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2014年9月議会一問一答質問

[2013/6/18]
 時間不足で十分な論議ができませんでしたが、精神医療をめぐる課題について、幅広く取り上げました。

  1. 精神医療をめぐる課題について
    • 精神疾患患者の平均在院日数、措置入院、医療保護入院、任意入院と在院日数が1年以上の患者数と割合
    • この数字は、精神障がい者の人権環境の厳しさを象徴的に表していると思うが
    • 精神障がい者を取り巻く人権の現状認識と、意識改革を進める今後の考え方
    • 死亡退院数、1年以上の長期入院者の退院数、病床数の推移
    • わが県の病床数推移はどのように評価できるのか
    • 医療計画での目標値と実現への具体的手法について
    • 住居資源、日課資源の現状について
    • 空家、空きアパートの戸数は?
    • 住居資源確保や整備、居住体験できる住居の提供について
    • 人材育成の現状と今後の取り組み
    • ピアサポーターの育成と活用の現状、支える仕組みについて
    • アウトリーチ事業の成果と今後の考え方について
    • 患者の意向調査について
    • オルタナティブな支援体に対するスタンスについて
    • 第4次障害福祉計画での諸課題の位置づけと取り組みについて
    • 地域移行を支える体制の強化について
    • セカンドオピニオン、減薬・断薬支援の現状について
    • セカンドオピニオン、減薬・断薬のサポート体制の確立について
    • ゲートキーパー研修について
    • 精神医療にかかる啓発について
    • 学校からの精神医療への押し出し圧力について
    • 研修等の現状と今後の考え方について
    • 精神科医療の現状についての方向付けについて
 質疑内容は下記の通りです。それぞれ文字色で私の質問知事答弁関係部長・教育長答弁がわかるようになっています。
  精神医療をめぐる課題についてお尋ねします。
 健康福祉部長、精神疾患患者の平均在院日数、併せて、措置入院、医療保護入院、任意入院と在院日数が1年以上の患者数と割合をお尋ねいたします。
 厚生労働省が取りまとめている病院報告の最新のデータでは、平成24年の精神科病院入院患者の平均在院日数は、県内が266.6日、全国が291.9日となっております。また、平成24年6月30日現在の県内の入院患者数は、入院形態別に任意入院が903人、41.1%、医療保護入院が1,280人、58.3%、措置入院が12人、0.5%ということになっておりまして、合計で2,195人でございます。このうち1年以上の入院患者の数は1,336人で、全体の60.9%となっております。
 今の数字は、精神障がい者の人権環境の厳しさを象徴的に表していると思いますが、いかがですか?
 先ほど入院実態お答えしたわけですが、1年以上の長期入院患者が約6割、また入院の形態別で見ましても、本人の同意に基づかない医療保護入院と措置入院を合わせて約6割あるという状況は、量的な視点からだけでなく、人権的な視点からも決して望ましいことではないと考えております。こうした状況となってる背景には、精神疾患に関する正しい理解の不足や精神科を受診することへの抵抗や偏見があること、このため受診までに時間がかかり、相当病状が悪化してからの入院となって、病状の改善にも時間を要する傾向にあることなどが考えられます。
 また、長期入院患者の中には、退院後の受け入れ先や家族等の理解が得られず入院を継続せざるを得ないといった、いわゆる社会的入院もあると認識しております。こうしたことから、精神疾患の正しい知識の普及や住まいの場となるグループホームの整備や、保健師等の多職種による訪問支援に取り組むなど、地域移行、地域定着の支援を進めているところでございます。
 本年7月、OECDは加盟各国の精神医療に関する報告をまとめ、我が国の精神科病床数はOECD平均の4倍で「脱施設化」が遅れていると指摘しました。
 患者の保護・拘禁政策を進めてきた我が国の精神医療は、WHOから度々是正勧告を受けていますが、脱施設化は遅々として進まないばかりか、多くの病床が長期の社会的入院患者で占められています。
 1960年、日本医師会会長だった武見太郎氏は、「精神医療は牧畜業だ」と言ったそうですが、その状況は大きく変わらない故に、我が国の精神医療は30年遅れているとされ、OECDは、精神障がい者に対する社会の認識を変える必要があるとしています。
 ある精神医療関係者は、元気を奪う支援が基本となってきたと語っていましたが、彼らには、普通の生活は望めないことなのでしょうか。
