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学校図書館レポート

[2009.9/27]
松江工業高等専門学校 環境・建設工学科4年
佐藤 彩子
 私が小学生、中学生のころの学校図書館を思い出すと誰もいない本が置いてある淋しい部屋がうかんでくる。自分から進んで図書室へ行こうと思ったことはないし、本を借りたこともほとんどない。
 今回、学校図書館が整備され、司書が配置されたことを知りとても羨ましく思った。
 8校の学校と市立図書館を訪問し、学校図書館の現状と司書配置事業について現場の声を聞くことができた。いい変化があったが、まだまだたくさんの課題があることを知った。

 まず学校図書館について。
 文部科学省が定めている図書標準を満たしていない学校がほとんどだった。40%という不十分な学校もあり、ある児童は図書室の本はほとんど読んでしまったのだ。
 さらにどの学校も古い本が多く、傷んでいるが廃棄すると本がなくなってしまうため、様々な工夫を凝らし補修している。子供たちは新しい本の方に目が行くので新しい本を取り入れていきたいのだが予算の関係でできない。
 以前より図書への予算は増えたが、まだまだ足りない。学校独自で予算を組んだ学校もあったが、学校により差がある。
 どの学校も県立図書館、市立図書館からの貸し出しを利用し新しい本を確保している。授業で使う資料は他の学校と同じ時期に同じ単元の勉強をするため確保が難しい。学校間での貸し出しのシステムはできていないので、それがあればもっと充実するという意見があった。
 学校図書館が盛んな学校は、週1回図書の時間がある。授業で十分に利用できていない学校があるため差が生じている。
 教諭はどう利用していいか分かっておらず、図書館を利用しようという意識が違う。それを統一できるように県がマニュアルを提示してほしいと要望があった。

 次に司書配置事業について。
 司書が配置されたことにより学校図書館は活性化した。書庫といわれていた図書室が賑わうようになり整備もしっかりでき、利用人数も本の貸し出し数も増えた。効果は表れている。
 司書の仕事は子供と本をつなぐことができるので、仕事としては充実しているという。
 しかし雇用体制に満足している人はいない。5時間はとても短く、サービス残業をしている人が多い。またこの仕事だけで生活しようと思っても困難だ。
 パート、嘱託があり雇用の違いは意識の違いにもつながる。
 学校の規模によりボランティアがやっている学校もある。司書の資格がない人もいるため学校により差がでる。それに疑問を持っている人もいる。
 学校現場が初めての人ばかりでどうしたらいいか分からなかったし、どこまで仕事を求められているのか分からなかったと聞いた。県が提示するべきである。
 この事業が継続するのか不安に思っている人が多かった。県の今後の展開が分からない。誰もが継続されることを願っている。
 県が目標を提示し、地域による差をなくしてどの学校も平等に学校図書館を利用することが望まれる。

 この調査を通じて私は一律化しなければならないと感じた。
 学校図書館が栄えることはとてもいいことだ。しかし、県が定めこの事業を始めたのに、学校によって違ってはいけないのではないか。
 島根県では初めての試みなので、前例がない。県が明確にどうするか示し、それを元に事業を発展する。
 私もこの事業が継続されることを願っている。私が出会った方々は学校図書館をよくしようと努力しておられた。調査に協力してくださったことに感謝する。
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