。

 それから、脱原発の現実性ということでありますが、脱原発の問題は、一番大事なのは、国としてエネルギーをどういうふうに確保するかという大方針について、国民的な、ある意味で合意と申しますか、そういうのがないと、各電力あるいは各業者がそれぞればらばらにやるということは無理だろうと思うんですね。そういう意味で、今3割ぐらい依存してる原発からどういうふうにしていくのか、そこら辺を早く示す必要があるということでありますが、いずれにしても、自然エネルギーを活用するというのは当然の方向でしょうから、そのものについていろんな研究開発が進むように、国はもちろんでありますけども、地方自治体あるいは民間企業等々においても研究が進むように、我々としてもできることをやっていきたいというふうに考えておるところでございます。以上であります。

 

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