 知事、我が国の精神疾患患者及び精神障がい者を取り巻く人権の現状認識と、意識改革を進める今後の考え方をお尋ねいたします。
 先ほど部長から説明いたしましたけども、精神疾患患者の方々が長期入院をされてるというようなことは6割を占めてるわけですけども、望ましいことではないというように思います。我が国におきましては現在も、精神疾患や精神障がい者の方々に対する正しい理解、認識が必ずしも十分でない状況が続いておるわけでありまして、そういう意味におきまして、国民全体として精神疾患や精神障がい者の方々に対する正しい認識が広がるようにし、精神障がい者が社会の一員として住みたい地域に安心して自立した生活が営める社会にしていくと、これは大事でございます。
 この方針は、国におきましては平成16年に精神保健・医療・福祉の改革ビジョンということを示しまして、入院医療中心の考え方から、地域生活中心の考え方に転換する方針が出されたわけであります。県におきましても、この国の方針を踏まえまして、精神障がい者の方々の退院の促進を進め、そのために地域社会で生活をする場合の支援などに取り組んでいきたいというふうに考えておるところであります。
 10年前、国は精神疾患患者の退院促進のため、在院日数1年未満の平均残存率24%、1年以上の退院率29%との目標を設定し、結果として34万床の病床に対して7万2千床の病床削減の目標を掲げ、社会的入院を余儀なくされている精神疾患患者の地域移行に取り組んで来ました。
 毎年、2万人以上が死亡退院するとの推計もあり、その目標は当然達成できそうに思いますが、病床削減は大きな成果を上げることなく今日に至っています。
 わが県の死亡退院数、1年以上の長期入院者の退院数、病床数の推移をお尋ねいたします。
 毎年6月の1カ月間の都道府県別状況を取りまとめました国の精神保健福祉関係の調査をもとに、年間の数値を推計いたしますと、平成24年の島根県の死亡による退所患者数は年間260人程度、1年以上の長期入院患者の退院患者数は年間370人程度と推計されます。また、国の病院施設調査によりますと、病床数は平成16年10月1日現在が2,659床、平成21年10月1日現在が2,492床、平成26年9月1日現在が2,324床と減ってきている状況にございます。この10年間の減少率は12.6%ということになっております。
 地域移行に関しては、県内に全国先進モデルの取り組みがあるのは承知していますが、わが県の病床数推移はどのように評価できるのかお尋ねいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、精神病床数は10年間で12.6%の減少ということでございます。地域生活中心の考え方に転換する方針に沿って、入院患者の退院促進に一定の成果が上がってるというふうに考えております。
 国は一層本腰を入れて地域移行を進めようとしています。いわゆる社会的入院と言われる長期入院患者の退院、病床の削減などについて、医療計画での目標値と実現への具体的手法についてお尋ねいたします。
 島根県の保健医療計画におきましては、長期入院患者の退院や病床の削減の目標値は定めておりませんが、平成16年に国が示した改革ビジョンに基づいて、保健所を中心に市町村や医療・福祉関係機関の連携によりまして、長期入院患者の退院促進に取り組んできたところでございます。その結果、先ほど申しましたように、県内の精神病床数はこの10年間で335床減少したところです。今後も入院早期の時点から、退院に向けまして医療と福祉関係機関が連携し、本人の意向に沿った地域移行支援に取り組んでまいりたいと考えております。
 私もいろいろ今回の質問のために調査行ってまいりました。先進地では驚くような実績を上げてるところもございます。背景等の状況はいろいろ違うので一概には言えませんけれども、さらに取り組みを進めれる、そういう環境はあるんじゃないかと思いますので、一層の取り組みをお願いしたいと思います。
 この病床削減でありますけれども、持続可能な病院経営も図りながら地域移行をどう進めるか、それが鍵だと思います。受け皿となる住居資源、日課資源の現状をお尋ねしたいと思います。
 県では、精神障がい者の地域移行を進めるに当たり、自宅以外にもさまざまな住まいの場、議員がおっしゃいます住居資源ですが、こうした場を確保する必要があると考えておりまして、グループホームの整備を進めております。本年9月1日時点で県内には221カ所のグループホームがありまして、定員は1,319名となっております。また、日中活動を行う場、議員がおっしゃられる日課資源でございますが、こうした場としての生活介護事業所及び就労支援事業所は、本年9月1日時点で182カ所ございまして、定員は3,329名となっております。
 土木部長、使用に供されると思われるわが県の空家、空きアパートの戸数をお示しいただけませんか?
 総務省統計局が5年に一度行っています平成25年住宅土地統計調査の速報値では、賃貸住宅の空き家が1万2,900戸、戸建て住宅などの空き家が2万9,000戸、合計4万1,900戸と推計されております。
 ただいまお答えいただいたように、家族との同居がかなわなくても、住居資源は豊富にあります。 が、提供いただくのは極めて困難な現状があります。住居資源確保や整備についてお尋ねいたします。併せて、自立生活に向けて居住体験できる住居の提供について、所見を伺います。
 住まいのほうの確保については、引き続きグループホームの整備に努めるとともに、障がい者や高齢者、低所得者などの賃貸住宅への入居に向けた支援を行う島根県居住支援協議会というものをつくっておりまして、そこを中心に、空きアパート等の活用についても不動産業者と連携して取り組んでいくことにしておるところでございます。
  あわせて、自立生活に向けて居住体験できる住居の提供について、御所見を伺いたいと思います。
 地域での生活に徐々になれることを目的に、退院を間近に控えた入院患者がグループホームの空き室等を利用して体験宿泊を行う居住体験サービスというものがございます。このサービスは、地域生活への移行を円滑に進めるための取り組みとして効果的な手段というふうに考えております。しかしながら、現状としてはこのサービスの利用は月に数件ということで少ないことから、今後は一層の周知を行って、利用の促進を図ってまいりたいというふうに思います。 
 日課資源の一番大きな課題は多様性の確保であろうと思います。先進地を見ると異業種とのネットワーク拡充が一つのカギではないかと思います。日課資源と多様性確保をどう進めていくのか、県のサポートについてお尋ねいたします。
 精神障がい者が利用する障がい福祉事業所におきましては、多様な取り組みが進みつつございます。さまざまな場面で精神障がい者が活躍する姿が見られるようになってまいりました。事例を幾つか紹介いたしますと、専門家の指導を受けて、白菜、タマネギ、花の苗などの本格的な栽培に取り組んでいる農福連携の事例がございます。また、カフェレストランを運営する事業所においては、調理や配食を担い、地域の方の好評を得ているような事例もございます。そして、クッキー等のお菓子づくりに取り組んでいる事業所では、定期的に地域との交流会を開催しているといったような事例などがございます。県としては、このような事例を障がい福祉事業所に紹介しまして、多様性確保をサポートしてまいりたいというふうに考えております。
 地域移行を進めるためには、ネットワークとスキルを持った人材育成が必須ではないかと思います。地域移行研修会なども含め、人材育成の現状と今後の取り組みをお尋ねいたします。
 地域生活に円滑に移行するためには、本人の意向を聞きながら、退院の前から計画的な支援を行う必要がございます。また、地域で安定した生活を続けるためには、退院後も、適切な福祉サービスの組み合わせによる支援を切れ目なく行っていくことが大切であると考えております。このため県では、これらを担う人材である相談支援事業所の相談員に対しまして、育成、スキルアップのため、多様な社会資源の利用や本人に合ったサービスの調整等についての研修を毎年実施しております。また、地域移行を定着を進めるためには、医療と福祉との連携が欠かせないことから、今後とも医療機関や福祉サービス事業所など幅広い職種の関係者を対象に研修会を実施するなど、人材育成に努めてまいりたいと考えてるところでございます。
 社会的入院を余儀なくされている患者の地域移行を進める上で、ピアサポーターの果たす役割は大きいと思います。電話相談やアウトリーチ等への活用も含め、育成と活用の現状、対価を含め支える仕組みと今後の考え方についてお尋ねいたします。
 県では、精神疾患による入院経験があり、その経験を生かして精神障がい者の支援を行う者、いわゆるピアサポーターの養成を平成22年度から各保健所で行ってきておりまして、現在35名の方が登録されております。こうしたピアサポーターの具体的な活動としましては、病院を訪問し、入院患者の話し相手となったり退院に向けた相談に応じるようなこと、また地域で生活する精神障がい者が受診する際に同行するといったことなどを行っておりまして、入院患者や精神障がい者にとりましては地域での身近な理解者であり、その活動が退院に向けての意欲を喚起するものとなっているというふうに認識しております。
 しかしながら、ピアサポーターとして活動できる方は限られておりまして、就労したり、みずからの治療を継続しながらできる範囲で活動していただいてるのが現状でございます。今後のピアサポーターの活動の内容ですとか、あるいは活動の場の広がりにつきましては、ピアサポーターの方々の御意見等も伺いながら検討してまいりたいというふうに考えております。
 家族に支えられている者も、高齢家族で抱え込むなど問題が深刻化しており、アウトリーチの果たす役割が大きくなっています。しかし、国の制度変更によって事業が中断したとのこと。
 行われてきたアウトリーチ事業の成果と今後の考え方をお尋ねいたします。
 県では、平成23年度から3年間、国のモデル事業の採択を受けまして、出雲圏域及び浜田圏域におきましてアウトリーチ事業、この事業は、保健師や精神保健福祉士等の多職種が連携して地域で暮らす精神障がい者のお宅を訪問し、地域生活の継続を支援する取り組みを行うことでございますが、そういった事業に取り組んでまいりました。その結果、地域で暮らす精神障がい者の定着に向けて、多職種、多機関連携の仕組みづくりができたことや、支援の評価方法などにおいて今後につながる成果が得られたところでございます。今後は保健所を中心に、これらの成果を全県域に波及させていきたいと考えております。
 力を入れなければならない地域移行ですが、支援の受け皿を作るためには、患者の意向が元になります。意向把握はどうされていますか。患者の意向調査を行うお考えはありませんか、お尋ねいたします。
 議員おっしゃるように、長期入院患者が地域移行するためには、まず入院患者の意向を把握することが大切というふうに考えております。しかし、患者本人に対する面接調査においては、外部の面識のない者が面接してもなかなか本人の気持ちを聞き出せなかったり、逆に病状を悪化させるおそれがあるなどの難しい課題がございます。このため県では、患者の状況や意向などを把握している主治医や地域連携室スタッフ、あるいは家族等を通じて情報を得るというやり方をとってるところでございます。したがって、今のところ患者本人に直接的に意向調査をするということは考えておりません。
 1970年代、米国国立精神保健研究所の統合失調症研究部門で局長を務めるローレン・モッシャーが行った実験、ソテリア・プロジェクトは大きな成果を上げたと言われています。今、そうしたオルタナティブな支援ネットワークを作る動きが起きていますが、オルタナティブな支援体制整備について、県としてのスタンスをお尋ねいたします。
 薬物療法に依存せず、家庭的な環境の中で薬剤の使用をできるだけ少量にとどめるオルタナティブのナシエント、いわゆる支援プロジェクトにつきましては、我々が知り得た限りでは、日本では東京のNPO法人による取り組みが唯一の事例でございました。こういうことで、これらの取り組みへの検証評価はこれから積み重ねられていくものと考えております。今後このような取り組みがどのように展開していくかを注視してまいりたいというふうに思っております。
 来年度、改定が予定されている第4次障害福祉計画での精神障がい者を取り巻く諸課題の位置づけと取り組みの方向性ついて、基本的な考え方をお尋ねいたします。
  県では、平成27年度から29年度までの3年間を計画期間とする第4期障がい福祉計画を、国が示した基本指針を踏まえて今年度中に策定することとしております。国の基本指針の中では、入院中の精神障がい者の地域生活への移行が主要な柱の一つとなっております。具体的には、入院後3カ月及び1年時点の退院率の上昇、在院期間1年以上の長期在院者の減少の2点につきまして、初めて目標値を設定することとなっております。このため県では、この第4期計画におきましてどのような目標値を設定するかなどにつきまして、現在検討を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、長期入院患者の退院に向けた意欲を喚起するとともに、退院後も安定した地域での生活が継続できるよう、支援の充実を図ることが今後の課題でございます。このため、第4期計画では、入院中から医療機関と福祉サービス事業者が連携し、地域生活への移行と定着をさらに推し進めていくことを計画の基本的な考え方としたいと考えております。
  地理的ハンディを抱える中で、心と体の相談センターの果たす役割はますます大きくなっていますが、支える体制は伴っているでしょうか。機能の弱体化傾向を指摘する声も聴きました。保健所との役割分担も課題であろうと思いますが、保健所とて事情は同じ。
 地域移行が進み、病床削減につながっていけば、大きなスキームとしての財政効果も高い。そうした点も踏まえ、地域移行を支える体制の強化について、行財政改革を進める立場の総務部長に所見をお尋ねいたします。
  県では財政健全化基本方針に基づきまして、定員削減など行政の効率化、スリム化を進める一方、災害対応、産業振興など必要な施策に対しましては、柔軟な人員配置に努めているところでございます。なお、心と体の相談センター及び保健所の精神保健福祉担当職員につきましては、近年、削減は行っておりません。
 御指摘の精神障がい者の地域移行につきましては重要な行政課題と認識しておりますが、人員につきましては県組織全体の配置の中で検討してまいりたいと考えております。
  安易な診断や薬物治療偏重、多剤大量処方による薬害の問題などが指摘される精神医療。多剤大量処方は、エンドラインを決めない治療によって至るケースが多く、薬害による深刻な症状を抱える患者が多数いることから、多剤大量処方を是正する流れにあります。
 関係者の求めもあり、昨年、国立精神・神経医療研究センターは、減薬ガイドラインを示しました。しかし、患者や家族からの申し立てがなければ入り口に立てません。
 一方、患者が減薬・断薬を望んでも、サポートする医師は少なく、相談できるセカンドオピニオン機能も極めてぜい弱。望む患者も離脱症状への不安から、簡単に減薬・断薬に踏み出せません。わが県のセカンドオピニオン、減薬・断薬支援の現状についてお尋ねいたします。
  県内の精神科医療機関56機関の中で、他の医療機関で受けた診断や治療等につきまして、これが適切かどうかの意見を述べる、いわゆるセカンドオピニオンを行っている機関は22機関ございまして、全体の39.3%となっております。また、向精神薬の減量や断薬につきましては、各精神科医療機関において患者の病状等を踏まえ、最もその患者の利益になるような形で実施されているものと認識しております。
 相当認識が違うんじゃないかなと思います。私が聞いてる範囲では、医療機関で真剣にセカンドオピニオンを受けて、しかも減薬、断薬の相談に乗ってくれるとこってほとんどない、このように聞いております。
 そこで、この精神障がい者自立のためには、セカンドオピニオン、減薬、断薬のサポート体制の確立、これが喫緊の課題じゃないかと思いますけれども、体制整備について前向きな御見解をお尋ねしたいと思います。
  精神科医療を受けている人やその家族などの中には、現在の治療方針について、第三者である専門家に相談したいとか、あるいは処方された薬剤を減らしてほしいというような希望を持つ方がおられると思います。県のホームページではセカンドオピニオンを受けられる医療機関の情報提供を行っておりますが、患者の病状等、非常に個別性が高いという精神科医療の特性から、減薬、断薬等についての汎用的なサポート体制を整備することはなかなか難しい面があろうかというふうに思っております。県では、従来から心と体の相談センターや保健所におきまして、患者本人やその家族から個別の相談を受けてきており、今後もそのような形で対応していきたいというふうに思っております。
 こころの医療センター、最後のとりでだと思うんで、ここら辺でしっかりこの機能を果たしていただければなあと思います。
 次に、ゲートキーパー研修について、精神医療につなげる環境づくりになるんじゃないか、こんな懸念がありますけれども、所見をお尋ねしたいと思います。
  県が取り組みを進めておりますゲートキーパーの役割は、心理的問題や生活上の問題、健康上の問題を抱え、自死のおそれのある人に気づいて声をかけ、話を聞き、必要に応じて、保健・医療・福祉の相談機関などの情報提供を行うことでございます。ゲートキーパー研修は、精神科受診の促進のみを目的としたものではありませんで、家庭や職場において家族や仲間の変化に気づくこと、声をかけ話を聞くことができる人をふやすことなど、幅広い目的で行っているものでございます。
  精神医療にかかる調査を通じて、10人に一人は精神疾患と言われる時代にあって、例えば薬はリスク、精神医療は万能ではない等のリテラシーを持つ必要性を痛感しました。県民への精神医療にかかる啓発について考え方をお尋ねいたします。
  精神疾患を正しく理解して、早期受診につなげ、本人の病状の変化を踏まえた適正な医療が受けられるようにすることが大切であると認識しております。県は、保健所や日本精神科看護協会島根県支部等と連携して、精神疾患の正しい知識と精神科医療の利用などにつきまして、保健師等が地域に出向いて出前講座を実施しております。今後とも精神疾患や精神科医療に関する正しい知識の普及啓発に努めてまいりたいというふうに思います。
 次に、教育長にお尋ねしたいと思います。
 発達障がいや発達障がいの二次障害など、心身に課題を抱える児童生徒が増えているとの現場感覚や教育現場の疲弊感もあってか、課題を持つ子どもたちに対する精神医療への「押し出し圧力」のようなものを訴える関係者の声を聞きます。
 子どもに与える薬物療法の影響の大きさを考えた時、慎重な配慮が必要だと思いますが、現状認識について教育長にお尋ねいたします。
  発達障がいや精神障がいなどの医療受診は非常にデリケートな事柄であり、適切な配慮が必要であると認識しております。それぞれの児童生徒について、担任教員だけの判断ではなく、管理職や養護教諭などを含めたケース会議などにより、適切な指導や支援の方法などについて検討しております。その上で、医療機関への受診や相談機関などでの発達検査を受けることを勧める場合があります。こうした医療などの専門家による診断や検査を受けることは、当該児童生徒に対する適切な指導や支援の方法を検討する上で必要なことだと考えております。そして、受診を勧める場合には、保護者に誤解を与えない十分な配慮と丁寧な対応が必要であると認識しております。
  一層の配慮をするためには、発達障がいや心の病を取り巻く課題等について、一層認識を深める必要があろうと思います。研修等の現状と今後の考え方についてお尋ねいたします。
  特別支援教育を担当する教員だけではなく、高等学校や通常の学級を担当する教員に対しても、初任者研修や6年目、11年目の経験者研修において特別支援教育に関する研修を実施しております。そのほか、各学校において行われる校内研修会に特別支援学校の教員や指導主事などを派遣し、障がいへの理解や指導支援に関する研修を実施しております。障がいの多様化が進む中、全教職員が特別支援教育や障がいへの理解を進めていく必要があると考えており、今後も研修の充実に努めてまいります。
  教育長、ご答弁のように、現場では慎重な対応が取られていることになっていますが、現実には、担任の先生から受診を勧められるケースも多いと聞いています。世界的には、成長期にある子供の薬物療法には慎重な扱いが主流となっています。慎重な対応を重ねて要望しておきます。
 さて、全国自死遺族連絡会の2010年の聞き取り調査では、自死者の69%は精神科治療中だったとのこと。多く触れませんでしたが、薬の副作用と自死の相関や、精神科医療にかかわる悲惨な事例は、憂慮すべき現状ではないかと感じています。
 精神科医療の現状についてどのように考えるのか、県としてどう方向付けしていくお考えか、知事の所見をお尋ねいたします。
 議員とのやりとりをお聞きしながら、精神障がい患者の方々の地域社会への移行と申しますか、地域社会の中でできるだけ安定して生活ができるという事態、状況には、まだまだ遠いわけでございます。そのためにいろんな対応をしなければならないと思いますけども、1つは、退院が可能な長期入院患者につきまして、入院中から、退院に向けて医療・福祉関係の方々が連携をして、御本人あるいは家族の方々の御意向も聞きながら、地域社会への移行に向けての準備をいろんな形で進めていくということが大事ではないかと思います。
 そしてまた、受け入れると申しますか、地域社会の方々も、こうした精神障がい者の方々について正しい理解を持つ、認識を持つ、そのために県としてもいろんな啓発を行っていくと、こういうことが2番目に大事なことじゃないかと思います。そして3番目に、そうした地域社会に移行された方々、障がい者の方々が安定して生活ができるように、本人を支援をする制度を進めていくと、こうしたことが大事ではないかというふうに思う次第でございまして、できるだけの努力をしていきたいというふうに思います。
 以上で終わります。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
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